衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十三年十月五日受領
答弁第一号

  内閣衆質一五三第一号
  平成十三年十月五日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員金田誠一君提出米国における同時多発テロと国連憲章及び国際法との関係に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員金田誠一君提出米国における同時多発テロと国連憲章及び国際法との関係に関する質問に対する答弁書



一の1について

 お尋ねの「同時多発テロ」(以下「今回のテロ攻撃」という。)に関して発表したお尋ねの文書を含む政府見解における「テロリズム」の用語については、特定の厳密な定義に基づいてこれを用いたものではなく、一般に、「テロリズム」の用語は、特定の主義主張に基づき、国家等にその受入れ等を強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされていることを踏まえて、これを用いたものである。

一の2について

 我が国が締結した条約その他の国際約束には、「テロリズム」の用語を定義した規定は存在しない。

二の1の@及び三の1について

 国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)決議第千三百六十八号及び第千三百七十三号は、今回のテロ攻撃につき、アメリカ合衆国(以下「米国」という。)を国際連合憲章(以下「国連憲章」という。)第三十三条にいう「当事者」とする「紛争」に当たるものとしてではなく、国連憲章第三十九条の「平和に対する脅威」に当たるものとして認めていると考えている。

二の1のAについて

 今回のテロ攻撃についての安保理決議第千三百六十八号は、国連憲章第五十一条の「個別的又は集団的自衛の固有の権利」について改めて言及しているところ、今回のテロ攻撃は、同条の「武力攻撃」に当たり得ると考えている。

二の2の@について

 今回のテロ攻撃についての安保理決議第千三百六十八号においては、国連憲章第三十九条の「平和に対する脅威」の存在を認める決定が行われたものと考えている。

二の2のAについて

 安保理決議第千三百七十三号において、安保理は、国連憲章第七章の下に行動して、すべての国はテロリズムを行う者への資金提供の防止等をしなければならないこと等を決定しているが、この決定は、国連憲章第四十一条に基づくものであると考えている。

三の2について

 お尋ねについては、ライス国家安全保障問題担当大統領補佐官は、平成十三年九月二十三日に、「米国は、自衛権を有している。(中略)大統領は自衛の行動をするために更なる権限が必要とは考えていないものと考えている。」と発言しており、その後も、米国政府高官は、これと同旨の発言をしているが、現在、米国は自衛権を実際に行使しているか否かを明らかにしておらず、また、米国の軍隊が今回のテロ攻撃に関連して具体的にいかなる措置をとっているのかについても必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難である。

三の3について

 ブッシュ大統領は、御指摘の会議において、「九月十一日、自由への敵が我が国に対して戦争行為を行った。」と述べており、この発言は、平成十三年九月十二日に同大統領が「昨日実行された我が国に対する計画的かつ激しい攻撃は、(中略)戦争行為であった。」と述べたことと軌を一にするものであると理解している。他方、これらの発言において「戦争」という用語が用いられた趣旨について、パウエル国務長官は、同月十四日の記者会見で、「ブッシュ大統領や自分は、この種の行為に対して米国及び国際社会のエネルギーを駆り立てるために戦争と言っている。(中略)この作戦は、軍事、経済、政治、外交、財政等のあらゆる措置を伴う長期的なものとなるという意味で戦争と称している。厳密に法的な意味での戦争ではない。」と述べていること等から、政府としては、国家の間で国権の発動として武力を行使し合うという伝統的な国際法上の意味における戦争は、現在、行われていないと考えている。

四について

 お尋ねの「戦時国際法の諸権利」については、お尋ねにおいて想定されている内容等が必ずしも明らかではなく、また、現在、米国の軍隊が今回のテロ攻撃に関連して具体的にいかなる措置をとっているのかについても必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難である。



経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.