答弁本文情報
平成十七年十月二十一日受領答弁第一七号
内閣衆質一六三第一七号
平成十七年十月二十一日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員赤嶺政賢君提出長崎県佐世保市の米海軍佐世保弾薬補給所の返還に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員赤嶺政賢君提出長崎県佐世保市の米海軍佐世保弾薬補給所の返還に関する質問に対する答弁書
一について
我が国に駐留するアメリカ合衆国軍隊(以下「合衆国軍隊」という。)においては、佐世保弾薬補給所(以下「前畑弾薬庫」という。)に関し、合衆国軍隊が使用している施設及び区域における作業は公共の安全に妥当な考慮を払って行わなければならない旨定めている日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第三条3の規定に従った対応がとられていると考えている。
また、一般国際法上、駐留を認められた外国軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令は適用されないが、接受国の法令を尊重しなくてはならないことは、当該軍隊を派遣している国の一般国際法上の義務である。このことは、合衆国軍隊についても同様であり、かかる考えに基づき、日米地位協定第十六条には合衆国軍隊の構成員及び軍属による我が国法令の尊重義務が定められている。これらにかんがみれば、合衆国軍隊が我が国法令の尊重義務に違反するような行動をとることは一般に想定されない。
自衛隊の弾薬庫については、火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)に従い、火薬類の貯蔵量に応じて適正な保安距離をとっている。
これまで、防衛施設庁においては、合衆国軍隊に対し、累次の機会に、佐世保市や長崎県からの前畑弾薬庫の返還についての要望を伝えてきたところである。
本年十月四日、日米地位協定第二十五条1に基づく合同委員会の下部機関である施設分科委員会の下に設けられている施設調整部会(以下「施設調整部会」という。)において、佐世保地区における合衆国軍隊が使用している施設及び区域の整理等に関する第一回会合が開催され、日本側からは防衛施設庁総務部総括施設調査官等が、アメリカ合衆国側からは在日米軍司令部第四部副部長等が出席し、日本側から佐世保地区に関する地元要望事項について説明を行うなどした。
佐世保地区における合衆国軍隊が使用している施設及び区域の整理等については、施設調整部会において引き続き協議していくこととしており、現時点において何らかの具体的な見通しがついているわけではないが、できる限り早期に一定の方向性について日米間で共通の認識が得られるよう努めていく考えである。
三、四及び十についてで述べたとおり、佐世保地区における合衆国軍隊が使用している施設及び区域の整理等について、施設調整部会で協議を始めたところであり、お答えする段階にはない。
政府と長崎県及び佐世保市との間で、お尋ねのような「話し合い、あるいは約束事、了解事項」はない。
お尋ねの「針尾島弾薬集積所の拡充、増設」について何ら決定された事実はないため、その経費の負担についてお答えすることは困難である。
横田飛行場、岩国飛行場、嘉手納弾薬庫地区及び嘉手納飛行場において、我が国の予算で弾薬庫の整備のための経費を負担した例がある。