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答弁本文情報

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平成十四年七月二日受領
答弁第一一三号

  内閣衆質一五四第一一三号
  平成十四年七月二日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員田中慶秋君提出原子力発電所新増設及び核燃料等の我が国のエネルギー政策と、二十一世紀の自動車産業のあり方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員田中慶秋君提出原子力発電所新増設及び核燃料等の我が国のエネルギー政策と、二十一世紀の自動車産業のあり方に関する質問に対する答弁書



一について

 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二十九条第一項に基づき電気事業者から届出のあった平成十四年度供給計画によれば、原子力発電所の使用開始時期は別表のとおりであり、同年度から平成二十二年度までに十基から十二基の原子力発電所の使用開始が見込まれているところである。
 また、別表に掲げた十二基の原子力発電所のうち、北海道電力泊第三号機、東北電力東通第一号機、中部電力浜岡第五号機、北陸電力志賀第二号機、中国電力島根第三号機及び電源開発大間の計六基が、それぞれ道県知事の同意を得た上で、電源開発促進法(昭和二十七年法律第二百八十三号)第三条第一項に基づき、経済産業大臣が電源開発の円滑な実施を図るため必要な事項等を考慮し決定した電源開発基本計画に組み入れられている。これらのうち、東北電力東通第一号機、中部電力浜岡第五号機及び北陸電力志賀第二号機については、現在、建設中であり、北海道電力泊第三号機及び中国電力島根第三号機については、現在、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第二十六条第一項による原子炉設置変更許可が申請され、経済産業省において審査を実施しているところである。
 さらに、右の六基以外についても、日本原子力発電敦賀第三号機及び第四号機を組み入れた新たな電源開発基本計画については、本年六月、資源エネルギー庁長官が福井県知事から同意を得、関係各省との協議を行っているところであり、今後、総合資源エネルギー調査会の意見を聴き、決定する予定である。
 政府としては、右のような原子力発電所の立地に係る諸手続の進ちょく状況にかんがみ、本年一月に使用を開始した東北電力女川第三号機を含め、平成二十二年度における原子力発電による電力供給目標を達成するための十基から十三基程度の原子力発電所の新増設は、実現可能なものと認識している。
 原子力発電所の建設をめぐる立地地域の地元情勢については、一部に厳しいものがあることも事実であるが、地域の理解を得るべく、これまで電源地域の振興に係る交付金の活用や、原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法(平成十二年法律第百四十八号)に基づく特別措置により、地域住民の福祉の向上を図る等、立地地域振興等に関する各種施策を講じてきているところである。引き続き、原子力発電の安全性の確保に万全を期し、原子力発電の必要性及び安全性に関する国民の理解を求める活動や、原子力発電所の立地地域振興策等の取組を通じ、目標の実現に全力を挙げることとしている。

二について

 地球温暖化対策推進大綱(平成十四年三月十九日地球温暖化対策推進本部決定。以下「大綱」という。)においては、エネルギー供給面における二酸化炭素排出量の削減対策の柱の一つとして、原子力発電の推進を掲げ、限りあるウラン資源の有効利用を図るとともに、原子力発電所の長期安定的な運転継続を確保するため、核燃料サイクルについて、その研究開発も含め、国内における確立を着実に進めていくこととしている。その具体策の一つとして、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(以下「MOX燃料」という。)を使用するプルサーマルの着実な推進を盛り込んでいるところであり、MOX燃料利用は、大綱のエネルギー対策に組み込まれているものである。
 なお、現在、プルサーマルの実施に向けて、内閣官房副長官が主宰する関係府省の局長等を構成員とするプルサーマル連絡協議会が平成十三年八月に取りまとめた「中間的な取りまとめ」に基づき、国が前面に立った取組を行っており、一日も早い実現のため努力を重ねている。
 また、大綱においては、省エネルギー対策、新エネルギー対策、燃料転換等のエネルギー対策について、新エネルギーによる自動車(以下「クリーンエネルギー自動車」という。)の普及促進等百種類を超える個々の対策についての導入目標量及び排出削減見込量を定量的に明らかにし、これらの対策を推進するため、クリーンエネルギー自動車の導入を支援するための補助等の国等の施策を盛り込んでいる。

三について

 二十一世紀にふさわしい環境負荷の小さい自動車社会を構築するとともに、環境・エネルギー問題に対応した技術革新を促すことで自動車産業を始めとする関連産業の国際競争力の強化を図るため、クリーンエネルギー自動車の開発・普及を推進していくことが重要であると認識している。
 政府においては、実用段階にあるクリーンエネルギー自動車の普及策として、原則としてすべての一般公用車をクリーンエネルギー自動車等の低公害車に切り替えることとするとともに、民間におけるクリーンエネルギー自動車の導入を支援するための補助、税制上の措置、金融支援等を実施している。
 また、次世代のクリーンエネルギー自動車の開発に関しては、乗用自動車については、燃料電池自動車の世界に先駆けた実用化を目指して、大規模な公道実証試験、性能評価手法等の標準化、規制の包括的な再点検等を実施するとともに、電気自動車用の高性能蓄電池の開発を行っており、貨物自動車等については、従来の大型ディーゼル自動車に代替する自動車として、高効率天然ガス自動車、次世代ハイブリッド自動車等の開発を行っている。
 政府としては、実用化・商用化に向けた技術開発を行っている民間企業や、基礎的な研究を行っている大学等の研究機関と適切な役割分担を図りつつ、産学官三者による情報の共有など相互の連携の下、クリーンエネルギー自動車の早期の開発・普及を実現することにより、環境・エネルギー問題への対応を図るとともに、自動車産業を始めとする関連産業の国際競争力の強化を目指してまいりたい。


別表 電気事業者・原発名称・使用開始時期 1/2


別表 電気事業者・原発名称・使用開始時期 2/2



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