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答弁本文情報

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平成十五年三月十四日受領
答弁第一七号

  内閣衆質一五六第一七号
  平成十五年三月十四日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員児玉健次君提出北海道矢臼別演習場の砂防施設建設によってもたらされるラムサール登録湿地・別寒辺牛(べかんべうし)湿原に生息する絶滅危惧種イトウ(サケ科)の危機及び厚岸湾水産資源への悪影響について、また別海町町道に設置される監視カメラによる住民プライバシー侵害問題等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員児玉健次君提出北海道矢臼別演習場の砂防施設建設によってもたらされるラムサール登録湿地・別寒辺牛(べかんべうし)湿原に生息する絶滅危惧種イトウ(サケ科)の危機及び厚岸湾水産資源への悪影響について、また別海町町道に設置される監視カメラによる住民プライバシー侵害問題等に関する質問に対する答弁書



一の1及び5について

 札幌防衛施設局においては、別海矢臼別大演習場(以下「本演習場」という。)における自衛隊及び我が国に駐留するアメリカ合衆国軍隊(以下「合衆国軍隊」という。)の訓練の実施によって本演習場内の土地の形質が変化する等により、降雨又は融雪に伴い別寒辺牛川支流に土砂が流出しやすくなり、当該土砂の流出により生ずる障害を防止し、又は軽減するため、北海道厚岸町からの要望を踏まえ、ダムの建設の事業(以下「本件事業」という。)を計画したところである。本件事業については、別寒辺牛川の管理を行い、その周辺地域の状況に詳しい厚岸町に委託している。
 当該ダムの工事計画の策定に当たっては、本件事業が環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)及び北海道環境影響評価条例(平成十年北海道条例第四十二号)に定める環境影響評価の対象事業に該当しないため、これらに基づく環境影響評価を行っていない。しかしながら、厚岸町の意見を踏まえ、本件事業の実施に伴う環境への影響を最小限にするとの観点から本件事業に係る委託調査の中で対象地域周辺の動植物の生息等に及ぼす影響について調査を行い、また、別寒辺牛川、トライベツ川、フッポウシ川及び西フッポウシ川における流量観測及び水質調査を行ったところである。
 「過去において下流域に土砂流出の事例の有無」については、具体的に把握していないが、「建設省河川砂防技術基準(案)計画編、調査編、設計編について」(昭和五十一年六月二十九日付け建設省河計発第六十三号)に記載されている土砂流出等の算定方法等を参考として、降雨時において流出する土砂量、流出土砂の抑制量及び調整量等を算定し、当該算定等に基づき当該ダムの規模を決定しており、この規模については適切なものであると考えている。

一の2及び3について

 一の1及び5についてで述べた動植物の生息等に及ぼす影響についての調査を行った結果、イトウを含む魚類が生息していることが確認されたことから、これらの繁殖及び生息にできる限り影響を及ぼすことのない方策として有効と考えられる附帯施設として、魚道の設置について検討を行い、他の類似事業における魚道の設置状況等を踏まえ、その規模等を決定し、これを設置したところである。
 今後、魚道における実際のイトウの遡上状況等について補完的に調査を行うとともに、繁殖及び生息について、有識者から意見の聴取等を行うこととしている。

一の4について

 本件事業については、厚岸町がその内容等について、厚岸漁業協同組合の組合員に対し説明したと承知している。御指摘の事項については、同組合が厚岸町に対して求めているものと承知しており、今後、厚岸町と調整しつつ、有識者から意見の聴取等を行ってまいりたい。

一の6について

 本演習場内に設置されている十基のダム(流出土砂の抑制及び調節を目的とするものをいう。以下同じ。)に関する環境影響評価等については、別表一及び別図一のとおりである。
 なお、現在、当該ダムのほか、四基のダムの建設の事業を行っているところであり、新たなダムの建設の事業に関する計画は有していない。

一の7について

 お尋ねの「主要演習場(大、中演習場)など演習場における砂防施設設置」がどのような範囲のものを指すのか必ずしも明らかではないが、自衛隊が使用する演習場内におけるダムの建設に関する既設、計画中の事業等についてお示しすると、別表二及び別図二から別図二十までのとおりである。
 また、今後、新たなダムの建設の事業を行うかどうかについては、演習場内の土地の形質の変化等を確認し、その建設の必要性等の検討を行った上で決定することとなることから、現時点では、その建設の事業に関する計画を申し上げることは困難である。

二の1及び2について

 合衆国軍隊のうち沖縄県に駐留する海兵隊(以下「在沖米海兵隊」という。)が沖縄県道一〇四号線越え実弾射撃訓練を本土に移転して行う訓練(以下「実弾射撃移転訓練」という。)を本演習場において実施するに当たり、平成九年二月二十六日、北海道別海町長から札幌防衛施設局長に対し文書により「演習場の安全及び服務の管理・規律に万全を期すこと」との要望があったところである。
 お尋ねの本演習場内に設置を予定しているカメラについては、別海町長からの右要望等を踏まえ、実弾射撃移転訓練実施中の安全管理を目的として、本演習場周辺の住民が誤って演習場に立ち入ること及び在沖米海兵隊員が誤って演習場の外に出ることを防ぐため設置するものであり、当該カメラの設置が、本演習場内にある別海町の町道を利用する住民のプライバシー及び肖像権の侵害に当たるとは考えていない。
 なお、安全管理施設として、当該カメラのほか警告塔、情報表示板、保安柵等を設置したところである。

二の3について

 お尋ねのカメラについては、現在、帯広防衛施設支局が設置工事を実施しているところであり、工事完了後は、同支局長が管理することとしている。
 また、当該カメラの具体的な管理・使用方法及び映像の取扱いについては、当該カメラの設置目的を踏まえつつ、工事完了後に決定することとしている。

二の4について

 お尋ねのカメラの設置場所を決定した時期は、平成十四年二月であり、その場所は本演習場への出入りの状況把握に適した位置としたものである。

二の5について

 お尋ねの「他の四演習場」のうち、大和王城寺原大演習場及び日出生台・十文字原演習場に安全管理施設としてカメラを設置している。


別表一 別海矢臼別大演習場内の既設ダムに関する事業概要


別表二 自衛隊の演習場内のダムに関する事業概要 1/12


別表二 自衛隊の演習場内のダムに関する事業概要 2/12


別表二 自衛隊の演習場内のダムに関する事業概要 3/12


別表二 自衛隊の演習場内のダムに関する事業概要 4/12


別表二 自衛隊の演習場内のダムに関する事業概要 5/12


別表二 自衛隊の演習場内のダムに関する事業概要 6/12


別表二 自衛隊の演習場内のダムに関する事業概要 7/12


別表二 自衛隊の演習場内のダムに関する事業概要 8/12


別表二 自衛隊の演習場内のダムに関する事業概要 9/12


別表二 自衛隊の演習場内のダムに関する事業概要 10/12


別表二 自衛隊の演習場内のダムに関する事業概要 11/12


別表二 自衛隊の演習場内のダムに関する事業概要 12/12


別図一


別図二


別図三


別図四


別図五


別図六


別図七


別図八


別図九


別図十


別図十一


別図十二


別図十三


別図十四


別図十五


別図十六


別図十七


別図十八


別図十九


別図二十


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