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答弁本文情報

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平成十七年二月一日受領
答弁第一号

  内閣衆質一六二第一号
  平成十七年二月一日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員中根康浩君提出障害児教育に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員中根康浩君提出障害児教育に関する質問に対する答弁書



一の(1)について

 平成五年に第四十八回国際連合総会において採択された「障害者の機会均等化に関する標準規則」(以下「規則」という。)は、障害のある人々に対する教育に関し、障害のない人々と統合された環境における機会均等の原則を提言する一方で、特殊教育が障害のある子供の一部にとっては現時点で最も適切な教育形態と考えられる例もあることを認めていると理解している。なお、規則は、我が国を含めた国際連合加盟国に対して法的拘束力を有するものではない。
 我が国においては、児童生徒等の障害の状態に応じて、一人一人の能力を最大限に伸ばし、障害のある児童生徒等が自立し、社会参加するために必要な力を培うため、盲学校、聾学校若しくは養護学校又は特殊学級等において、一人一人のニーズに応じた適切な教育を行っている。

一の(2)について

 平成六年にスペインのサラマンカにおいて開催された「特別なニーズ教育に関する世界会議」において採択された「サラマンカ宣言」(以下「宣言」という。)は、障害のある子供を含めた特別な教育的ニーズを有する子供に対する統合教育の必要性を提唱している。また、宣言と併せて採択された「特別なニーズ教育に関する行動の枠組み」においては、可能な限り、親による子供の教育形態の選択が認められるべきことが示されるとともに、比較的少数の障害のある子供にとっては、特殊学校や特殊学級が最も適切な教育を引き続き提供するであろうとされている。なお、宣言も、各国に対して法的拘束力を有するものではない。
 我が国においては、社会のノーマライゼーションの進展等を踏まえ、一人一人のニーズに応じた教育的支援の充実を図るため、平成十四年に学校教育法施行令(昭和二十八年政令第三百四十号)を改正し、障害のある児童生徒の就学について、その障害の状態等に照らし、小学校又は中学校において適切な教育を受けることができると市町村教育委員会が認める場合には、小学校又は中学校に就学させることができるとする認定就学制度を創設するとともに、「障害のある児童生徒の就学について」(平成十四年五月二十七日付け十四文科初第二百九十一号初等中等教育局長通知。以下「通知」という。)を発出し、就学する学校の決定に際しては、保護者の意見を聴くよう、各都道府県教育委員会等を指導したところである。

二について

 障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)は、第十四条第一項において、国及び地方公共団体は、障害者が、その年齢、能力及び障害の状態に応じ、十分な教育が受けられるようにするため、教育の内容及び方法の改善及び充実を図る等必要な施策を講ずべきことを規定するとともに、同条第三項において、国及び地方公共団体は、障害のある児童及び生徒と障害のない児童及び生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによって、その相互理解を促進すべきことを規定している。
 障害のある児童生徒等の教育については、一の(1)についてで述べたとおり、その障害の状態に応じて、一人一人の能力を最大限に伸ばし、障害のある児童生徒等が自立し、社会参加するために必要な力を培うため、盲学校、聾学校若しくは養護学校又は特殊学級等において、一人一人のニーズに応じた適切な教育を行っている。また、障害のある児童生徒等と障害のない児童生徒等の相互理解を推進するため、学習指導要領等において、障害のある児童生徒等と障害のない児童生徒等との交流の機会を設けるよう配慮することとしている。
 学校教育法施行令第二十二条の三及び通知は、障害のある児童生徒等が、その障害の状態に応じて十分な教育を受けることができるようにすることを目的として、前者については盲学校、聾学校又は養護学校に就学することが適当と考えられる障害の程度を規定したものであり、また、後者については障害のある児童生徒の就学について留意すべき事項を各都道府県教育委員会等に対し通知したものであり、障害者基本法の規定に反するものではなく、現時点において改正する必要があるとは考えていない。

三について

 障害のある児童生徒の小学校若しくは中学校又は盲学校、聾学校若しくは養護学校への就学については、障害の状態を把握した上で、児童生徒の自立と社会参加のために適切な教育が行われるよう、市町村教育委員会が総合的に判断することとしている。その際には、一の(2)についてで述べたとおり、保護者の意見を聴くことに留意することとしているところであり、現時点において障害のある児童生徒の就学に係る規定を改正する必要があるとは考えていない。



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