答弁本文情報
令和七年六月二十七日受領答弁第三四〇号
内閣衆質二一七第三四〇号
令和七年六月二十七日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員竹上裕子君提出民泊制度の見直しに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員竹上裕子君提出民泊制度の見直しに関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねについては把握していない。
二について
お尋ねの「法的に問題がある」か否かについては、国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第十三条第一項の規定に基づき認定を行う大阪市において適切に判断されるべきものであると考えている。
三について
お尋ねの「家賃を大幅に引き上げる」及び「借地借家法等の法令に違反している」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、借地借家法(平成三年法律第九十号)第三十二条第一項は、建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができると規定し、さらに、同条第二項は、建物の借賃の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃を支払うことをもって足りると規定しており、一般論として申し上げれば、これらの規定に基づき、建物の借賃の引上げが行われることはあり得るものと考えている。
四の1について
お尋ねの「区域・期間制限を含む条例を制定している地方自治体」の数は令和三年四月一日現在で五十四、「区域・期間制限はせず、行為規制のみの条例を制定している地方自治体」の数は同日現在で四、「現時点では条例を制定していない地方自治体」の数は同日現在で四十七、「権限移譲していない地方自治体」の数は同日現在で五十二である。
四の2について
住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号)第十八条の規定に基づく条例による住宅宿泊事業(同法第二条第三項に規定する住宅宿泊事業をいう。以下同じ。)の実施の制限については、都道府県等において、土地利用の状況、宿泊需要の状況等それぞれの区域の実情に応じてきめ細やかに行われる必要があることから、国において、お尋ねの「事業の実施区域や期間」の「制限」を行うことは考えていない。
五について
お尋ねについては、一般論として申し上げれば、国外において、我が国の法令に基づく賦課徴収の権限を行使することはできないが、国税当局においては、外国税務当局との間で租税条約等に基づく情報交換を積極的に実施するなど様々な機会を通じて課税上有効な各種資料情報の収集を行い、適正かつ公平な課税の実現に努めているところである。
六について
厚生労働省が毎年度、都道府県等を通じて実施している「旅館業法の遵守に関するフォローアップ調査」については、本年中に実施する予定である。また、「どのように厳格に対応していくことを想定しているのか」とのお尋ねについては、当該調査の結果が出ていない現段階においてはお答えすることは困難である。
七について
お尋ねの「外国人による住宅用不動産への関与の在り方」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、多岐にわたる施策を総合的に推進する司令塔機能の強化のため、御指摘の「内閣官房に事務局組織」を設け、外国人が「民泊」に関連して国内の不動産を利用することに伴い生ずる問題も踏まえた上で、「経済財政運営と改革の基本方針二〇二五」(令和七年六月十三日閣議決定)における「国内社会のグローバル化を前提としていない制度・運用全般を見直す」こと等を御指摘の「検討事項」とし、外国人との秩序ある共生社会の実現に向けて、必要な対策を着実に推進していくこととしているところである。
八について
旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)又は住宅宿泊事業法においては、人を宿泊させる営業を営もうとする者は都道府県知事等の許可等を受けなければならないこととしているほか、所要の罰則等を設けているところであり、政府としては、一義的には、各都道府県知事等において、旅館業法第二条第一項に規定する旅館業又は住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため、御指摘の「違法民泊の疑いがある事案」について、適切に対応されているものと承知しており、御指摘のように「外国人又は外国人によって設立された法人による民泊の申請受付を一時休止す」ることは考えていない。