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平成十六年八月十日受領
答弁第三六号

  内閣衆質一六〇第三六号
  平成十六年八月十日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員大石尚子君提出入国管理局による不法滞在者対策と在留資格認定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員大石尚子君提出入国管理局による不法滞在者対策と在留資格認定に関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねのような不法入国のあっせんや偽変造旅券等の作成にかかわる組織に厳格に対応するため、警察、地方入国管理局等の関係機関においては、緊密に連携しつつ、一般の方々や退去強制手続を執られた者等からの情報の収集、関係機関間の情報の交換等を行い、いわゆる合同摘発を実施したり、地方入国管理局から捜査機関に対する告発又は通報を積極的に行うなどしている。
 この結果、平成十五年において、警察は、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第七十四条から第七十四条の八までに規定する集団密航等に係る罪の容疑により合計六十三人を検挙し、地方入国管理局は、入管法第二十四条第三号並びに第四号ホ及びルに該当する不法入国又は不法上陸を幇助等した者であることのみを退去強制事由として合計二十二人に対して退去強制手続を執るなどの成果を上げている。
 また、旅券等の偽変造事案についても、警察及び地方入国管理局において合同摘発を行い、その際、警察において関係者を逮捕するなどの成果を上げているところである。

二について

 地方入国管理局において、法務省入国管理局ホームページに情報受付が開設された平成十六年二月十六日から、同ホームページに提供された情報に基づいて入国警備官が関係場所に赴いて不法滞在者等の所在等に関する調査を開始した事案は、同年七月三十一日までに四十二件あり、そのうち実際に不法滞在者等の摘発に至った件数は十七件である。政府としては、右ホームページに提供された不法滞在者等に係る情報の内容の信用性等を十分に検討し、当該情報に係る外国人等につき人権侵害を生じさせることのないよう配慮しつつ、右ホームページの適正な運用を行っているところであるが、必要に応じて見直しを図ってまいりたい。

三について

 平成十六年六月に法務省入国管理局が行った不法就労外国人対策キャンペーンにおける広報活動においては、警察庁、外務省、厚生労働省等の関係府省庁及び都道府県並びに法務省入国管理局が所管する公益法人等に対し、ポスター及び日本語のほか七か国語で作成したリーフレットを配布するとともに、ポスターの掲示やリーフレットの活用により不法就労の防止を関係者に周知するよう依頼しており、その予算は平成十六年度において約千二百万円である。

四について

 平成十六年六月八日から同月十一日までの間、我が国における不法滞在中国人問題等について、法務省入国管理局担当の法務省大臣官房審議官等が、中国の公安部出入境管理局副局長、外交部領事司長、教育部国際合作与交流司副司長等と協議を行った。
 我が国からは、中国側に対し、最近の我が国における不法滞在中国人の現状等について説明し、不法出国者の取締り、我が国から中国への速やかな退去強制を実現するための協力等について要請を行ったところ、中国側からは、我が国からの説明及び要請について理解が示されるとともに、不法滞在者問題の解決に向けて我が国当局と協力していきたいとの意向が示された。
 このような協議を定例化するかどうかについては未定であるが、日中領事当局間協議等を通じて不法滞在中国人問題等についての協議を継続していくこととしている。中国以外の国に対しても、必要に応じて、同様の協力要請を行うことを検討することとしている。

五について

 在留資格認定証明書は、入管法第七条第一項第二号に掲げる上陸のための条件に適合している外国人に交付されるものであり、その交付の要件は全国共通であって、地方入国管理局により異なるものではない。
 在留資格認定証明書の交付の権限は、入管法第六十九条の二及び出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和五十六年法務省令第五十四号。以下「施行規則」という。)第六十一条の二の規定により地方入国管理局長に委任されているが、施行規則第六条の二第五項においては、地方入国管理局長は、同項ただし書に該当する場合を除き、申請に係る外国人が入管法第七条第一項第二号に掲げる上陸のための条件に適合していることを立証した場合には、同証明書を交付するものと定められている。
 留学及び就学の在留資格に係る在留資格認定証明書の交付に関する要件について定めている施行規則及び出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(平成二年法務省令第十六号)については、現時点において見直す必要があるものとは考えていない。

六について

 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第二の定住者の項の下欄に掲げる地位を定める件(平成二年法務省告示第百三十二号)は、上陸審査における定住者の在留資格に関して定めるものであるが、その第七号の趣旨は、日本人、永住者の在留資格をもって在留する者等が外国から養子を呼び寄せる場合は、原則として当該養子が学齢期前である六歳未満の子供に限り、定住者の在留資格により入国を認めるものである。この定めは、直接在留資格の変更に適用されるものではないが、形式的には在留資格の変更であっても実質的には新規入国に準ずるような場合等には、新規入国の場合と同様に取り扱う運用を行っているところである。
 在留資格を定住者に変更する旨の在留資格変更申請があった場合は、常に、入管法第二十条及び同法別表第二の定住者の項の下欄の規定に基づき、「特別な理由」の存否を含めて在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるか否かについて審査を行っており、日本人配偶者との離婚又は死別後に日本人実子を監護養育している外国人等について、在留資格を定住者に変更する旨の在留資格変更を認めた例がある。
 在留資格の認定に係る要件については、適宜見直しを行っているところであるが、定住者の在留資格の認定に係る養子の取扱いや「特別な理由」に関する要件については、当面、見直すことは考えていない。

七について

 政府は、日韓二国間関係の発展及び人的交流の促進並びに二千五年日本国際博覧会の成功という観点から、韓国政府が写真転写式の旅券を導入することを前提に、同博覧会実施時期に併せて、平成十七年三月一日から同年九月三十日までの間に限り、韓国人に対し短期滞在者についての査証免除を実施することとしている。
 その後の査証免除については、右期間における査証免除の実施結果を踏まえて検討することとしている。



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