答弁本文情報
平成十四年六月二十一日受領答弁第一〇〇号
内閣衆質一五四第一〇〇号
平成十四年六月二十一日
衆議院議長 綿貫民輔 殿
衆議院議員長妻昭君提出防衛庁の開示請求者に対する身元調査に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長妻昭君提出防衛庁の開示請求者に対する身元調査に関する再質問に対する答弁書
お尋ねの「身元調査」が開示請求者に係る網羅的な情報の調査を指すものであれば、防衛庁においてそのような調査を行っていないため、お答えできないが、お尋ねは、防衛庁の職員が行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)第四条第一項に規定する開示請求書(以下「開示請求書」という。)に記載された事項以外の開示請求者に係る情報を記載した資料(以下「開示請求者関係資料」という。)を作成していた事案に関するものと考えられるところ、これについては次のとおりである。
一の1について
海上幕僚監部(以下「海幕」という。)において開示請求者関係資料を作成していた者は、その当時、海幕監理部情報公開室員(以下「海幕情報公開室員」という。)であった。
海幕情報公開室員が作成した開示請求者関係資料は、他の者の指示に基づいて作成されたものではない。
海幕情報公開室員が作成した開示請求者関係資料に記載された情報は、開示請求書のほか、インターネツト、開示請求者の名刺、海幕以外の防衛庁の情報公開室の担当者及び開示請求者から開示請求のあった行政文書に係る防衛庁の主管課の担当者とのやり取り、書籍、雑誌並びに新聞から得られたものである。
海幕情報公開室員が作成した開示請求者関係資料に記載された情報を得るために、尾行や盗聴が実施されたことはない。
海幕情報公開室員が作成した開示請求者関係資料が開示請求者から開示請求のあった行政文書の開示又は不開示の判断に影響を与えたことはないものと考えている。
海幕情報公開室員が作成した開示請求者関係資料に開示請求書に記載された事項以外のその者に係る情報が記載された開示請求者数は五十三名である。
海幕情報公開室員が作成した開示請求者関係資料が海幕の構内情報通信網(以下「LAN」という。)上に共用されているファイルに記載されていた事実はない。
海上幕僚長(以下「海幕長」という。)は、本年五月二十八日、海幕情報公開室員が開示請求者関係資料を作成していた事実を知り、当該事実について調査するよう指示した。
お尋ねの「組織ぐるみ」が何を指すのか明らかでないが、海幕情報公開室員が作成した開示請求者関係資料は、海幕情報公開室員の個人の発意により作成されたものである。
海幕情報公開室員が作成した開示請求者関係資料が海幕のLAN上に共用されているファイルに記載されていた事実はない。
海幕情報公開室員が開示請求者関係資料を作成していた事実を海幕長が知った本年五月二十八日から六月十一日までに実施されたすべての記者会見における海幕長の発言要旨は、別表第一のとおりである。
海幕情報公開室員が開示請求者関係資料を作成していた事実を海幕長が記者会見で公表した日時は、本年五月二十八日である。
陸上幕僚監部(以下「陸幕」という。)においては、開示請求者関係資料として「業務処理状況一覧表」及び「情報公開概要報告」が作成されていたところ、これらを作成していた者は、その当時、陸幕監理部情報公開グループ員(以下「陸幕情報公開グループ員」という。)であった。
陸幕情報公開グループ員が作成した「業務処理状況一覧表」及び「情報公開概要報告」は、他の者の指示に基づいて作成されたものではないが、陸幕情報公開グループ長の了解を得て作成されたものである。
陸幕情報公開グループ員が作成した「業務処理状況一覧表」及び「情報公開概要報告」に記載された情報は、開示請求書、開示請求者の名刺、書籍等から得られたものであるほか、「元空自」等の情報については、既に防衛庁において周知の事実となっていたものである。
陸幕情報公開グループ員が作成した「業務処理状況一覧表」及び「情報公開概要報告」に記載された情報を得るために、尾行や盗聴が実施されたことはない。
陸幕情報公開グループ員が作成した「業務処理状況一覧表」及び「情報公開概要報告」が開示請求者から開示請求のあった行政文書の開示又は不開示の判断に影響を与えたことはないものと考えている。
「業務処理状況一覧表」に開示請求書に記載された事項以外のその者に係る情報が記載された開示請求者数は二十三名である。また、「情報公開概要報告」の基礎となった資料に開示請求書に記載された事項以外のその者に係る情報が記載された開示請求者数は二十六名である。
「業務処理状況一覧表」は平成十三年四月二日から、「情報公開概要報告」は平成十三年七月下旬から、それぞれ陸幕情報公開グループ長の了解を得て陸幕情報公開グループ員によって陸幕のLAN上に共用されているファイルに記載されていた。
開示請求書に記載された事項以外の開示請求者に係る情報は本年五月三十一日に陸幕情報公開室長の指示に基づき陸幕情報公開室員によって「業務処理状況一覧表」から削除され、「情報公開概要報告」は本年五月三十日に陸幕情報公開室長の指示に基づき陸幕情報公開室員によって陸幕のLAN上に共用されているファイルから削除された。
陸上幕僚長(以下「陸幕長」という。)は、本年六月一日、陸幕情報公開グループ員が「業務処理状況一覧表」及び「情報公開概要報告」を作成していた事実を知り、当該事実について調査するよう指示した。
お尋ねの「組織ぐるみ」が何を指すのか明らかでないが、陸幕情報公開グループ員が「業務処理状況一覧表」及び「情報公開概要報告」を陸幕のLAN上に共用されているファイルに記載していた事実を陸幕長が知ったのは本年六月一日である。陸幕長は、その際、当該事実について調査するよう指示した。
陸幕情報公開グループ員が「業務処理状況一覧表」及び「情報公開概要報告」を作成していた事実を陸幕長が知った本年六月一日から同月十一日までに実施されたすべての記者会見における陸幕長の発言要旨は、別表第二のとおりである。
陸幕情報公開グループ員が「業務処理状況一覧表」及び「情報公開概要報告」を作成していた事実を陸幕長が記者会見で公表した日時は、本年六月三日である。
お尋ねの「組織ぐるみ」が何を指すのか明らかでないが、陸幕情報公開グループ員が「業務処理状況一覧表」及び「情報公開概要報告」を作成し、それらを陸幕のLAN上に共用されているファイルに記載していた事実を陸幕長が記者会見で公表したのは本年六月三日である。
航空幕僚監部(以下「空幕」という。)においては、開示請求者関係資料として請求者区分のみがある進行管理表、請求者の氏名及び請求者区分がある進行管理表並びに「開示請求件数」(以下「空幕関係開示請求者関係資料」という。)が作成されていたところ、これらを作成していた者は、その当時、空幕監理部情報公開室員(以下「空幕情報公開室員」という。)であった。
空幕情報公開室員が作成した空幕関係開示請求者関係資料は、空幕情報公開室長の指示に基づき作成されたものである。
空幕情報公開室員が作成した空幕関係開示請求者関係資料に記載された情報は、開示請求書及び開示請求者とのやり取りから得られたものであるほか、「元自衛官」の情報については、既に防衛庁において周知の事実となっていたものである。
空幕情報公開室員が作成した空幕関係開示請求者関係資料に記載された情報を得るために、尾行や盗聴が実施されたことはない。
空幕情報公開室員が作成した空幕関係開示請求者関係資料が開示請求者から開示請求のあった行政文書の開示又は不開示の判断に影響を与えたことはないものと考えている。
請求者区分のみがある進行管理表並びに請求者の氏名及び請求者区分がある進行管理表に開示請求書に記載された事項以外のその者に係る情報が記載された開示請求者数は二名である。また、「開示請求件数」の請求者区分について開示請求書に記載された情報以外の情報に基づき件数が計上されたのは、開示請求者五名分である。
請求者区分のみがある進行管理表及び「開示請求件数」は、平成十三年五月末から、空幕情報公開室長の指示に基づき空幕情報公開室員によって空幕のLAN上に共用されているファイルに記載されていた。
開示請求書に記載された事項以外の開示請求者に係る情報は、本年五月二十八日、空幕情報公開室長の指示に基づき空幕情報公開室に所属する室員によって請求者区分のみがある進行管理表から削除され、「開示請求件数」は、本年五月二十八日、空幕情報公開室長の指示に基づき空幕情報公開室に所属する室員によって空幕のLAN上に共用されているファイルから削除された。
航空幕僚長(以下「空幕長」という。)は、本年五月三十日、空幕情報公開室員が空幕関係開示請求者関係資料を作成していた事実を知り、当該事実について調査するよう指示した。
お尋ねの「組織ぐるみ」が何を指すのか明らかでないが、請求者区分のみがある進行管理表及び「開示請求件数」を空幕のLAN上に共用されているファイルに記載していた事実を空幕長が知ったのは本年五月三十一日である。空幕長は、その際、当該事実について調査するよう指示した。
空幕情報公開室員が空幕関係開示請求者関係資料を作成していた事実を空幕長が知った本年五月三十日から六月十一日までに実施されたすべての記者会見における空幕長の発言要旨は、別表第三のとおりである。
空幕情報公開室員が空幕関係開示請求者関係資料を作成していた事実を空幕長が記者会見で公表した日時は、本年六月三日である。
お尋ねの「組織ぐるみ」が何を指すのか明らかでないが、空幕情報公開室員が請求者区分のみがある進行管理表及び「開示請求件数」を作成し、それらを空幕のLAN上に共用されているファイルに記載していた事実を空幕長が記者会見で公表したのは本年六月三日である。
防衛庁内部部局(以下「内局」という。)において開示請求者関係資料を作成していた者は、その当時、長官官房情報公開室員(以下「内局情報公開室員」という。)であった。
内局情報公開室員が作成した開示請求者関係資料は、長官官房情報公開室長の指示に基づき作成されたものである。
内局情報公開室員が作成した開示請求者関係資料に記載された情報は、開示請求書、開示請求者の名刺、開示請求者及び長官官房情報公開室以外の他課の担当者とのやり取り並びに書籍から得られたものである。
内局情報公開室員が作成した開示請求者関係資料に記載された情報を得るために、尾行や盗聴が実施されたことはない。
内局情報公開室員が作成した開示請求者関係資料が開示請求者から開示請求のあった行政文書の開示又は不開示の判断に影響を与えたことはないものと考えている。
内局情報公開室員が作成した開示請求者関係資料に開示請求書に記載された事項以外のその者に係る情報が記載された開示請求者数は五名である。
内局情報公開室員が作成した開示請求者関係資料は、平成十三年四月中旬から、内局情報公開室長の指示に基づき内局情報公開室員によって内局のLAN上に共用されているファイルに記載されていた。
開示請求書に記載された事項以外の開示請求者に係る情報は、本年五月二十九日、内局情報公開室長の指示に基づき内局情報公開室に所属する室員によって削除された。
防衛庁長官、防衛事務次官及び長官官房長は、本年六月三日、内局情報公開室員が開示請求者関係資料を作成していた事実を知り、それぞれ当該事実について調査するよう指示した。
お尋ねの「組織ぐるみ」が何を指すのか明らかでないが、内局情報公開室員が開示請求者関係資料を内局のLAN上に共用されているファイルに記載していた事実を防衛庁長官、防衛事務次官及び長官官房長が知ったのは本年六月三日である。防衛庁長官、防衛事務次官及び長官官房長は、それぞれ、その際、当該事実について調査するよう指示した。
内局情報公開室員が開示請求者関係資料を作成していた事実を防衛庁長官、防衛事務次官及び長官官房長が知った本年六月三日から同月十一日までに実施されたすべての記者会見におけるこれらの者の発言要旨は、別表第四のとおりである。
これらの者の国会におけるすべての答弁要旨をお答えすることは困難であるが、長官官房長が本年五月二十八日に衆議院内閣委員会において海幕情報公開室員が開示請求者関係資料を作成していた事実について調査を徹底して行う旨答弁したことを始め、国会においてお尋ねがあれば、その時点で判明した事実についてお答えしてきているところである。
内局情報公開室員が開示請求者関係資料を作成していた事実を防衛庁長官、防衛事務次官及び長官官房長が記者会見で公表した日時は、本年六月三日である。
お尋ねの「組織ぐるみ」が何を指すのか明らかでないが、内局情報公開室員が開示請求者関係資料を作成し、それを内局のLAN上に共用されているファイルに記載していた事実を防衛庁長官、防衛事務次官及び長官官房長が記者会見で公表したのは本年六月三日である。
お尋ねの「防衛庁に対する開示請求者一四一人」とは、海幕情報公開室員が作成した開示請求者関係資料に記載された百四十二名を指すものと考えるが、これらの者に係る開示請求件数、開示決定件数及び不開示決定件数については、調査中である。
防衛庁の職員が作成した開示請求者関係資料が当該開示請求者から開示請求のあった行政文書の開示又は不開示の判断に影響を与えたことはないものと考えている。
防衛施設庁の職員が開示請求者関係資料を作成していたという事実はない。
なお、防衛施設庁の職員が開示請求書に記載された氏名等の事項を転記した資料を作成していた事実があり、この点の事実関係については本年六月十一日の「防衛施設庁施設部における「情報公開処理状況(施設部関係)」に関する調査結果」で明らかにしたところである。
お尋ねの五については、現在、調査を行っているところであり、遅くとも本年七月中にはこれを終了することとしたい。また、調査結果については、公表の要求があった場合等必要に応じて公表することとしたい。





