質問本文情報
令和七年八月一日提出質問第二〇号
日米、核使用シナリオ報道に関する質問主意書
提出者 山川 仁
日米、核使用シナリオ報道に関する質問主意書
一 二〇二五年七月二十七日の沖縄地元二紙によると、日米両政府の外務・防衛当局間で、日米共同統合演習(キーン・エッジ)において、有事を想定した「米軍の核兵器使用」のシナリオを議論していたと報道された。この点に関し、以下の事項について質問する。
1 「米軍の核兵器使用」をシナリオに組み込むように、誰が指示をだしたのか。
2 報道によれば、政府間の調整の手順を定め、日本側の意見を伝えることができる規定があることが明らかとなっている。その手順と規定を明らかにされたい。
3 今回の「キーン・エッジ」のような、アメリカとの交渉などの際には、事前に、日本政府の方針について、国会承認を求める必要があると考えるが、政府の見解を伺いたい。
4 「米軍の核兵器使用」のシナリオについての議論を行っていないのであれば、これらの報道に対し厳格な対応を求めるべきではないか。
二 また、外務省「日米政府間の拡大抑止に関するガイドライン」(令和六年十二月二十七日)に関し、以下の事項について質問する。
1 「日米同盟は、一層厳しさを増す戦略的及び核の脅威に係る環境に直面しています」と表記されている。
@ 「一層厳しさを増す」とは、どのような意味か。また、具体的にどの国を想定しているのか。
A 「戦略的及び核の脅威に係る環境に直面しています」とは、どのような環境を意味しているのか。また、具体的にどの国を想定しているのか。
B 「直面している」ことを国民にどのように周知しているのか。
2 「主に拡大抑止協議を通じて蓄積された議論に基づき、日米両政府は、拡大抑止に関するガイドラインを作成しました」とある。
@ 「拡大抑止協議」とは、どのような協議を、どの関係機関もしくは国と行ってきたのか。
A アジア諸国と平和への協議を蓄積しガイドラインを作成するべきであるが、行わない理由は何か。
B 日米地位協定の改定に向け、総理は、改定に向けた協議を何回、誰と行ったのか。そしてその成果はどうだったのか。
C 沖縄県内で起こる、米軍人・軍属の事件事故、戦闘機の騒音が後を絶たない、人権のマナーも順守できず、同盟国として、やられ放題であるが、政府として、いつまでに、事件事故や騒音問題を解決するのか。
3 「同文書はまた、抑止を最大化するための戦略的メッセージングを取り扱うとともに、日本の防衛力によって増進される米国の拡大抑止のための取り組みを強化するものです」とある。
@ 「戦略的メッセージング」とは何か。
A 「日本の防衛力によって増進される米国の拡大抑止のための取り組みを強化する」と記載されているが、米国の拡大抑止は、力をもっての抑止を前提としていることから、軍拡化を進めることにつながるのではないか。米国は軍拡化、日本は防衛強化の矛と盾となるとの認識であるのか。
B 日本の防衛力強化は、同じ過ちを繰り返すことへの近道に繋がっていると考えるが、どのような認識を持っているのか。
右質問する。