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答弁本文情報

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平成十八年十二月一日受領
答弁第一七〇号

  内閣衆質一六五第一七〇号
  平成十八年十二月一日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員赤嶺政賢君提出水俣病のすべての被害者の早期救済等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員赤嶺政賢君提出水俣病のすべての被害者の早期救済等に関する質問に対する答弁書



一について

 環境省としては、公害健康被害の補償等に関する法律(昭和四十八年法律第百十一号。以下「公健法」という。)における水俣病の認定要件である「後天性水俣病の判断条件について」(昭和五十二年七月一日付け環保業第二百六十二号環境庁企画調整局環境保健部長通知。以下「判断条件」という。)については、水俣病に関係する医学の各分野の専門家による検討の成果に基づいて取りまとめられたものであって、妥当なものと認識しており、平成十六年十月十五日最高裁判所第二小法廷判決(以下「平成十六年最高裁判決」という。)においても判断条件の合理性について何ら判断が加えられていないことから、判断条件を再検討することは考えていない。このため、「水俣病問題に係る懇談会」(以下「懇談会」という。)において、環境大臣が、判断条件の問題については「御提言いただいても行政として対応できないこともあることを御理解いただきたい」との説明をしたものであり、環境省としては、現時点においても、この対応は適切であったと考えている。

二の1について

 平成十八年九月十九日に懇談会において取りまとめられた提言書(以下「提言書」という。)において、「本懇談会の提言の実現は、決して容易ではなく、また、時間がかかるものも含まれている。」と記載されているとおり、提言書に盛り込まれている事項の中には、その実現が容易でないものや実現までに時間を要するものも含まれているが、環境省としては、様々な関係者の意見を踏まえ、水俣病被害者の救済に係る今後の取組について検討していきたい。

二の2について

 環境省としては、熊本県及び鹿児島県の公害健康被害認定審査会(以下「認定審査会」という。)の再開は、公健法の円滑な施行の観点から重要な課題であると考えており、認定審査会の再開に向け、熊本県及び鹿児島県と連携して、認定審査会の委員を務めていた方々を訪問し、認定審査会の再開の重要性についての理解を求めているところであるが、認定審査会の再開には至っておらず、引き続き、熊本県及び鹿児島県との緊密な連携を図りつつ、できるだけ早期に認定審査会が再開されるよう努力していきたい。

二の3について

 環境省としては、水俣病に関する総合的な調査及び研究等を行うため、国立水俣病総合研究センターを設置し、基礎医学的調査・疫学的調査等の様々な調査研究を行っているところであり、今後も必要な調査研究を進めていきたい。

二の4について

 環境省としては、水俣病発生地域において、地域の再生・融和のための取組を促進することが重要であると認識し、その具体的方策について熊本県、鹿児島県、新潟県等との意見交換等を行っているところであり、今後、地域の環境、経済及び社会の各面にわたる再生への支援等を進めていきたい。

二の5及び6について

 環境省としては、胎児性水俣病患者等が地域社会の中で安心して生活を営むことができるよう、本年度から、熊本県、鹿児島県及び新潟県において、胎児性水俣病患者等の日常生活や社会活動を支援する事業を実施しているところである。
 また、提言書においては、「環境・福祉先進モデル地域」を指定して支援する制度の創設や、これに係る立法措置等の様々な事項が盛り込まれているが、二の1についてで述べたとおり、その中には実現が容易でないものや実現までに時間を要するものも含まれており、環境省としては、様々な関係者の意見を踏まえ、地域の再生・融和のための取組を検討していきたい。

二の7について

 懇談会においては、平成十六年最高裁判決を受けて判断条件を見直すべきではないか等の意見が委員から出されたところであるが、一についてで述べたとおり、環境省としては、判断条件を再検討することは考えていない。



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