衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十六年四月二日受領
答弁第三〇号

  内閣衆質一五九第三〇号
  平成十六年四月二日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員穀田恵二君外二名提出奈良県大滝ダムの「基本計画変更」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員穀田恵二君外二名提出奈良県大滝ダムの「基本計画変更」に関する質問に対する答弁書



一について

 国土交通省近畿地方整備局紀の川ダム統合管理事務所(以下「紀の川ダム統合管理事務所」という。)において、奈良県吉野郡川上村大字白屋(以下「白屋地区」という。)の住民からの、仮設住宅での生活や移転後の生活の不安等についての相談に直接応ずるため、昨年十二月二十四日から本年二月十八日まで、住民相談窓口を七回開催したほか、紀の川ダム統合管理事務所の職員が随時、住民からの問い合わせ等に対応しているところである。
 また、本年三月からは、紀の川ダム統合管理事務所の職員が、土地等の取得に伴う補償の内容について、住民に対して個別に説明しているところである。
 居住地の確保、移転補償等については、関係地方公共団体等とも協力しつつ、住民の理解が得られるよう、今後とも、住民との話合い等に努めてまいりたい。

二及び三について

 白屋地区の地滑り対策については、大滝ダムの建設に当たって、地滑り対策の専門家等により構成された「大滝ダム地すべり対策委員会」等における検討を含め、各種の調査及び検討を行い、対策が必要と判断した五か所において、試験湛水の開始前に鋼管杭工、アンカー工、押え盛土工、集水井工等の地滑り対策を実施したところである。
 試験湛水前に行ったこれらの対策は、滑り面が崩積土層では十メートル程度、風化岩層では十五メートル程度の深さにあることを想定したものである。一方、昨年に白屋地区において発生した地滑り(以下「今回の地滑り」という。)は、緩んだ岩盤内の平均五十メートル程度の深い層に滑り面が形成され滑動したものであるが、試験湛水前に行った調査に基づく検討においては、このような深い層では、局所的に弱部が存在するものの、その連続性は確認されず、滑動が発生するような滑り面は存在しないと判断したものである。
 今回の地滑りの原因の解明と今後の対策方法等の検討を行うことを目的とした「大滝ダム白屋地区亀裂現象対策検討委員会」(以下「検討委員会」という。)から昨年十二月二十六日に報告されたとおり、今回の地滑りの発生箇所は、その周囲に過去に地滑りが発生したことを示す段差等の地形的特徴が認められないこと及び湛水前に滑り面の存在が認められなかったことから、湛水により初めて地滑りが発生したものと認識しているが、こうした地滑りの発生を具体的に予見することは、現在の知見では非常に困難であると認識している。

四について

 二及び三についてで述べたとおり、今回の地滑りを具体的に予見することは、現在の知見では非常に困難であると認識しており、新たな地滑り対策の完了までに必要なダムの維持費、新たな地滑り対策の実施に必要な工事費等の費用については、特定多目的ダム法(昭和三十二年法律第三十五号)第四条第四項に基づき、関係都道府県知事及びダム使用権の設定予定者の意見を聴いた上で「大滝ダムの建設に関する基本計画」の変更の手続を行い、同法第七条の規定に基づきダム使用権の設定予定者から費用の負担を求めるとともに、同法第八条の規定に基づき奈良県及び和歌山県から負担金の負担を求めることとしている。

五について

 二及び三についてで述べたとおり、今回の地滑りに関しては、検討委員会を設置し、対策方法の検討等を行ってきているところであるが、検討委員会の議事の要旨及び資料並びに現地に設置した計測機器による観測データ等の情報については、紀の川ダム統合管理事務所のホームページ等で公表しているところである。
 また、新たな地滑り対策の実施においては、民間の技術力の活用を図るため、本年三月十日に対策工事の概略設計に係る提案を幅広く公募する手続を開始したところである。
 今後とも、新たな地滑り対策の実施には万全を期すとともに、可能な限り工事内容、工法等についての情報公開を推進してまいりたい。



経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.