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答弁本文情報

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平成十五年四月十一日受領
答弁第一九号

  内閣衆質一五六第一九号
  平成十五年四月十一日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員大島令子君提出外国人学校に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員大島令子君提出外国人学校に関する質問に対する答弁書



一について

 外国人学校の卒業者に対する高等学校や大学への入学機会の拡大については、「規制改革推進三か年計画(改定)」(平成十四年三月二十九日閣議決定)に基づき、平成十四年度中の措置を目指し検討してきたものである。
 大学への入学機会の拡大については、従前より、大学入学資格検定に合格すれば外国人学校の卒業者に対しても大学入学資格が付与されているところであるが、「教育の国際化の観点からも、我が国の学校制度との整合性を勘案しつつ、インターナショナルスクールにおいて一定水準の教育を受けて卒業した生徒が希望する場合には大学や高等学校に入学する機会を拡大すべきである。」とした総合規制改革会議の規制改革の推進に関する第一次答申(平成十三年十二月十一日)の趣旨に沿って検討し、本年三月六日に、国際的に実績のある評価団体により教育内容が一定水準にあるとの評価を受けた外国人学校の卒業者に対して大学入学資格を与えるとの対応案を公表した。現在、当該案に対する様々な意見を踏まえ、外国人学校の卒業者に対する大学への入学機会の拡大について検討中である。
 また、高等学校への入学機会の拡大については、就学義務猶予免除者等の中学校卒業程度認定規則(昭和四十一年文部省令第三十六号)を改正し、日本国籍を有する者であって、就学義務猶予免除者ではなく、義務教育諸学校に在学せず、同規則に基づく認定試験(以下「認定試験」という。)の日の属する年度の終わりまでに満十五歳に達する者で、その年度の終わりまでに中学校を卒業できないと見込まれることについてやむを得ない事由があると文部科学大臣が認めたものについて、新たに認定試験の受験資格を認めることとした。
 なお、日本国籍を有しない者については、認定試験の日の属する年度の終わりまでに満十五歳以上になるものについて、既に認定試験の受験資格が認められているところである。

二について

 一についてで述べたとおり、外国人学校の卒業者に対する大学への入学機会の拡大については、現在検討中である。
 高等学校や大学への入学資格については、これまでも、日本国籍を有しない児童・生徒が学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(以下「一条学校」という。)を卒業した場合には、日本国籍を有する者と同様に高等学校や大学への入学資格が認められており、また、一条学校を卒業しなかった場合であっても、法令上の要件を満たす者については、認定試験又は大学入学資格検定に合格した場合は高等学校又は大学への入学資格が付与されているところであって、制度上不合理な差別があるとは考えていない。
 また、ある教育施設を学校教育法上どのような教育施設として認可するのかという点については、設置者の認可申請に基づき、各々の学校種について満たすべき法令上の要件に照らして判断されるものであり、この点についても制度上不合理な差別があるとは考えていない。

三について

 法務省の人権擁護機関において調査処理した事例としては、例えば、在日朝鮮人である生徒が「朝鮮へ帰れ」などの暴言を浴びせられた事案において、法務局職員が相手方に発言の不当性を説諭したという事例、在日朝鮮人である生徒が登下校の際に嫌がらせを受けた事案において、法務局職員及び人権擁護委員が学校の周辺で啓発活動を行ったという事例などがある。

四について

 御指摘の答弁については、保護者の用務の都合により我が国に短期間滞在する外国人児童・生徒を多く受け入れている各種学校が、対内直接投資を促進し、海外から優秀な人材を呼び込む上で重要な役割を果たしているという趣旨を述べたものであり、我が国に滞在する外国人児童・生徒の社会的意義について述べたものではない。

五について

 法務省の人権擁護機関においては、法務局・地方法務局に専用相談電話「子どもの人権一一〇番」を設置し、子どもの人権に関わる問題の実態の把握に努めているところであり、警察においても、朝鮮学校の関係者と緊密に連携を取り、児童・生徒に対する嫌がらせ事件発生時の通報体制を確立し、その実態の把握に努めていると承知している。
 在日朝鮮人児童・生徒への嫌がらせ行為等の発生を防止するため、法務省においては、平成十四年九月十九日、法務局・地方法務局の人権擁護部門に対し、重点的な啓発活動の実施、人権相談等への積極的な取組を指示したところであり、当該指示に基づき、法務局・地方法務局では、啓発ポスター及び啓発チラシを約三十五万枚作成し、全国約二百五十か所において街頭啓発活動を実施して啓発チラシ等の配布等を行った。また、警察においては、在日朝鮮人児童・生徒の登下校時間帯の通学路の警戒を強化するなどの対応をとってきたものと承知している。
 今後とも、在日朝鮮人児童・生徒への嫌がらせ等の発生を未然に防止するための重点的な啓発活動等を実施するとともに、人権相談等に対する積極的な取組に努めてまいりたい。

六について

 昨年秋以降、朝鮮学校の児童・生徒に対する嫌がらせに関し、被害届が提出されている事件として把握しているものとしては、朝鮮学校に脅迫文書が郵送された事件、朝鮮学校の施設の一部が破損された事件、朝鮮学校生徒の制服が切られた事件、朝鮮学校の自動車に取り付けられた部品が破損された事件があり、そのいずれについても、現在、警察において捜査中であると承知している。

七について

 御指摘の通達の引用部分については、先の答弁書(平成十二年八月二十五日内閣参質一四七第五三号)第三の二についてで述べたとおり効力を失っているものであり、朝鮮学校を学校教育法第八十三条に規定する各種学校として認可するに当たっては、所轄庁である都道府県知事が関係法令に基づき適切に判断するものと承知している。



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