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答弁本文情報

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平成十二年十二月十二日受領
答弁第三二号

  内閣衆質一五〇第三二号
  平成十二年十二月十二日
内閣総理大臣 森   喜  朗

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員金田誠一君提出周辺事態における我が国と国際法の関係に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員金田誠一君提出周辺事態における我が国と国際法の関係に関する質問に対する答弁書



一について

 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号。以下「周辺事態安全確保法」という。)第一条に規定する周辺事態が発生していると判断され、周辺事態安全確保法第四条第一項に掲げる措置のいずれかを実施することが必要であると認めるときは、内閣総理大臣は、同条に規定する基本計画の案を作成し、安全保障会議に諮った上で、閣議の決定を求めることとなる。周辺事態が発生しているか否かについての判断は、この基本計画の閣議決定に不可分一体のものとして含まれることとなる。

二について

 周辺事態は、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態であるが、我が国に対する武力攻撃に至らないものであり、周辺事態に対応するために我が国が個別的自衛権を行使することはできない。

三について

 周辺事態安全確保法に基づき我が国が実施する後方地域支援は、それ自体、武力の行使に該当せず、また、米軍の武力の行使との一体化の問題が生ずることもないものであり、我が国が当該後方地域支援を行っても、我が国が武力紛争の当事国になることはない。
 また、交戦国に対して一定の義務を負う国家としての「中立国」という概念は、戦争自体が国家政策の遂行手段の一つとして認められていた伝統的な戦時国際法の下で発達したものであり、武力の行使が原則的に禁止され、国際法上戦争が違法化された国連憲章の下においては、戦争が違法ではないことを前提としたこのような「中立国」という概念は、現在では用いられなくなっている。
 周辺事態安全確保法に基づいて我が国が後方地域支援を行う場合の我が国の国際法上の立場については、具体的な状況を踏まえ、個別に検討した上で判断されるべきものであり、一概には申し上げられない。

四について

 我が国が締結した条約及び確立された国際法規を遵守する必要があることは当然であるが、周辺事態安全確保法に基づき自衛隊の部隊等が後方地域支援を実施するに際して具体的にいかなる国際法の規定が適用されるかは、具体的な状況を踏まえ、個別に検討した上で判断されるべきものであり、あらかじめ網羅的にお示しすることは困難である。



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