答弁本文情報
平成十三年三月十六日受領答弁第三〇号
内閣衆質一五一第三〇号
平成十三年三月十六日
衆議院議長 綿貫民輔 殿
衆議院議員長妻昭君提出食品添加物赤色二号に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長妻昭君提出食品添加物赤色二号に関する質問に対する答弁書
一について
昭和二十三年に食用赤色二号を食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第六条の規定に基づき指定した当時の資料及びデータについては、現在は保存していない。
御指摘の米国における昭和五十一年の措置を踏まえて、政府として食用赤色二号に関する試験を行ったことはない。
一についてで述べた昭和二十三年当時の資料及びデータは、厚生省本省文書保存規程(昭和二十五年厚生省訓令第三十四号)別表第二の「報告、届出、復命又は調査で、重要なもの」に該当し、保存期間は十年とされていたことから、現在は保存していない。
御指摘の米国における昭和五十一年の措置は、米国において食用赤色二号の発がん性を疑うデータが得られたとされたことに基づき講じられたものであるが、我が国においても食品衛生調査会の委員等による検討を行った結果、当該データは発がん性を疑う根拠とはならず、食用赤色二号は人の健康を損なうおそれがないとの結論を得たところである。
また、食用赤色二号については、国連食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)が合同で設置した食品添加物専門家会議(JECFA)から、昭和五十三年にそれまでに得られた知見からは発がん性が認められないとの見解が示され、昭和五十九年には追加して実施された長期投与による動物試験によっても発がん性が認められないとの見解が示されており、食品添加物としての安全性評価が国際的にも確立している。欧州連合(EU)等においても、食品添加物としての使用が認められているところである。
以上のことから、食用赤色二号は人の健康を損なうおそれがないものであると判断しており、人の健康を損なうおそれがあることを示唆する新たな知見が得られない限りは、改めてその安全性に関する試験を実施する必要はないと考えている。