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令和七年六月十七日提出質問第三一九号
持続可能な病院経営に関する質問主意書
提出者 水沼秀幸
持続可能な病院経営に関する質問主意書
地域医療を懸命に支える全国各地の病院において、物価や人件費の高騰などで経営環境が悪化し、赤字に陥る病院が増えている。そうした状況に追い打ちを掛けているのが、建物の「老朽化」である。具体的には、法定耐用年数を超える「築四十年」以上の病棟を持つ病院が、全国で千六百院以上存在することが報道されている。
総務省では、公立病院が不採算医療や特殊医療などの地域医療にとって重要な役割を担っていることを踏まえ、地方財政措置を講じてきたとの見解が示されている。具体的には、病院事業債について、公立病院の新設および建て替え等に対する地方交付税措置の対象となる建築単価の上限を、令和七年度においては、一平方メートル当たり五十二万円から五十九万円に改定したと認識している。また厚生労働省による建設費に対する補助金は、一平方メートル当たり二十六万四千四百円だと認識している。
他方、実際の建設費に目を向けると、令和五年の千葉市の病院の場合は一平方メートル当たり八十万円である。また、昨年の船橋市や今年に入っての柏市の病院を例に挙げると、一平方メートル当たり百二十六万円の建築単価となっている。以上の実数値と政府による上限額を比べた場合、現実と大きく乖離している状況だと言わざるを得ない。これでは病院経営が立ち行かないという声が全国各地の病院から寄せられている。
これらのことについて次の質問をする。
一 病院建設に対する国の補助金の算定基準を、現在の物価の水準に合わせて機動的に見直すべきだと考える。本件における政府の見解を示されたい。
二 赤字経営に直面する病院に向けた国の支援について
1 診療報酬や介護報酬は公定価格であるが、物価や賃金の上昇に対応しきれておらず、各県の物価高騰支援金などを受給しても、支出額に見合わず赤字となっている病院が数多く存在している。物価や賃金など、費用の増加に対して国の支援が足りていない状況の中、政府からは「令和六年度報酬改定で一定の措置を講じた上で、昨年末の補正予算において、医療分野では経営状況の急変に対応する緊急的な支援として約千三百億円、介護分野は処遇改善及び生産性向上等のために全体で約千百億円、さらに重点支援地方交付金の積み増し等を行っているところ」「物価等の動向、経営状況など情勢を見極めた上で、次期報酬改定を始めとした必要な対応を検討してまいりたい」という見解が示されている。しかし、インフレ環境における病院経営難への対策は政府回答の措置のみでは足りず、追加支援が急務であると認識している。次期報酬改定を待たない、直近に講ずべきと考える支援措置について、政府の対応方針を示されたい。
2 厚生労働省は、「令和七年度の予算における入院時の食費基準の引上げ等を実施した」と答弁している。今後、質の高い食事を安定して患者へ提供し続けるためには、制度設計や運営体制の抜本的な見直しが不可欠であり、患者の栄養管理と満足度を維持しつつ、病院経営の負担を軽減できるような、持続可能な仕組みの構築が急務だと考える。病院給食の在り方に関する政府の認識を示されたい。
3 資金繰りへの対応について、厚生労働省は「緊急の処置として、福祉医療機構の融資を大幅に拡充した」と答弁している。国会における本回答を踏まえた独立行政法人福祉医療機構の最新融資実績を、これまでの対応と比較できる体裁で示されたい。
右質問する。