質問本文情報
令和七年十一月十二日提出質問第六六号
がん精密検査受診率向上に関する質問主意書
提出者 長友よしひろ
がん精密検査受診率向上に関する質問主意書
がんは我が国の死亡原因の第一位を占め、早期発見・早期治療の推進は国民の生命と健康を守るうえで極めて重要である。
しかしながら、がん検診において「精密検査が必要」と判定されたにもかかわらず、実際に精密検査を受診しない者が相当数存在しており、特に市町村単位ではその受診率が五十%台にとどまる例も少なくない。
こうした受診率の低迷は、制度設計や周知体制の不備、医療アクセス格差、経済的・心理的負担など、複合的な要因によるものと考えられる。
政府は、がん対策推進基本計画の中で「がん検診・精密検査受診率の向上」を掲げているが、依然として自治体間の格差が大きく、自治体による啓発や受診勧奨の実効性も十分に明らかになっていない。
よって、以下質問する。
一 自治体ごとの現状把握について
1 がん検診において「精密検査が必要」とされた者のうち、実際に精密検査を受診した割合(精密検査受診率)について、最新の全国平均値及び都道府県別の値について、それぞれ可能な限り示されたい。
2 自治体間で受診率に大きな差がある要因を、政府としてどのように分析しているか。
二 受診率向上を阻む要因の分析について
1 精密検査未受診の主な理由(経済的要因、時間的制約、医療機関不足、心理的要因など)について、厚生労働省が把握している分析結果をそれぞれ示されたい。
2 自治体・医師会・医療機関との連携体制における課題をどのように認識しているか。
三 国の支援及び財政措置について
1 令和七年度当初予算において、がん検診及び精密検査受診率向上のための予算措置をどの程度講じているか、それぞれ示されたい。
2 自治体が独自に行う受診勧奨、通知強化、デジタル連携などに対して、国庫補助又は交付金による支援拡充の予定はあるか、また、特に受診率の低い地域に対する重点的支援策を検討しているか、それぞれ示されたい。
四 デジタル技術・AIの活用について
1 がん検診の結果管理、精密検査勧奨、受診フォローアップにおいて、マイナポータルや自治体DXを活用した仕組みをどのように整備する方針か、それぞれ示されたい。
2 AI・ビッグデータ解析による「精密検査未受診者の健康リスクの見える化」「行動変容支援」など、科学的アプローチの導入可能性について政府の見解を示されたい。
五 国の責務と今後の目標設定について
1 政府として、がん精密検査受診率の全国平均を今後、どの程度に引き上げていく目標を有しているか、そのロードマップを示されたい。
2 政府として、がん対策基本法及び次期がん対策推進基本計画における「精密検査受診率向上」項目の見直し及び強化を検討しているか。
右質問する。

