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平成十九年七月六日受領
答弁第四三三号

  内閣衆質一六六第四三三号
  平成十九年七月六日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員長妻昭君提出「消えた年金」問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出「消えた年金」問題に関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねの保険料総額を算出するためのシステムの開発期間及び費用並びに保険料総額の公表の予定については、現在、システム開発の内容等を検討しているところであり、現時点でお答えすることは困難である。
 また、お尋ねの推定人数については、推定を行うための被保険者記録の確認作業等が膨大なものとなることから、お答えすることは困難である。

二について

 厚生年金保険の被保険者名簿及び被保険者原票(以下「原票等」という。)については、すべてマイクロフィルム化して、地方社会保険事務局及び社会保険事務所において保管している。
 また、御指摘の「紙に厚生年金の納付記録が記されたもの」としては原票等以外に厚生年金保険の被保険者台帳があるが、このうち、昭和二十九年四月一日以前に被保険者の資格を取得して同日以前に資格を喪失し、昭和三十四年三月三十一日までの間に再取得していない者の被保険者台帳については、マイクロフィルム化して、社会保険庁社会保険業務センターにおいて保管しており、それ以外の被保険者台帳については、その多くは磁気テープに収録し、その後、磁気ファイルにより記録を管理している。なお、厚生年金保険の被保険者台帳のうち、昭和五十年から昭和五十二年にかけてマイクロフィルム化が行われた時点において、既に年金支給が決定されていた方等の被保険者台帳の保管状況については、現在、調査中である。

三の1について

 御指摘の事務連絡により、被保険者台帳等(原票等、特殊台帳(国民年金の被保険者台帳のうち、特例納付記録、前納記録、一部未納記録等を記録した台帳をいう。以下同じ。)及び普通台帳(特殊台帳以外の国民年金の被保険者台帳をいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)をマイクロフィルム化して保管している件数、被保険者台帳等の保管件数、被保険者台帳等以外に被保険者に関する記録が記載されている書類の保管状況について調査を行うよう、社会保険事務所に対し連絡しているところである。

三の2、3及び5について

 三の1についてで述べた調査については、三百九箇所すべての社会保険事務所より回答を得ているところであるが、現在、その回答内容について確認及び照会作業を行っているところであり、現時点でその結果についてお答えすることは困難である。

三の4について

 三の1についてで述べた調査において、普通台帳を保管しているとの回答のあった社会保険事務所があったが、現在、その回答内容について確認及び照会作業を行っているところであり、現時点で当該社会保険事務所の名称及び普通台帳の保管件数をお答えすることは困難である。
 普通台帳の記録については、昭和五十九年のオンライン化により磁気ファイルによる管理に切替えられ、社会保険オンラインシステムで管理しているところである。
 また、当該普通台帳の記録については、オンライン化前は社会保険事務所における記録相談の際、必要に応じ確認されていたものと承知している。

四について

 社会保険庁のマイクロフィルム記録や市町村(特別区を含む。以下同じ。)が保有する国民年金被保険者名簿等の記録と社会保険オンラインシステムにおいて管理する記録の突き合わせ作業については、計画的に実施し、その進捗状況を半年ごとに公表することとしているが、現在、その実施に当たっての具体的な手法等について検討しているところであり、お尋ねの「人・モノ・カネ」については、現時点でお答えすることは困難である。
 また、お尋ねの「マイクロフィルムや紙記録の総枚数など」については、三の2、3及び5について並びに三の4についてでお答えしたとおり、現時点でお答えすることは困難である。

五の1について

 お尋ねについては、現在調査中であり、現時点でお答えすることは困難である。

五の2について

 御指摘の三案件については、現在、その経緯等について調査中であり、お尋ねについて、現時点でお答えすることは困難である。

五の3及び4について

 お尋ねについては、調査に時間を要するため、現時点でお答えすることは困難である。

六について

 現在、御指摘の資料が社会保険庁の庁内LANで回覧されているという事実はない。
 また、御指摘の平成十八年度の資料の公表については、今後検討してまいりたい。

七の1について

 御指摘の調査については、現在、「国民年金保険料の特例納付に係る事務の状況調査について」(平成十九年六月二十六日付け庁文発第〇六二六〇〇一号社会保険庁運営部年金保険課長通知)に基づいて実施しているところであるが、その地方社会保険事務局長からの報告期限は平成十九年七月三十一日であるため、お尋ねの点について、現時点でお答えすることは困難である。

七の2について

 お尋ねの国民年金保険料の特例納付の申出期間ごとの総件数及び総納付額については、昭和五十二年四月二十日の衆議院社会労働委員会において、第一回目の昭和四十五年七月から昭和四十七年六月までの総件数が二百十九万件、総納付額が百七十二億円、第二回目の昭和四十九年一月から昭和五十年十二月までの総件数が二百八十万件、総納付額が六百二十八億円である旨、また、昭和五十六年二月二十六日の衆議院予算委員会において、第三回目の昭和五十三年七月から昭和五十五年六月までの総件数が二百二十九万九千六百余件、総納付額が千六百七十五億五千万余である旨、それぞれ政府委員が答弁しているところである。

七の3について

 四についてでお答えしたとおり、社会保険庁のマイクロフィルム記録や市町村が保有する国民年金被保険者名簿等の記録と社会保険オンラインシステムにおいて管理する記録の突き合わせ作業を計画的に実施することとしており、特例納付に関する記録についても、当該突き合わせ作業の中で確認されることとなるが、現在、その具体的な実施方法等について検討しているところであり、当該突き合わせ作業の終了時期を現時点でお答えすることは困難である。

八の1について

 社会保険庁においては、脱退手当金の支給金額の算出の基礎となった被保険者期間及びその支給金額について、社会保険オンラインシステム及び社会保険庁のマイクロフィルム記録において管理しており、お尋ねの調査について実施する必要はないものと考えている。
 また、厚生年金保険の脱退手当金は、厚生年金保険制度の発足時に、保険料の掛け捨てを嫌う国民感情に配慮する必要があったことから、被保険者のうち、加入期間が短く、年金給付の受給権が発生しない者に対し、請求に基づき、拠出した保険料の一部に相当する金額を一時金として支給する制度として設けられたものである。なお、当該制度は、昭和六十年の年金制度改正において基礎年金制度を導入したことに伴い廃止され、現在は経過措置として一定の基準を満たしている場合に限り支給することとされている。

八の2について

 平成十四年度から平成十八年度までの各年度における厚生年金保険の脱退手当金の裁定件数及び裁定金額は、平成十四年度が一万二千五百八十七件及び三十一億八千二百一万八千円、平成十五年度が一万千九百九十二件及び二十九億四千百六十五万四千円、平成十六年度が一万九百九十九件及び二十四億六千四百四十三万千円、平成十七年度が九千四百六十四件及び二十億九千二百六十七万三千円並びに平成十八年度が八千三十三件及び十六億二千五百十七万六千円である。

九の1について

 御指摘の特別保険料については、これによって負担と給付の関係を変更しようとするものではなく、保険料負担を免れるため月収を抑えて賞与を増額するということを防止するため、従来月収のみとされていた保険料賦課の対象を賞与まで拡大するとともに月収に対して賦課される保険料を抑制することとしたものであり、これについては給付への反映は行わないこととする一方で、その保険料率を一パーセントと低く設定したものである。
 また、特別保険料の廃止については、平成十二年年金制度改正において、賞与の多寡による被保険者間の負担の公平をより徹底することを目的として、賞与にも月収と同じ保険料率を適用するとともに、その分を給付にも反映させる総報酬制を導入し、平成十五年度から実施されたことに伴い、これを行ったものである。

九の2について

 特別保険料額を支払った被保険者の人数については、月収に対して賦課される保険料及び特別保険料の納付義務は事業主が負い、事業主の当該保険料及び特別保険料の合算額についての納付状況は管理しているものの、被保険者ごとの納付状況を管理する仕組みとしていなかったため、お答えすることができない。
 また、特別保険料の納付金額については、月収に対して賦課される保険料と区分して管理する仕組みとしていなかったため、お答えすることができない。

十の1について

 昨年八月以降実施している年金記録相談の特別強化体制において社会保険庁が本年一月以降に受けた相談の中に御指摘のケースに該当するものがあるかどうかについては、被保険者等が所持する領収書等の資料に基づき国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第十四条に規定する国民年金原簿の保険料納付記録を訂正した上で、現在、社会保険庁又は市町村に国民年金保険料の納付の事実等を確認することができる資料が現存しないかの確認を行っているところであり、お尋ねの点について、現時点でお答えすることは困難である。

十の2について

 年金記録相談の特別強化体制において平成十九年四月一日以降に社会保険庁が受け付け、同月中に回答した二千八百五十五件のうち、社会保険庁のマイクロフィルム記録等により記録を確認したものの件数は、七十一件報告されているが、お尋ねの点については、現在調査中であり、現時点でお答えすることは困難である。

十一の1、2及び4について

 年金記録をめぐる諸問題については、現在、政府部内において、事実関係の調査を行っているところである。また、本年六月十四日より開催されている年金記録問題検証委員会において、今回の問題の発生の経緯、原因、責任の所在等について検証を行っており、その結果も踏まえ、政府として適切に対処することとしている。

十一の3について

 年金記録の問題については、相当過去からの問題でもあり、十分に実態の把握を行う必要があったが、その実態把握の過程で、衆議院厚生労働委員長に対して、「国民年金・厚生年金の納付した保険料の記録が消滅する事案等に関する予備的調査(松本剛明君外四十二名提出、平成十八年衆予調第四号)についての報告書」が提出され、社会保険オンラインシステムによって管理している基礎年金番号が付されていない又は基礎年金番号に統合されていない年金手帳記号番号に係る記録(以下「未統合の記録」という。)が約五千万件あることが報告された。その報告について実態を詳しく精査するよう、安倍内閣総理大臣から厚生労働省に対して指示が行われたものである。また、この実態把握を踏まえ、この際、従来にない大がかりで抜本的な対策を講じる必要があると判断し、五月下旬に、パッケージとして具体的な対策をまとめるよう、重ねて指示が行われた。
 なお、この問題の具体的実態やパッケージとしての解決方策を示すことなく緊急事態宣言を出すといったことは問題があると考えており、既に述べた経緯を踏まえれば、御指摘のような不作為等の問題もないと考えている。

十二の1について

 平成九年一月に約一億人の被保険者及び受給権者に基礎年金番号を通知した際、被保険者の方には、返信用葉書を同封した上で、「現在加入している制度以外の公的年金に加入したことがある」か、又は「2つ以上、年金手帳をもらったことがある」のいずれかに該当する場合は、その旨を申し出ていただくよう照会を行い、回答を得た。お尋ねの約九百十六万人とは、回答があった者のうちの五十五歳以下(昭和十七年度以降生まれ)の方の人数である。
 また、回答があった者のうち五十六歳以上の者の人数については、回答結果についての集計作業等に時間を要するため、お答えすることは困難である。

十二の2について

 受給権者については、請求時に記録を確認し統合が行われたと考えたため、十二の1についてでお答えした照会の対象外とした。また、十二の1についてで述べた照会において回答があった者については、社会保険オンラインシステムの被保険者記録に回答があったことを収録したところである。
 なお、回答のあった返信用葉書については、社会保険オンラインシステムに回答があったことを収録したことから、廃棄している。

十三の1について

 日本国有鉄道、日本電信電話公社及び日本専売公社(以下「旧三公社」という。)については、平成九年四月に約百十四万人の共済組合の組合員の記録が社会保険庁に移管されたところである。このうち、同年一月の基礎年金番号導入前に旧三公社の共済組合の組合員の資格を喪失した者は、約二十二万人である。
 旧三公社より移管された記録については、すべて社会保険オンラインシステムに収録されており、紙台帳についてもすべて保管している。

十三の2及び3について

 旧三公社より移管された記録のうち、未統合の記録の件数については、これを把握しておらず、また、これらを新たに調査することは、当該記録が未統合の記録であるか否かを一つ一つ把握するための作業等が膨大なものとなることから、お答えすることは困難であるが、御指摘の未統合の記録の件数には含まれている。

十四について

 厚生労働大臣の決裁を経るか否かについては、その内容の重要性に応じて厚生労働省文書管理規程(平成十三年厚生労働省訓第二十一号)に基づき判断しているところであり、御指摘の情報開示について、すべて厚生労働大臣の決裁を経ているわけではない。
 いわゆる国政調査権に基づく資料要求は、憲法第六十二条に規定されている国会の権能として、国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第百四条の規定に基づき各議院又は各議院の委員会が行うものであり、国会議員からの資料要求とは異なるものであると認識している。いずれにせよ、国会議員から資料要求があった場合には、可能な限り協力すべきものと考えている。

十五について

 国民年金被保険者名簿については、本年五月に、「国民年金被保険者名簿等の移管の検討に当たっての事前調査について」(平成十九年五月二日付け庁文発第〇五〇二〇〇五号社会保険庁運営部年金保険課長通知)により、保管状況に係る調査を行ったところである。この調査結果については、公文書による回答に先立ち、同年五月十一日に電子メールにより提出のあった回答について取り急ぎ集計したところ、「保管なし」と回答するものが百九十一市町村となっていたところであるが、その後、「国民年金被保険者名簿等の保管状況に関する追加調査について」(平成十九年六月二十日付け庁文発第〇六二〇〇〇二号社会保険庁運営部年金保険課長通知)により、改めて調査を行い、本年七月四日現在でその調査結果を取りまとめ、「保管なし」と回答した市町村の名前について、社会保険庁のホームページで公表したところである。

十六について

 お尋ねについては、年金記録相談の特別強化体制において受けた相談の中で、昨年十二月末までの事例として把握しているものが五十五件である。

十七について

 社会保険庁としては、「厚生年金保険被保険者台帳記号番号の確認について」(昭和三十九年九月一日付け庁業発第八十二号社会保険庁年金保険部業務課長通知)に、「いぜんとして再取得及び重複取消の際の台帳記号番号確認誤まりによる記録事故が多数発見されており」との記載があることを踏まえると、昭和三十九年九月以前から記録事故があったものと認識している。



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