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答弁本文情報

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平成十八年十月六日受領
答弁第一三号

  内閣衆質一六五第一三号
  平成十八年十月六日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員川内博史君提出孤児作品(著作権者等不明作品)問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員川内博史君提出孤児作品(著作権者等不明作品)問題に関する質問に対する答弁書



一について

 米国著作権局が「孤児作品」問題に関する報告書を議会に提出した経緯と問題意識についての詳細を承知していないことから、同報告書に記載された問題意識を共有しているかどうかについてお答えすることは困難である。
 なお、二千五年一月に上院議員オーリン・ハッチ及びパトリック・リーヒーが「孤児作品」問題に関する調査と報告書のとりまとめを同局に依頼したことを契機に同局が調査を開始し、二千六年一月に報告書をとりまとめ、上院司法委員会に提出したこと、また、同報告書に、権利者の許諾が得られない「孤児作品」の利用は、著作権侵害責任を問われる危険があるため、これらの作品の生産的かつ有益な利用が滞るところ、このような事態は公益に反する懸念がある旨が記載されていることは承知している。

二の1)について

 平成十四年度から平成十八年度までの間における国立国会図書館による著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第六十七条第一項の規定による補償金の供託については、平成十七年度に二百二十九名分、二万三千四百八十九円、平成十八年度に三万八千五百七十二名分、三百六十七万千七百七十九円が供託されているものと承知している。
 これらの補償金の供託に係る著作物は、明治期から大正期に刊行された専門書が中心であり、その刊行当時においても一般に著作者名が周知されていないものが多く、著作権者の没年と権利承継者の連絡先の特定が困難であったと考えられる。
 政府としては、著作物の利用の促進を図るため、同法第六十七条の規定の円滑な運用に努めてまいりたい。

二の2)について

 著作物の円滑な利用を確保するためには、著作権者の情報を利用者に提供することが重要であることから、著作権関係団体等においては、著作権者に関する情報の電磁的な記録の作成に取り組んでいるところであり、政府としても、このような取組を支援しているところである。

二の3)について

 著作権法は、登録、納本、著作権表示等の方式を要さずに著作権を保護するといういわゆる無方式主義を採用していることから、御指摘のような事例が今後も生じ得るものと認識しており、著作権関係団体等による電磁的な記録の作成に対する支援、同法第六十七条の規定の円滑な運用等に努めてまいりたい。

三の1)について

 お尋ねの点について、承知している限りでは、例えば、韓国、カナダ及び英国が挙げられる。

三の2)について

 御指摘の米国内のコンテンツ産業界における反対意見及びその理由がどのような内容であるかを承知していないため、お答えすることは困難である。

三の3)について

 我が国の裁定制度に係る御指摘のような事例を承知していない。

四について

 著作物の利用の促進を図ることは重要であると考えており、著作権法第六十七条の規定の円滑な運用に努めるとともに、著作権者が不明である著作物の利用を可能とするための方策について、諸外国の動向も十分踏まえつつ、今後ともよく研究してまいりたい。



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