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答弁本文情報

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平成十五年三月二十八日受領
答弁第二一号

  内閣衆質一五六第二一号
  平成十五年三月二十八日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員大出彰君提出芸能関係者の労働者性判断基準についての政府解釈に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員大出彰君提出芸能関係者の労働者性判断基準についての政府解釈に関する質問に対する答弁書



一の(1)について

 御指摘の「業務の性格」については、映画やテレビ番組の撮影の業務は、指定されたスタジオやロケーション現場において行われるものであることをいうものと解している。

一の(2)について

 勤務場所が指定されていることは、一般的には、指揮監督関係を肯定する要素となるものであるが、映画やテレビ番組の撮影の業務に従事する俳優及び技術スタッフについては、業務の性格上当然であるので、直ちに指揮監督関係を肯定する要素とはならず、他の契約内容及び就業実態により総合的に判断すべきであることをいうものと解している。

一の(3)について

 先の答弁書(平成十四年十二月二十日内閣衆質一五五第九号)一についてで述べたとおり、平成八年に取りまとめられた「建設業手間請け従事者及び芸能関係者に関する労働基準法の「労働者」の判断基準について」(以下「平成八年報告」という。)は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第九条に規定する労働者(以下「労基法上の労働者」という。)に該当するか否かの判断基準について、昭和六十年に取りまとめられた「労働基準法の「労働者」の判断基準について」(以下「昭和六十年報告」という。)をより具体化したものである。
 すなわち、平成八年報告は、映画やテレビ番組の撮影の業務に従事する俳優及び技術スタッフに関し、昭和六十年報告において示された労基法上の労働者に該当するか否かの判断基準について具体的な判断基準の在り方を示したものであり、勤務場所の拘束性についても、昭和六十年報告において指揮監督関係に関する判断基準として示され、一般的には、指揮監督関係の基本的な要素であるが、業務の性質上等から必然的に勤務場所が指定される場合があり、当該指定が業務の性質等によるものか、業務の遂行を指揮命令する必要によるものかを見極める必要がある旨述べられていることから、平成八年報告においてその具体的な判断基準の在り方を示したものである。
 厚生労働省においては、平成八年報告を踏まえ、映画やテレビ番組の撮影の業務に従事する俳優及び技術スタッフにおける指揮監督関係の存否については、勤務場所の拘束性からは直ちに判断するものとはせず、他の契約内容及び就業実態から総合的に判断するものとしている。

二について

 平成八年報告第3Vにおける事例4の撮影技師Bが労基法上の労働者に該当するか否かについては、平成八年報告第3U1(1)ロ(イ)における御指摘の記述を前提としつつも、撮影技師Bの業務の遂行方法について、撮影技師Bが監督等から一方的な指示を受けることはないなど、本人の裁量の余地が大きいことに加え、自らの判断で補助者を使うことが認められていること、更には社会保険に加入していないこと、税金の面で労働者として扱われていないこと等を総合的に判断して、労基法上の労働者ではないと結論付けたものと解している。

三について

 平成八年報告は、芸能関係者のうち、映画やテレビ番組の製作会社との関係において労基法上の労働者に該当するか否かが特に問題となる俳優及び技術スタッフについて、昭和六十年報告において示された基準をより具体化したものであり、俳優がいわゆるプロダクション等に所属し業務を行っている場合は、昭和六十年報告において示された基準を参考にして、労基法上の労働者に該当するか否かの判断を行うものとしている。
 したがって、政府としては、御指摘のその他の芸能関係者について、労基法上の労働者に該当するか否かを判断する基準を新たに取りまとめることは考えておらず、昭和六十年報告を参考にして適切な対応に努めてまいりたい。



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