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答弁本文情報

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平成十八年五月十二日受領
答弁第二三七号

  内閣衆質一六四第二三七号
  平成十八年五月十二日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員赤嶺政賢君提出沖縄県立八重山病院及び県立北部病院等の産婦人科の存続・再開に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員赤嶺政賢君提出沖縄県立八重山病院及び県立北部病院等の産婦人科の存続・再開に関する質問に対する答弁書



一、二の1及び三の2について

 沖縄県立八重山病院(以下「八重山病院」という。)及び沖縄県立北部病院(以下「北部病院」という。)における医師の確保及びこれらの病院の所在する地域における医療の確保については、これらの病院の開設者であり、かつ、県内の医療の確保について責任を有する沖縄県において対処されるものであると考えており、沖縄県においては、八重山病院の産婦人科について、八重山地域における必要な診療科であり、産婦人科医師の確保に最大限努めていくこととしており、北部病院の産婦人科についても、産婦人科医師の確保になお一層の努力を行い、できるだけ早い時期に再開できるように努めているものと承知している。
 内閣府においては、沖縄県を支援するため、八重山病院及び北部病院を含めた県立病院で不足している産婦人科医師の確保について、全国に向けて公募を行っているほか、本年度予算では、沖縄県の離島等における医師の確保策の検討を推進するため事業費を計上している。なお、現時点においては、八重山病院の産婦人科医師は確保されていないと承知している。

二の2について

 防衛庁において、北部病院に産婦人科医師を本年五月中に派遣することを目標に、具体的な派遣時期を検討しているところであり、また、派遣期間については一年間とすることを考えている。北部病院の産婦人科の再開及び二十四時間体制に向けた産婦人科医師の確保については、北部病院の開設者等である沖縄県において検討されるものと承知しているが、内閣府においても、沖縄県を支援するため、全国に向けて産婦人科医師の公募を行っている。

二の3について

 個々の病院における医師の確保については、病院の開設者において行われることが基本であり、現在のところ、防衛庁においては、北部病院以外の地方公共団体が開設した病院に対する産婦人科医師の派遣について検討を行っておらず、その可能性についてお答えすることは困難である。

三の1について

 御指摘の「代診医派遣要請制度」とは、へき地又は離島に勤務する医師の負担を軽減するため、当該医師が最新の医療の動向を調査するため学会へ参加するなどの理由により一時的に勤務地を離れる場合等において、当該医師に代わって患者を診察する代診医の派遣要請にこたえるための制度を指すものと考えられるが、この制度においては、従来、各都道府県庁や中核的医療機関等に設置されたへき地医療支援機構が、へき地医療の拠点病院等に対し医師の派遣要請を行い、当該病院等からへき地診療所等に医師が派遣されるよう調整を行ってきたところである。平成十八年度予算においては、当該制度に対する国庫補助を拡充し、へき地医療支援機構に、非常勤医師を置くことにより、仮にへき地医療の拠点病院等において派遣すべき医師の確保が困難な場合であっても、へき地医療支援機構が自ら当該非常勤医師を、へき地診療所等に派遣することが可能となるようにしたところである。

三の3について

 御指摘の計画の策定及び実施が、八重山病院及び北部病院の産科医師の不足・不在の解消に資するか否かについては、沖縄県が関係市町村、医療関係団体等との協議を行って当該計画において定める各医療機関の医療連携体制及び医療資源の集約化・重点化の内容如何によるものと考えている。

四の1について

 御指摘の九州の離島における産婦人科及び産科医師の実情については、地域によっては産科医師等の偏在があるものと認識しているところである。

四の2について

 九州の離島における島毎の病院数、産科医師数、帝王切開等の緊急処置を行う体制及び二十四時間体制の有無については、第一義的には、病院等の開設許可を行う各県において把握されるべきものと考えている。

四の3について

 離島等における産科医師の確保については、これまでも離島等に勤務する医師に代わって一時的に診療を行う代診医の派遣要請にこたえるための支援を行ってきたところであり、本年度予算においては、さらにその充実を図ることとしている。また、第百六十四回国会に提出した良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案(以下「改正法案」という。)において、離島等の医療における産科医師等の医療従事者の確保を推進するため、都道府県が地域の医療関係者との協議の場を設け、必要な施策を定めることとする旨の規定を設けることとしているところである。

五の@からBまでについて

 御指摘の「へき地での診療経験を院長の資格や開業の条件にする」ことについては、厚生労働省において全国知事会からの要望を受けて、社会保障審議会医療部会で議論されたところであるが、改正法案には規定されておらず、また「都道府県知事に医師派遣命令を与える」ことについては、全国知事会からの要望はなく、社会保障審議会でも議論されておらず、改正法案には規定されていない。
 なお、改正法案においては、特定の地域や診療科における医師の偏在問題への対応案として、都道府県知事等が、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第三十一条に定める公的医療機関の開設者や管理者に対し、へき地医療等の確保に関し必要な措置を講ずるよう命ずることができる旨の規定を設けることとしているところであるが、必要な措置については個別の状況に応じて適切に講じられるものであると考えている。
 また、特定の地域や診療科における医師の偏在により、勤務医が厳しい勤務状況に置かれている場合があることは承知しているが、勤務医の収入が開業医に比べ劣ることの結果「地方の医師不在」が生じているという御指摘については、具体的にそのような事実を把握していないことから、お答えすることは困難である。

五のCについて

 御指摘の「医師の育成」の意味が必ずしも明らかではないが、医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第十六条の二第一項の規定により、診療に従事しようとする医師は、二年以上、大学附属病院等において臨床研修を受けなければならないこととされている。また、臨床研修においては、臨床研修指導医が研修医を指導することとされているところである。

五のDについて

 御指摘の「医師不足という「症状」の背後にどんな「病態」があるかを見極めること」及び「長い目で、医師を育成しようという観点やビジョン」の意味が必ずしも明らかではないが、平成十五年から厚生労働省、総務省及び文部科学省が開催している「地域医療に関する関係省庁連絡会議」において、地域における医師の確保の現状の分析に努めるとともに、医師法において、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁にかかわる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、研修医に臨床研修を義務付けているところである。

五のEについて

 御指摘の「医師育成機構」の意味が必ずしも明らかではないため、「医師育成機構」の設置により「不足しがちな地域にも、医師が常にいるという状態」を実現することができるかについて、お答えすることは困難である。



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