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令和七年六月十七日提出質問第三〇一号
いわゆる国民保護法の武力攻撃事態と武力攻撃予測事態に関する質問主意書
提出者 阪口直人
いわゆる国民保護法の武力攻撃事態と武力攻撃予測事態に関する質問主意書
政府は三月二十七日、台湾有事を念頭に、沖縄県の先島諸島五市町村の住民十一万人と観光客一万人の計十二万人を九州・山口の八県に六日間で避難させる計画を発表した。
避難計画の裏付けとなる平成十六年成立のいわゆる国民保護法は我が国が武力紛争に巻き込まれた際の国民を護るための法律と承知している。同法は住民避難を実施する際の目安となる武力攻撃事態等について、武力攻撃事態と武力攻撃予測事態に分ける。武力攻撃事態は武力攻撃が発生した事態または武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められる事態を指し、これに対し、武力攻撃予測事態は相手国がまだ侵攻には至らないものの危険性が極めて高い、侵攻が確実と判断できた段階で認定することが想定されていると承知している。
政府が台湾有事を想定して、先島諸島から住民と観光客の約十二万人の避難を実施する場合、実際の紛争が始まる前の武力攻撃予測事態の段階での避難開始が必須となる。
したがって、次の事項について政府に対し質問する。
一 台湾有事が生じた場合のどの段階で、武力攻撃予測事態と認定するかの明確な定義を政府は用意しているのか。
二 武力攻撃が予測される緊迫した状況下での移動手段となる民間の航空機や船舶の確保は困難が予想される。その場合、住民と観光客を自衛隊の艦船で避難させることは想定しているのか、政府の具体案があれば示されたい。
三 台湾有事の際の武力攻撃予測事態を認定する上で、米軍からの情報提供は欠かせないと考える。情報提供は、日米安全保障条約に基づいて行われると承知するが、これを確実、円滑かつ迅速に進めるための具体案があれば政府の見解を示されたい。
右質問する。