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平成十九年二月二十日受領
答弁第五一号

  内閣衆質一六六第五一号
  平成十九年二月二十日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員河村たかし君提出住民基本台帳ネットワークシステムと社会保険庁「最適化計画」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員河村たかし君提出住民基本台帳ネットワークシステムと社会保険庁「最適化計画」に関する質問に対する答弁書



1の(1)の@からBまでについて

 社会保険庁においては、社会保険業務の業務・システム最適化計画(以下「最適化計画」という。)に基づき新たに記録管理システム及び基礎年金番号管理システム(以下「刷新システム」という。)を構築することとしているが、これについては、現在、基本設計を行っている段階であり、お尋ねの点について、現時点においてお答えすることは困難である。

1の(1)のCについて

 1の(1)の@からBまでについてで述べたとおり、刷新システムの具体的な内容について現段階でお答えすることは困難であるが、住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第三十条の五第一項に規定する本人確認情報(以下「本人確認情報」という。)のうち氏名及び住所については、同法第三十条の十第一項に規定する指定情報処理機関(以下「指定情報処理機関」という。)から提供される本人確認情報によって刷新システムの情報を書き換えることを予定しているところである。

1の(2)の@について

 社会保険庁においては、最適化計画に基づく新たな健康保険業務システムを構築することとしており、これについては、基本設計に向けた準備を行っている段階であるが、御指摘の情報資産評価表に掲げる連係情報のうち個人情報の保有想定件数が示されているものは、「事業所情報」、「被保険者情報」、「給付情報」及び「レセプト情報」であり、その件数は、現時点ではそれぞれ二百万件、五千四百万件、九千万件及び十八億件程度である。

1の(2)のAについて

 1の(2)の@についてで述べたとおり、健康保険業務システムについては、基本設計に向けた準備を行っている段階であり、「連携情報」の内容については今後検討することとしているが、現時点においては、「連携情報」のうち基礎年金番号を含むものとしては、「被保険者・被扶養者情報」を予定している。

1の(2)のBについて

 現時点においては、いずれの「連携情報」についても、住民票コードを含むことは予定していない。

1の(2)のCについて

 社会保険庁長官は、健康保険法(大正十四年法律第七十号)第五十一条の二の規定に基づき、全国健康保険協会に対し、被保険者の資格に関する事項等の情報の提供を行うこととなっているが、お尋ねの「生年月日」、「性別」、「氏名」及び「住所」の情報について、社会保険庁において指定情報処理機関から提供される本人確認情報を基にこれをどのように処理し、全国健康保険協会に提供するかについては現時点では未定である。

1の(3)の@について

 刷新システム及び健康保険業務システムにおいては、現在、制度毎に管理している被保険者の情報を統合すること等によりデータ体系の簡素化を図ることとしており、そのことによる異同は生じるものと考えているが、既に述べたとおり、刷新システム及び健康保険業務システムで保有する個人情報の内容については、今後、検討することとしていることから、現在、社会保険庁が保有する個人情報との異同については、現時点で具体的にお答えすることはできない。

1の(3)のAについて

 お尋ねの「「個人情報」が記録されたファイル」がどのようなものを意味するのか必ずしも明らかではないが、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号)第二条第四項に規定する個人情報ファイル(以下「個人情報ファイル」という。)であって、基礎年金番号を含むものの総数は三十二であり、主な個人情報ファイルの名称は、「基礎年金番号管理ファイル」、「年金受給権者ファイル」等である。

1の(3)のBについて

 お尋ねの「「個人情報」が記録されたファイル」がどのようなものを意味するのか必ずしも明らかではないが、住民票コードを含む個人情報ファイルの総数は一であり、当該個人情報ファイルの名称は、「住基情報ファイル」である。

2の(1)から(3)まで並びに(4)の@及びCについて

 社会保険庁においては、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第七条第一項第一号に規定する被保険者(以下「第一号被保険者」という。)の資格を取得する者の氏名、生年月日、性別及び住所を確認するため、御指摘のとおり、住民基本台帳法等に基づき平成十五年四月から磁気媒体により毎月末日時点において翌々月に二十歳に達する者の本人確認情報について指定情報処理機関から提供を受けている。

2の(4)のAについて

 お尋ねの「提供を受けた本人確認情報の数」については、住民基本台帳法第三十条の十一第六項の規定に基づき、指定情報処理機関が「磁気媒体による一括提供」により社会保険庁に提供していたものとして官報により公表しているとおりである。

2の(4)のBについて

 社会保険庁が提供を受けている本人確認情報の範囲については、御指摘のとおりである。住民基本台帳法第三十条の五第三項又は第三十条の十一第三項に基づいて本人確認情報を保存するのは都道府県知事又は指定情報処理機関であることから、これらの者が使用する住民基本台帳ネットワークシステムのサーバにおいて御指摘のような「生年月日が一意に特定できない者」や「性別が不明の者」に係る本人確認情報を保存しているかについては、政府としては把握していない。

2の(4)のDについて

 お尋ねの福島県東白川郡矢祭町、東京都杉並区及び東京都国立市については、社会保険庁から依頼し、各市区町の判断により二十歳に達する者の氏名、生年月日、性別及び住所の情報が紙の一覧表により提供されている。

2の(5)について

 社会保険庁が指定情報処理機関から提供を受けた本人確認情報は、「基礎年金番号管理ファイル」と突合を行っている。

2の(6)の@について

 平成十四年四月からそれまで市町村が行っていた第一号被保険者の資格を取得した者を把握する事務は国が行うこととなったが、国は二十歳に達する者の情報を保有していなかったことから、指定情報処理機関からの本人確認情報の提供が開始されるまでの間である平成十五年三月まで市町村から、二十歳に達する者の氏名、生年月日、性別及び住所の提供を受けていた。

2の(6)のAについて

 社会保険庁の協力依頼を受けて、住民が国民年金に漏れなく加入するという住民の福祉の増進を図るために市町村の判断により提供されたものであると認識しているが、すべての市町村から提供を受けていたものではない。
 また、平成十四年四月から平成十五年三月までの間は、二十歳に達する者の情報を記載した一覧表等により提供を受けていたが、提供を受けた一覧表等は、個人情報保護の観点から使用後は速やかに廃棄していることから、提供件数については、現時点では確認できない。

2の(7)の@及びAについて

 社会保険庁が指定情報処理機関から提供を受けた本人確認情報のうち、氏名、生年月日、性別及び住所については、「基礎年金番号管理ファイル」に記録している。

3の(1)の@について

 お尋ねの「突合」の具体的な方法については、平成十八年四月から九月までの間、社会保険庁が年金受給権者の住民票コードを特定するため、その保有する個人情報ファイルのうち「年金受給権者ファイル」に記録された年金受給権者に係る氏名、生年月日、性別及び住所の情報(以下「四情報」という。)を指定情報処理機関である地方自治情報センターに送付し、地方自治情報センターが、その保有する本人確認情報のうち、氏名、生年月日、性別及び住所の情報と突合を行い、その結果を社会保険庁に回答する方法により実施した。

3の(1)のAについて

 平成十八年三月末時点において社会保険庁が四情報を保有していた年金受給権者数は、三千百六十七万八千五百九十六人である。

3の(1)のBについて

 突合作業は終了しており、結果として二千五百七十五万四千百三十二人の年金受給権者の住民票コードが特定された。
 また、特定されなかった主な原因は、社会保険庁が保有する個人情報ファイルのうち「年金受給権者ファイル」に記録された住所と地方自治情報センターが保有する本人確認情報の住所の不一致である。

3の(2)の@について

 突合作業の経費を他の経費と明確に区分することは困難であるが、区分が可能な物品費についてお答えすると、地方自治情報センターとの相互情報交換に当たって、その悪用や外部漏えい等を防止する観点から突合作業以降も使用する電子データを暗号化するための専用サーバ二台の購入費など六百二十五万三百十一円である。

3の(2)のAについて

 年金受給権者のうち、日本国籍を有しない者の数については情報を有していないためお答えすることは困難であり、外国に居住している者の数、加給年金額等が加算されている者の数及び障害の程度を確認する必要がある者の数については、その集計作業が膨大なものとなることから、お答えすることは困難である。
 また、お尋ねの突合に成功しなかったため、今後も現況届を提出する必要のある年金受給権者の数は、突合作業終了時点において五百九十二万四千四百六十四人である。

3の(3)の@からBまでについて

 3の(1)の@についてで述べた突合により住民票コードが特定された年金受給権者については、基礎年金番号と住民票コードが記録された個人情報ファイルである「住基情報ファイル」に住民票コード及び転入・転出等の変更情報(以下「変更情報」という。)が記録される。

3の(4)の@について

 3の(1)の@についてで述べた突合により住民票コードが特定されなかった年金受給権者については、国民年金法施行規則(昭和三十五年厚生省令第十二号)第十八条第二項等の規定により住民票コードの報告を求めている。

3の(4)のAについて

 年金受給権者から住民票コードの報告があった場合には、個人情報ファイルである「住基情報ファイル」に住民票コード及び変更情報が記録されるが、個人情報ファイルである「年金受給権者ファイル」の変更は行っていない。

3の(5)について

 社会保険庁が住民基本台帳法第三十条の七第三項の規定に基づき地方自治情報センターから提供を受けた本人確認情報については、同法別表第一の七十三の項から七十五の項まで及び七十七の項に規定する事務の遂行に必要な範囲内で利用され、又は提供されることとなっていることから、お尋ねの「コンセンサス」には反しない。

3の(6)の@について

 年金受給権者約三千二百万人のうち、介護保険の特別徴収対象者数は約二千百万人であり、その他の年金受給権者が介護保険の特別徴収の対象とならないため、介護保険の特別徴収対象者のみでは十分ではないことから、年金受給権者すべてを対象として3の(1)の@についてで述べた突合により住民票コードが特定できた者の現況届を廃止したものである。

3の(6)のAについて

 住民基本台帳ネットワークシステムについては、住民基本台帳法において本人確認情報の提供を行う行政機関や利用事務について、具体的に規定されているほか、本人確認情報の利用及び提供の制限、関係職員等に対する安全確保措置及び秘密保持の義務が規定され、関係職員等が秘密を漏らした場合には、罰則規定が適用されるなど、適切にプライバシーの保護が図られていると考えている。

3の(6)のBについて

 市町村における介護保険の特別徴収に係る事務を円滑に実施する観点から、介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第百三十八条第一項の規定により、特別徴収対象被保険者が資格を喪失した場合には、特別徴収の中止依頼の特別徴収対象者異動情報を受領している。

4の(1)の@について

 御指摘の端末については、平成十九年一月末日現在、全国で一万四千九百六十台設置されている。また、これらの設置箇所は、厚生年金保険及び国民年金等の適用、保険料の徴収、給付並びに年金相談等に使用するコンピュータシステムである社会保険オンラインシステムのネットワークを利用する社会保険庁本庁、社会保険庁社会保険業務センター、地方社会保険事務局、社会保険事務所(地方社会保険事務局社会保険事務室を含む。)、年金相談センター及び年金電話相談センター(以下「社会保険事務所等」という。)並びに市町村である。

4の(1)のAについて

 御指摘の端末については、平成十九年一月末日現在、全国で九千四百三十一台設置されている。また、これらの設置箇所は、社会保険事務所等である。

4の(2)の@及びAについて

 最適化計画においては、基礎年金番号又は住民票コードを含む個人情報を閲覧できる社会保険業務用専用端末について、平成十九年度末までに汎用品に更改し、端末の一人一台化を実現することとしているところであるが、具体的な設置計画は、今後検討することとしていることから、現時点において設置予定台数についてお答えすることはできないが、これらの設置予定箇所は、社会保険事務所等である。また、全国健康保険協会に係る健康保険業務システムの端末については、全国健康保険協会の主たる事務所及び従たる事務所に設置されることを想定している。

5の(1)の@について

 御指摘の「被保険者ID」については、刷新システム内部で使用するために自動的に付けられる番号を予定しており、基礎年金番号とは異なる番号を想定している。具体的な番号の内容については、現在刷新システムの基本設計を行っているところであり、現時点でお答えすることは困難である。

5の(1)のAについて

 御指摘の「住民基本台帳番号」は、住民票コードのことである。
 また、御指摘の「社会保障番号」及び「納税者番号」については、具体的に何を指すのかが明らかではないが、現時点において将来の制度改変として具体的に想定しているものはなく、御指摘の被保険者保有番号についても、基礎年金番号、住民票コード及び外国人登録法(昭和二十七年法律第百二十五号)第四条第一項第一号に規定する登録番号以外に保有することを想定しているものはない。

5の(2)の@について

 最適化計画中の健康保険業務システムにおける情報間の関係については、被保険者情報に給付情報、納付情報及び健診情報が結び付けられており、被保険者情報は、事業所情報に結び付けられている。また、被保険者情報の主キーについては、御指摘のとおりである。

5の(2)のAについて

 都道府県番号は事業所が所在する都道府県ごとに付される番号を、被保険者証記号は事業所ごとに付される記号を、被保険者証番号は事業所ごとに被保険者の資格の取得の届出の順番に付される番号を、それぞれ示している。

5の(3)について

 最適化計画において民間事業者への外部委託を進めることとしている業務のうち、御指摘の端末を現に使用させ、又は使用させることを想定しているものは、健康保険、厚生年金保険及び国民年金の適用、徴収及び給付に係る届書の入力業務、通知書等の作成・交付業務、厚生年金保険等未適用事業所に対する適用促進事業、年金電話相談業務並びに国民年金保険料の収納事業である。なお、現在、外部委託先の民間事業者に社会保険業務用専用端末を使用させている場合については、契約において個人情報の保護の観点から守秘義務規定を設け、端末の操作を委託対象届書等の入力等に限定するなど、個人情報保護のための措置を講じているところであり、今後外部委託を行うに当たっても、同様の措置を講じることを考えている。



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