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令和七年六月十七日提出
質問第三四〇号

民泊制度の見直しに関する質問主意書

提出者  竹上裕子




民泊制度の見直しに関する質問主意書


 我が国における民泊制度には、旅館業法上の簡易宿所としての民泊事業、国家戦略特別区域法に基づく外国人滞在施設経営事業(以下「特区民泊」という。)、住宅宿泊事業法に基づく民泊事業があるが、最近では、主に特区民泊において、民泊経営を口実に経営・管理の在留資格を取得し、日本に移住する者が増えている実態や、外国人オーナーが、民泊に転用するためにマンションの家賃を大幅に引き上げ、住民を退去させている等、民泊をめぐる問題が明らかになっている。日本保守党はこれまで安全保障上の脅威となる外国勢力による不動産(特に土地)買収の禁止を重点政策項目に掲げている。一部の悪徳外国人が「経営・管理」の在留資格による民泊経営を利用して、日本国民の生活を脅かしている現状は看過しがたい。
 以下質問する。

一 令和七年二月二十八日の読売新聞オンラインによれば、大阪市内で認定を受けた特区民泊五千五百八十七件のうち、中国人又は中国系法人が運営している施設が四十一パーセントに上るとされている。政府は、各民泊制度について、外国人又は外国人によって設立された法人による運営件数を把握しているか。把握しているのであれば、それぞれの件数を示されたい。
二 令和七年六月九日の産経新聞によれば、大阪市此花区の新築マンションで二百室以上ある全室を特区民泊として運営する計画が明らかになり、周辺住民らでつくる有志の会が、説明不足などを理由に事業の認定に反対する二万千筆以上の署名を大阪市保健所に提出したとされている。これほど周辺住民から反対の声が上がっていることから、特区民泊の認定要件となっている、申請前の周辺地域の住民に対する適切な説明並びに周辺地域の住民からの苦情及び問合せについての適切かつ迅速な処理が行われているとは言えず、当該事業を認定した場合は法的に問題があると考えるが、政府の見解を伺いたい。
三 令和七年六月三日のFNNプライムオンラインによれば、東京都板橋区のマンションで、家賃が二・五倍の十九万円に突然引き上げられ、住民の約四割が退去や退去を決意したとされている。また、当該マンションは、所有権が中国籍企業へ移った後、住宅宿泊事業法上の届出を行わず民泊を行っていることが判明した。このように、税負担の増加、不動産価格の上昇、近隣の家賃相場と比較して不相当に賃料が安い等の正当な事由がないにもかかわらず、賃貸人が、民泊に転用する目的等でマンションの家賃を大幅に引き上げることは、借地借家法等の法令に違反していると考えるが、政府の見解を伺いたい。
四 住宅宿泊事業法第十八条において、都道府県等は、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができるとされており、学校施設等の周囲百メートル以内の区域や、土曜・日曜・祝日を除く期間について事業の実施を制限している地方自治体もある。
 1 観光庁の民泊制度ポータルサイトにおいて、令和三年四月一日時点の地方自治体の条例の制定状況が示されているが、@区域・期間制限を含む条例を制定している地方自治体、A区域・期間制限はせず、行為規制のみの条例を制定している地方自治体、B現時点では条例を制定していない地方自治体、C権限移譲していない地方自治体につき、最新の地方自治体の数をそれぞれ可能な限り示されたい。
 2 令和五年十二月二十一日の朝日新聞によると、東京二十三区内では民泊を規制する独自の条例が広がる一方、条例がないエリアに民泊が相次いで進出し、住民が反対したくても法的な対抗手段を見出しにくい実情があるとされている。政府は、地方自治体における民泊に係る条例の制定内容や、地方自治体のニーズを踏まえ、法令において事業の実施区域や期間を制限すべきではないかと考えるが、見解を伺いたい。
五 外国人が日本における民泊を利用する場合、母国のクレジットカードで母国にある民泊の銀行口座へ宿泊代金を支払った場合、国税当局は民泊における当該売上げを把握できるか伺いたい。また売上げをごまかしている民泊会社に対し、その母国である海外まで行き、税務調査をすることができるか伺いたい。
六 石破総理は、令和七年六月九日の参議院決算委員会において、「違法民泊の疑いがある事案に対する調査、取締りを徹底します。」と答弁しており、「ルールを守る外国人は受け入れる、しかしルールを守らない外国人には厳格に対応いたしてまいります。」とも答弁している。この答弁を受け、違法民泊の疑いがある事案に対する調査をいつ行うのか、またその調査の結果、ルールを守らない外国人による違法民泊に対し、政府としてどのように厳格に対応していくことを想定しているのか見解を伺いたい。
七 同委員会において、石破総理が「民泊をめぐりましては、経営・管理の在留資格の許可基準が他国に比べて緩やかでございますので、民泊経営を口実に経営・管理の在留資格を取得し、我が国に移住する者が増えておるという御指摘がございます。この許可基準につきましては、今後、出入国在留管理庁において適切に見直しをいたしてまいります。これらを総合的に対応してまいりますために、内閣官房に事務局組織、これを設立する方針でございます。」と答弁している。石破総理の答弁にある内閣官房に設立する事務局組織における検討事項には、外国人による住宅用不動産への関与の在り方についても含むべきであると考えるが政府の見解を伺いたい。
八 外国人と民泊をめぐる様々な問題により、民泊制度に対して日本国民が不安になっていると考える。ついては、政府が違法民泊の疑いがある事案に対する調査を行い、ルールを守らない外国人に対して厳格に対応するとともに、経営・管理の在留資格の許可基準を見直すまでは、外国人又は外国人によって設立された法人による民泊の申請受付を一時休止すべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。
 
 右質問する。

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