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令和七年六月十七日提出
質問第三五二号

我が国におけるエイズ流行終結に向けた取組に関する質問主意書

提出者  梅村 聡




我が国におけるエイズ流行終結に向けた取組に関する質問主意書


 一九八五年、日本人として初めてのHIV陽性者の確認(当時、厚生省発表)から今年で四十年が経過した。エイズは、かつては「死の病」と恐れられていたが、様々な医薬品や治療法の登場で、HIV陽性者も天寿を全うすることが可能になったが、いまだ流行終結には至っていない。近年は、終結どころか、エイズ動向委員会の報告では、日本での二〇二三年の新規報告数は九百六十人(HIV感染者六百六十九人、エイズ患者二百九十一人)で、HIV感染者は七年ぶり、エイズ患者は三年ぶりに増加した。また、速報値によれば、二〇二四年も新規報告数は一千人と増加傾向が続く見通しで、さらに新規報告の三割超がエイズ発症後に確認されており(いわゆる「いきなりエイズ」)、陽性者の早期発見に向けた取組が急務と言われている。また、二〇一五年にWHOが推奨したPrEP(曝露前予防)の有効性、安全性及び費用対効果は既に評価が確立され、海外では標準的な対策となっているが、我が国では、米国に遅れること十二年後の二〇二四年八月に、PrEPを効能とする薬剤が初めて薬事承認されただけで、当該薬による医師管理下での適正普及には全く至っていない。国際連合合同エイズ計画(UNAIDS)が掲げる二〇三〇年までにHIV/エイズを流行終結させるため、以下、政府に質問する。

一 二〇二三年末時点、世界では毎年百三十万人が新たに感染し、六十三万人の方がエイズ関連疾患で死亡しているが、増加に転じている日本の動向についてどう考えているか、また、世界の動向との違いについて、政府の見解を伺う。
二 天然痘は、一九五八年に世界天然痘根絶計画がWHO総会で可決され、一九八〇年に世界根絶宣言が発せられたが、日本では緊急接種等の対策が奏功し、根絶計画の二年前の一九五六年以降は国内で発生が確認されていない。HIVについては、日本は先進諸国の中で人口百万人当たりのHIV感染者報告数も少なく、流行終結の宣言を世界に先駆け発することが出来る可能性があり、UNAIDSが掲げる流行終結目標の二〇三〇年は、次回日本がホストのG7サミット開催年でもあり、二〇三〇年に日本が流行終結を宣言する決意はあるのか、政府の見解を伺う。
三 具体的な流行終結に向けての設計図(ロードマップ)が、後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針(エイズ予防指針)と承知しているが、二〇一八年以降改正(原則、五年に一回の改正)されておらず、現在、改正に向けた検討を行っていると認識している。指針の改正内容は、二〇三〇年に流行を終結させるために必要かつ十分な対策を含む内容となっているのか、またそのような内容に則した改正にすべきであると考えるが、政府の見解を伺う。
四 UNAIDSが掲げる二〇二五年までの「九五−九五−九五」(九十五%の診断率、九十五%の治療率、九十五%のウイルス抑制達成率)の目標に対して、日本は診断率だけが九十%にも届いておらず、地域格差も大きくなっており(京都、滋賀九十三・一%に対し北九州地方七十九・四%)、検査機会拡充と多様化が急務である。また、検査を必須とするPrEPの普及も検査機会拡充に大きく貢献すると言われているが、検査とPrEPの普及について、政府の見解を伺う。
 
 右質問する。

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