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平成十四年九月十三日受領
答弁第一七一号

  内閣衆質一五四第一七一号
  平成十四年九月十三日
内閣総理大臣 臨時代理
国務大臣 福田康夫

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員山谷えり子君提出中学生にピル(経口避妊薬)を教える記述に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山谷えり子君提出中学生にピル(経口避妊薬)を教える記述に関する質問に対する答弁書



一について

 財団法人母子衛生研究会(以下「財団」という。)により作成され、配布された「思春期のためのラブ&ボディBOOK」(以下「本冊子」という。)については、経口避妊薬(以下「ピル」という。)の副作用に関する情報提供、本冊子の記述の見直し等を行うよう、厚生労働省から財団に対して助言を行ったところである。
 財団は、この助言も踏まえ、本冊子に関する追加資料(以下「追加資料」という。)を作成し、要望があった教育委員会等に配布したと承知している。また、財団は、本冊子の追加的な作成及び配布は行わず、使用されていない本冊子を引き取ることにしたと聞いている。
 なお、厚生労働省は、財団に対して助言を行ったことについて文部科学省に情報を提供するとともに、財団が作成及び配布を行った追加資料を文部科学省に提供したところである。

二について

 財団によれば、本冊子におけるピル及びコンドームの失敗率(避妊薬又は避妊用の器具の使用開始後一年間の妊娠率をいう。以下同じ。)の根拠は次のとおりである。

 1 ピルの失敗率については、米国食品医薬品局が平成六年に改訂した「混合型経口避妊薬の添付文書に関する手引 医師用添付文書」(以下「手引」という。)において、理想的使用(避妊薬又は避妊用の器具を正しく使用し続けることをいう。以下同じ。)の場合には〇・一パーセント、飲み忘れ等もある一般的使用の場合には三パーセントとされていることを参考としたものである。
 我が国では、ピルが処方される際には医師の指導が行われることから、おおむね理想的使用が行われると期待されること、昭和五十六年から平成二年にかけて行われた十製品のピルの第三相臨床試験における最も高い失敗率が〇・五九パーセントであったこと等を踏まえ、本冊子においては、手引における理想的使用の場合の失敗率に近い整数値である一パーセントを記載した。
 2 コンドームの失敗率については、手引において、理想的使用の場合には三パーセント、一般的使用の場合には十二パーセントとされているが、我が国では十歳代の避妊の実施率は低いこと等から、本冊子においては、手引における一般的使用の場合の失敗率である十二パーセントを記載した。

三について

 財団によれば、ピル及びコンドームの失敗率について、より詳細かつ適切な情報を提供するため、追加資料には、理想的使用の場合及び一般的使用の場合の双方の失敗率を記載することとし、また、手引における失敗率の根拠とした数値が平成十年に改訂されていたことから、改訂後の数値を使用することとしたとのことであり、追加資料は、本冊子のピル及びコンドームの失敗率に関する記述に関連して、より詳細かつ適切な情報を提供したものであると考えられる。

四について

 ピルについては、骨端の早期閉鎖を来すおそれがあるため、思春期前の女性への使用は禁忌とされている。
 本冊子のピルに関する記述については、ピルを使用する際には医師への相談が必要であることが明記されており、ピルが思春期前の女性に使用されることはないことを前提にしたものであると考えられる。

五について

 本冊子及び追加資料の作成及び配布については、財団の自主的な事業として行われたものであり、厚生労働省において許可等の直接的な関与は行っていない。

六について

 学校における性教育については、人間尊重を基盤として、児童生徒の発達段階に応じて性に関する科学的知識を理解させるとともに、これに基づいた望ましい行動がとれるようにすることをねらいとして、保健体育科を中心に学校教育全体を通じて行っているところである。
 中学生に対しては、性的成熟に関する正しい理解、性に関する適切な行動を選択することの重要性等について指導しているところである。
 今後とも、学校における性教育の一層の充実を図ってまいりたい。



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