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令和七年十二月十二日提出質問第一七九号
学び直し支援及び高等学校等就学支援金等の在り方に関する質問主意書
提出者 竹上裕子
学び直し支援及び高等学校等就学支援金等の在り方に関する質問主意書
中学校を卒業した後、高等学校等に進学しなかった、いわゆる中卒者は、全国民の一割強を占めるとされている。こうした中卒者が高等学校の卒業資格を新たに得ることができれば、新たな次の資格習得のみならず、より有利な就職先の選択や大学等への進学の道が開かれ、その結果として、若者の社会的・経済的な自立の促進につながると考える。また、企業側にとっても、一定の学力と基礎的能力を備えた人材の供給が増えることで、労働生産性の向上ひいては我が国経済の底上げに資する可能性がある。
令和八年四月から、いわゆる高等学校授業料無償化の拡充に向けて、高等学校等就学支援金の上限額引上げなどの制度設計が進められていると承知するが、その検討にあたっては、在学中の高校生のみならず、すでに社会人として働いている中卒者等が新規進学や学び直しを通じて高等学校相当の教育を修得できるようにする観点も十分に踏まえるべきである。
また、高校生等奨学給付金や、地域における学びを通じたステップアップ支援促進事業等の制度は、本来、中卒者や高校中退者など、様々な背景を持つ者の学び直しを支える上で重要な役割を果たし得るものであるが、その水準や対象範囲、自治体への支援の在り方について、なお検討の余地があるのではないかと考える。
よって、政府の見解を質すべく、以下質問する。
一 政府案(現時点では与党案に基づく検討段階と承知する)では、学費を支援することを目的として、高等学校等就学支援金について、私立全日制の場合、現行の年額三十九万六千円から四十五万七千円へ、私立通信制の場合は二十九万七千円から三十三万七千円へ、いずれも上限額を引き上げる方向で調整が進められていると承知する。
これとあわせて、教材費や教科外活動費等を支援する高校生等奨学給付金についても、給付額や所得基準の引上げなど、条件面の見直しを行う考えがあるか。政府の方針を示されたい。
二 現在、高校生等奨学給付金の給付対象は、生活保護世帯及び住民税非課税世帯に限定されている。しかし、課税・非課税の境界付近に位置する世帯の中には、世帯収入の水準から見て、修学旅行を含む教科外活動費等を十分に負担することが困難な家庭も少なくないと考えられる。
こうした世帯に対しても、高校生等奨学給付金について、世帯年収条件だけではなく、介護看護を要するヤングケアラーなどの状況に応じた段階的な給付を行うなど、支援対象の拡大を図るべきではないか。政府の見解を示されたい。
三 地域における学びを通じたステップアップ支援促進事業は、中卒者や高校中退者等に対する学習支援を統括し得る重要な窓口となり得る事業であると考える。現状では、当該事業の実施は地方自治体に委ねられているが、文部科学省が実施した意向調査によれば、高校中退者等への学習支援を実際に行っている自治体は全体の五パーセント程度にとどまっていると承知する。
事業実施にあたってのノウハウ不足や、予算・人員の不足が課題として指摘されている状況を踏まえれば、国による一層の後押しが不可欠ではないか。ステップアップ支援促進事業について、今後、予算措置の拡充や人的支援、ガイドライン・モデル事業の提示などを含めた改善・強化を図る考えがあるか。政府の方針を示されたい。
四 問三のとおり、地域における学びを通じたステップアップ支援促進事業は、地域の特性を生かしながら、一人でも多くの中卒者や高校中退者に対し、学歴及び技能取得の機会を提供する場となり得るものであると考える。同時に、高等学校等就学支援金や高校生等奨学給付金、その他の学費支援や生活支援制度などについて相談できる、いわゆるワンストップの相談窓口として機能させることも有効であると考える。
政府は、同事業を中卒者等の学び直し支援における中核的な相談・支援拠点として位置づけ、中学校進路指導主事や養護施設職員なども含めた関係機関との連携や専門人材の配置などを通じて、ワンストップ支援の仕組みを構築していく考えがあるか。見解を示されたい。
五 高等学校等就学支援金の支給上限額については、公立高等学校に在学する生徒と、私立高等学校に在学する生徒とで受け取る金額に相当の差が設けられている。私立高等学校の授業料水準が一般に高いことを踏まえた設計であると理解する一方で、公立高等学校に通う生徒の中にも、経済的に厳しい状況にある家庭は少なくない。
公平性の観点から、公立高等学校に在学する生徒に対しても、私立高等学校に在学する生徒が受ける支援水準との差額の一部を、学習環境の整備や教科外活動への参加支援などの形で享受できるような仕組みを検討すべきではないか。政府の見解を示されたい。
右質問する。

