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平成十五年七月二十五日受領
答弁第一〇九号

  内閣衆質一五六第一〇九号
  平成十五年七月二十五日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員保坂展人君提出公的年金制度に対する国民不信の原因である様々な問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出公的年金制度に対する国民不信の原因である様々な問題に関する質問に対する答弁書



一について

 先の答弁書(平成十五年一月三十一日内閣衆質一五五第四九号)二の(3)についてでは、平成八年度から三年ごとに実施している国民年金被保険者実態調査によって把握した国民年金の保険料未納者(国民年金の第一号被保険者であって過去二年間保険料を全く納付していないものをいう。以下同じ。)の人数をお答えした上で、保険料未納者を「拒否者」とそれ以外の者に区分することは困難である旨をお答えしたものであるが、これは、何をもって「拒否者」というかということ自体が難しい問題であることに加え、仮に、ある被保険者が電話又は戸別訪問による納付督励の際に納付を拒否する意思を示したとしても、その後その意思及び保険料未納の状態を継続するとは限らず、当該被保険者が保険料未納者に該当するとは限らないからである。
 一方、御指摘の「被保険者記録を管理している社会保険庁のコンピュータ・マニュアルには、「拒否者」の項目が存在」とは、社会保険庁社会保険業務センターが作成した「国民年金保険料関係業務取扱要領」中の徴収事蹟処理票の事蹟表示欄に「3.納付拒否」の項目が存在することを指すものと考えるが、当該項目は、電話又は戸別訪問による納付督励の際に被保険者が納付を拒否する意思を示した場合には、納付書の送付を別扱いとする必要があることから記載することとしているものであり、「3.納付拒否」と記載されている者の中には現に保険料を納付している者も含まれているところである。
 なお、事蹟表示欄に「3.納付拒否」が記載されている者の数をあえて集計すれば、平成十五年六月二十五日現在で二万九千七百八十八人となるが、これは、保険料未納者の人数の内数であるとは限らない。また、徴収事蹟処理票の事蹟表示は、その内容に変更のあった都度記載を更新することとしているため、過去において事蹟表示欄に「3.納付拒否」が記載されていた者の数をお示しすることはできない。

二の(1)について

 社会保険庁社会保険業務センターの三鷹庁舎(昭和六十三年十月一日前は同庁の三鷹庁舎)及び高井戸庁舎(同日前は同庁の高井戸庁舎)に設置された厚生年金保険、国民年金等の適用及び保険料の徴収、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付等に使用されるコンピュータシステム(以下「社会保険オンラインシステム」という。)の各コンピュータの機種、性能等は、別表第一のとおりである。
 また、社会保険オンラインシステムによって処理された業務の件数は、別表第二のとおりである。

二の(2)及び(3)について

 社会保険オンラインシステムの稼働時間については、三鷹庁舎及び高井戸庁舎の各庁舎に設置されているコンピュータ全体の稼働時間として把握しており、二の(1)についてでお答えした各コンピュータごとの稼働時間及び一般財源を充てた業務と保険料財源を充てた業務とに区分した稼働時間は把握していない。
 なお、各庁舎の社会保険オンラインシステムの稼働時間は、別表第三のとおりである。
 また、実際に支出した社会保険オンラインシステムの経費は、別表第四のとおりである。

三の(1)について

 昭和二十年度から平成十四年度までの間における厚生年金保険について、保険料率は、別表第五のとおりであり、保険料収入、運用収入、年金給付額、福祉施設事業費支出額、その他支出額、収支差引残、年度末積立金、積立度合、被保険者数及び適用事業所数は、別表第六のとおりである。
 なお、お尋ねの「加入率」については、その定義が明らかではなく、お答えすることは困難である。仮に、「厚生年金保険が適用されている適用事業所数又は被保険者数」の「本来厚生年金保険を適用すべき事業所数又は被保険者数」に対する割合を指すとすれば、そのような割合は把握していない。

三の(2)について

 厚生年金保険の積立金を運用して得られた収益は、毎年度厚生保険特別会計年金勘定の歳入の運用収入の項に計上されているが、当該運用収入が保険給付費を始めどの科目の歳出に充てられたか等を区分することはできないものである。

三の(3)について

 制度発足時から平成十四年度までの間における国民年金について、保険料額は、別表第七のとおりであり、保険料収入、運用収入、年金給付額、福祉施設事業費支出額、その他支出額、収支差引残、年度末積立金、積立度合、被保険者数及び検認率は、別表第八のとおりである。
 なお、お尋ねの「加入率」とは、「国民年金の被保険者数」の「国民年金の被保険者となるべき者の数」に対する割合を指すものと考えるが、「国民年金の被保険者となるべき者の数」を平成四年度から三年ごとに実施している公的年金加入状況等調査において把握している公的年金未加入者数と国民年金の被保険者数の合計とすれば、お尋ねの「加入率」は、平成四年度は九十七・五パーセント、平成七年度は九十七・八パーセント、平成十年度は九十八・六パーセント、平成十三年度は九十九・一パーセントとなる。

三の(4)について

 国民年金の積立金を運用して得られた収益は、毎年度国民年金特別会計国民年金勘定の歳入の運用収入の項に計上されているが、当該運用収入が国民年金給付費を始めどの科目の歳出に充てられたか等を区分することはできないものである。

四について

 厚生年金保険及び国民年金の積立金については、年金給付費、基礎年金拠出金等の支出総額が、保険料、国庫負担、運用収入等の収入総額を上回った場合に、これを取り崩して不足額に充当することとなっており、あらかじめ、いつの時点からどれだけの金額を取り崩すかが予定されているものではない。
 なお、厚生年金保険及び国民年金については、少なくとも五年に一度行われる財政再計算において、社会経済情勢等の変化を考慮して、長期的に給付と負担が均衡するよう保険料の引上げ計画の策定や給付水準の設定を行い、必要な制度改正を行うとともに、年金財政の将来見通しを示すこととしている。前回の平成十一年財政再計算において示した、厚生年金基金の代行部分を含めた厚生年金保険全体の将来見通し及び国民年金の将来見通しにおいては、平成六十二年度前後において、年金給付費、基礎年金拠出金等の支出総額が、保険料、国庫負担、運用収入等の収入総額を上回る見込みとなっており、仮に、この将来見通しのとおりに年金財政が推移すれば、支出総額が収入総額を上回った分だけ積立金の取崩しを行うこととなる。

五の(1)について

 昭和五十七年度から平成十四年度までの間における厚生年金保険について、徴収決定済額、収納済歳入額、未収保険料、過年度未収保険料の収納額、不納欠損額及び収納未済歳入額は、別表第九のとおりである。
 また、お尋ねの「未納事業者への差押さえ件数」は、差押えを執行した事業所数と解すれば、別表第十のとおりであるが、お尋ねの「未納事業者への債務確認件数」を未納事業所で債務があることを承認したものの数と解すれば、そのような数は把握していない。

五の(2)について

 昭和五十七年度から平成十四年度までの間における国民年金について、徴収決定済額、収納済歳入額、未収保険料、過年度未収保険料の収納額、不納欠損額及び収納未済歳入額は、別表第十一のとおりである。
 また、お尋ねの「未納者への差押さえ件数」は、未納被保険者に差押えを執行した件数と解すれば、別表第十二のとおりであるが、お尋ねの「未納者への債務確認件数」を未納被保険者で債務があることを承認したものの数と解すれば、そのような数は把握していない。

六について

 お尋ねの事例は、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)附則第五条第一項の規定による任意加入被保険者(以下「任意加入被保険者」という。)について、保険料納付済期間の一部が年金額に反映されない場合があることを指すものと考えるが、そのような事例は、国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)が施行された昭和六十一年四月一日以降に生じ得るものである。
 老齢基礎年金は、原則として二十歳から六十歳に達するまでの四十年間保険料を納付することにより、六十五歳から満額の老齢基礎年金を受給する仕組みであるが、国民年金法附則第五条の任意加入被保険者制度は、六十歳前の間に免除、未納等の期間があり、老齢基礎年金の年金額が満額に満たない場合、六十歳以降六十五歳に達するまでの間任意加入して保険料を納めることにより、年金額を満額に近づけることを可能とする制度である。
 このように、加入するかどうかは被保険者の任意であるという性格上、六十五歳到達等の場合を除き、本人が申し出た場合に限り被保険者の資格を喪失させることとされており、保険料納付済期間の月数が満額の年金額となる数に達した場合であっても、本人からの資格喪失の申出がなければ、加入を継続させ、保険料を収納することになるため、お尋ねのような事例が制度上生じ得るものである。
 なお、社会保険庁から任意加入被保険者の資格取得の申出を受理する市町村に対して、当該申出があったときは、必要に応じ本人から事情を聴取し、加入可能年数を超える者等の加入を防ぐため、必要な審査を行うとともに、本人に対して任意加入被保険者制度について説明を行い、保険料納付済期間の月数が満額の年金額となる数に達する時期に喪失の申出が必要となる旨を周知するよう指導する等、お尋ねのような事例が発生しないよう努めているところである。
 また、任意加入被保険者のうちお尋ねの事例に該当する者の数を区分し、集計することは行っていないため、その人数をお答えすることは困難である。


別表第一 1/2


別表第一 2/2


別表第二


別表第三


別表第四


別表第五


別表第六 1/4


別表第六 2/4


別表第六 3/4


別表第六 4/4


別表第七


別表第八 1/4


別表第八 2/4


別表第八 3/4


別表第八 4/4


別表第九


別表第十


別表第十一


別表第十二


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