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答弁本文情報

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平成十六年六月二十二日受領
答弁第一三七号

  内閣衆質一五九第一三七号
  平成十六年六月二十二日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員前田雄吉君提出フィリピンのミンダナオ石炭火力発電事業と『環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン』の適用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員前田雄吉君提出フィリピンのミンダナオ石炭火力発電事業と『環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン』の適用に関する質問に対する答弁書



一について

 国際協力銀行(以下「JBIC」という。)が平成十四年四月に作成した「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」(以下「新ガイドライン」という。)は、JBICが、投融資の対象とするすべての事業について、環境と社会への配慮の観点から、事業の実施主体が行う環境影響評価等を基にして確認をすべき項目、その確認や公表の手続等を定めたものである。事業の実施主体は、通常、融資要請前から環境影響評価等を行うが、その際には、新ガイドラインの要件に適合するようにこれを行う必要があることから、JBICは、新ガイドラインの周知期間及び実施主体における作業期間としてその施行までに一年半の経過期間を設け、平成十五年十月以降に融資要請がなされた事業に対して新ガイドラインを適用することとしたと承知している。
 お尋ねのミンダナオ石炭火力発電事業(以下「本件事業」という。)は、新ガイドラインを施行した平成十五年十月より前に、JBICが融資要請を受けた案件であり、このため、JBICは、本件事業に対して新ガイドラインではなく、平成十一年から施行し、平成十五年九月末までに融資要請がなされた事業に適用している「国際金融等業務における環境配慮のためのガイドライン」(以下「従来のガイドライン」という。)を適用していると承知している。
 しかしながら、JBICは、新ガイドラインへの円滑な移行を図るため、従来のガイドラインを適用する事業であっても、新ガイドラインのうち適用可能な一定の事項については、これを適用するよう努めていると承知している。本件事業においても、JBICが事業の環境への影響を確認し、計画されている対策の評価を行う環境レビューという手続について、その具体的な方法を決定するのに必要な情報を得るための事業の実施主体へのスクリーニングフォームという質問の様式や、環境レビューを行う際に確認をすべき項目を整理した環境チェックリストという様式は、新ガイドラインに定めたものを使用し、また、新ガイドラインで初めて導入された、スクリーニングフォームによって把握した情報の公開や環境レビューの結果の公表も行ったと承知している。

二について

 JBICは、従来のガイドラインに基づき、本件事業の実施主体による環境と社会への配慮に問題がないことを確認し、融資契約に調印したと承知している。また、一についてでお答えしたように、新ガイドラインのうち適用可能な一定の事項については、これを本件事業にも適用し、具体的には、新しいスクリーニングフォームや環境チェックリストを使用し、スクリーニングフォームによって把握した情報の公開や環境レビューの結果の公表も行ったと承知している。
 また、JBICは、本件事業の実施主体が地域住民や現地の非政府機関(NGO)等と何度も協議を行ったこと、本件事業の実施に伴い移転する全世帯から移転及び補償についての同意を得ていること並びに本件事業の実施についてフィリピン国内において関係当局の必要な承認を得ていることを実施主体から確認しており、事業実施のために必要な社会的合意が得られていると理解していると承知している。
 JBICは、本件事業について、今後も、環境に影響する重要な項目につきその実績値を定期的に確認することとしており、環境に係る現地基準等を満たせないといった重大な問題が発生していないことを確認した上で、融資を実行すると承知している。
 このように、JBICは、本件事業について適切な環境と社会への配慮が行われるよう、新ガイドラインも参照しつつ適切に対応していると承知している。



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