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令和七年十一月十三日提出質問第七〇号
仮装身分捜査の検挙実績等に関する質問主意書
提出者 藤原規眞
仮装身分捜査の検挙実績等に関する質問主意書
仮装身分捜査とは、捜査官が犯罪の実行者の募集に応じて犯人に接触する際、架空の運転免許証や住民票等(仮装身分表示文書等)を提示して行う捜査活動のことである。
昨年十二月五日に自民党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会で「「闇バイト」対策の強化に関する緊急提言」を取りまとめ、十二月十日の政調審議会で了承されている。仮装身分捜査は、この緊急提言の柱であったと考える。
警察庁は、本年一月二十三日、仮装身分捜査実施要領を策定し、全国の都道府県警察本部長に通達。その実施要領において、対象となる犯罪を、インターネット等を通じて実行者の募集が行われていると認められる強盗、詐欺、窃盗、電子計算機使用詐欺等とし、「他の方法では犯人を検挙し、犯行を抑止することが困難と認められる場合に、相当と認められる限度において実施する」としている。
高市早苗治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会長(当時)の六月十二日付のSNSには、本年「五月に「仮装身分捜査」による検挙に至り、被害も未然に防ぐ事ができた旨が、去る六月九日に公表されました。」とある。
以上を踏まえて質問する。
一 高市早苗治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会長(当時)のいう「被害を未然に防げた検挙」事案は、犯罪の主犯格を検挙したのか。それとも犯罪実行犯の検挙なのか。
二 仮装身分捜査の指標とするところは、末端からの突き上げ捜査による匿名・流動型犯罪グループの主犯格につながる証拠の確保・検挙であると認識している。仮装身分捜査によって検挙に至った匿名・流動型犯罪グループ関連の被疑者の総数と、検挙人員に占める主犯格とされる被疑者の数と割合を、可能な限りお示し頂きたい。
三 仮装身分捜査に従事した捜査官の人員は、延べ何人か。
四 仮装身分捜査に実効性は認められるか。認められるとしたら、犯罪被害の未然防止か、主犯格検挙につながる証拠の確保のいずれであるか、政府の見解を伺いたい。
五 仮装身分捜査の実施により、匿名・流動型犯罪グループの活動に、何らかの傾向や変化が生じているか。
右質問する。

