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答弁本文情報

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平成十九年九月二十五日受領
答弁第二一号

  内閣衆質一六八第二一号
  平成十九年九月二十五日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員鉢呂吉雄君提出警察職員の不祥事に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員鉢呂吉雄君提出警察職員の不祥事に関する質問に対する答弁書



一の(1)について

 警察では、職員の身上が記載された書面の提出を求め、上司が職員を面接するなどの方法により、職員の身上を把握し、指導を行っているところである。

一の(2)について

 一の(1)についてでお答えした職員の身上の把握及び指導は、指揮監督上必要な人事管理の一環として行っている。

一の(3)について

 警察では、職員の指揮監督上必要な人事管理の一環として、職員の身上を把握し、指導を行っているところであり、当該身上の把握及び指導は、適正な人事管理に必要な範囲で、職員の私生活に関する事項にも及ぶ場合がある。また、当該身上の把握及び指導については、職員の身上が記載された書面の提出を求め、上司が職員を面接するなどの方法により行われており、幹部職員に対しては、身上の把握及び指導に必要な教養を行っているところである。職員の身上を把握し、指導を行った結果が当該職員の昇任等に影響する場合もあるが、このことについて職員がどのように受け止めているかについては承知していない。

一の(4)について

 警視庁によると、御指摘の警視庁立川警察署地域課の巡査長(以下「当該職員」という。)に対しては、定期及び随時の上司による面接等を行い、その中で交友関係、健康状態等について把握し、指導するよう努めていたとのことである。また、警視庁においては、職員の身上について記録したものとして、警視庁職員人事記録等があるとのことである。

一の(5)について

 警視庁によると、平成十九年七月までに、当該職員の元上司が当該職員から、御指摘の被害女性(以下「被害者」という。)と結婚したい旨の相談を受けたが、当該元上司は、そのことを当該職員の上司に伝えなかったとのことである。

一の(6)について

 警視庁によると、平成十九年七月ころ、当該職員の上司が当該職員から、仕事に対する意欲がなくなった旨を聞いたが、当該上司は、当該職員に対して、一般的な督励をするにとどまり、具体的な指導を行わなかったとのことである。

一の(7)について

 警視庁によると、当該職員の上司が御指摘の風評を聞いたとの事実は確認されていないが、平成十九年七月までに、一の(5)についてでお答えした当該職員の元上司が当該職員から、被害者と面会できず悩んでいる旨の相談を受け、当該元上司は、当該職員に対して、被害者につきまとうようなことはすべきでない旨の助言をしたとのことである。

一の(8)について

 警視庁によると、当該職員について実効的な身上の把握及び指導が行われなかった理由としては、当該職員の上司に熱意と意欲が十分でなかったこと等が挙げられるとのことである。職員の身上の把握及び指導については、御指摘の都会で勤務する警察官の場合も含め、上司が職員の特性等を踏まえ、かつ、熱意と意欲を持って行い、その実効を上げることに努めていく必要があると考えている。

一の(9)について

 一の(8)についてでお答えしたとおり、職員の身上の把握及び指導については、上司が職員の特性等を踏まえ、かつ、熱意と意欲を持って行い、その実効を上げることに努めていく必要があると考えている。

二の(1)について

 交番勤務は、原則として交替制で、立番、見張、在所、警ら及び巡回連絡の勤務方法により行うこととされている。

二の(2)について

 交番勤務の地域警察官については、警察署長及びこれを補佐する地域課長等の地域警察幹部が交番を巡回し、関係書類を確認するなどの方法により監督しているものと承知している。

二の(3)について

 警視庁によると、当該職員については、一一〇番通報により認知した事件、事故等の処理は行っていたものの、パトロールや犯罪の検挙には消極的であり、他の職員と比べて勤務成績の評定は低かったとのことである。

二の(4)について

 警視庁によると、平成十九年七月ころ、当該職員の上司が当該職員から、仕事に対する意欲がなくなった旨を聞いたが、当該上司は、当該職員に対して、その原因等については詳しく尋ねず、一般的な督励をするにとどまり、具体的な指導を行わなかったとのことである。

二の(5)について

 交番勤務の地域警察官の勤務成績は、各都道府県警察が定める能力、業績等の評定項目に沿って評定されている。また、御指摘の「ノルマ」の意味が必ずしも明らかではないが、各都道府県警察においては、警察署、交番等ごとに年間の犯罪検挙件数の目標が設定されている場合もあるものと承知している。

二の(6)について

 巡査長の制度は、勤務成績が優良であり、かつ、実務経験が豊富な巡査の能力及び経験を活用して、都道府県警察における指導体制の強化を図ることを目的としている。
 警視庁によると、当該職員は、警視庁が定める勤務成績、実務経験等の要件を満たし、平成七年に巡査長とされたとのことである。
 警察庁としては、巡査長の制度により、職員の士気の高揚及び巡査に対する指導体制の強化が図られているものと考えている。
 また、警視庁によると、当該職員は、警視庁が定める勤務成績、実務経験等の巡査部長への昇任の要件を満たさなかったとのことである。

二の(7)について

 警視庁によると、警視庁立川警察署における転入者の配置に伴い、同署の交番勤務員の配置について見直しが行われた結果、職務命令により、当該職員の勤務場所の変更が行われたとのことである。

二の(8)について

 警視庁によると、御指摘の点に問題があったとは認められないとのことである。

二の(9)について

 警視庁によると、当該職員の上司が二時間以上当該職員から連絡がないことを把握しながら必要な措置を採らなかったなど、当該職員の勤務について十分な管理がなされていなかったとのことである。

二の(10)について

 警視庁によると、平成十九年八月二十日から同月二十一日にかけて、当該職員と同じ交番で勤務していた警察官が当該職員と連絡を取ろうとして、当該警察官が使用料金を負担している私物の携帯電話を使用したとのことであり、また、警視庁においては、制服警察官による勤務中における私物の携帯電話の使用は、原則として禁止されているとのことである。

二の(11)について

 警視庁によると、当該職員が本署から御指摘の指示を受けた事実は確認されていないとのことである。

二の(12)について

 警視庁によると、当該職員の勤務実態が十分に把握されなかった理由としては、当該職員の上司に熱意と意欲が十分でなかったこと等が挙げられるとのことである。

二の(13)について

 警視庁によると、当該職員の上司が被害者が勤務していた飲食店で飲食した事実は確認されていないものの、当該職員及び一の(5)についてでお答えした当該職員の元上司等が同店で飲食した事実はあるとのことである。

二の(14)について

 平成十九年四月一日現在における都道府県の警察官定員の階級別比率は、警視は約三パーセント、警部は約七パーセント、警部補は約二十八パーセント、巡査部長は約三十パーセント、巡査は約三十二パーセントである。また、平成三年四月一日現在におけるそれは、警視は約二パーセント、警部は約五パーセント、警部補は約十四パーセント、巡査部長は約三十四パーセント、巡査は約四十五パーセントである。都道府県警察によっては、警部補の増加に伴い、係長ポストが増設されたために係の細分化を招き業務の円滑な遂行が阻害されるなどの状況があったものと承知している。

二の(15)について

 平成十四年から平成十八年までの間に懲戒処分を受けた警部補の階級にある警察官の数は、平成十四年は百十六人、平成十五年は九十六人、平成十六年は八十三人、平成十七年は八十五人、平成十八年は七十九人である。

二の(16)について

 警部補については、各都道府県警察において、試験、選考等により、係規模の組織及び業務を管理する能力を有する者等を選定して昇任させた上で、必要な教養を行うなどしているものと承知している。

二の(17)について

 都道府県警察によっては、警部補の増加に伴い、係長ポストが増設されたために係の細分化を招き業務の円滑な遂行が阻害されるなどの状況があったものと承知している。

二の(18)について

 警部補の階級にある警察官に対しては、各都道府県警察において、警部補が管理的業務と共に実働業務を的確に遂行する責任を有していることを意識するよう努めているものと承知している。

三の(1)について

 御指摘の事案に関し、平成十九年九月二十日、国家公安委員会は、警視総監を戒告処分と、警視庁立川警察署長を減給処分とし、警視総監は、同署地域課長を減給処分とするなどした。

三の(2)について

 被害者の遺族に対する損害賠償に関して東京都がどのように対応するかについては、現時点では決定していないものと承知している。

三の(3)について

 警察庁及び警視庁は、御指摘の事件の発生を受け、それぞれ各都道府県警察及び各所属に対して、身上の把握及び指導並びに勤務管理の徹底等を図るよう通達を発出したところである。

四の(1)について

 平成十四年から平成十八年までの間に懲戒処分を受けた警察職員の数は、警視以上については、平成十四年は四十六人、平成十五年は十七人、平成十六年は百十六人、平成十七年は十二人、平成十八年は二十二人、警部については、平成十四年は六十二人、平成十五年は二十九人、平成十六年は十九人、平成十七年は二十五人、平成十八年は二十七人、警部補については、平成十四年は百十六人、平成十五年は九十六人、平成十六年は八十三人、平成十七年は八十五人、平成十八年は七十九人、巡査部長については、平成十四年は百三十七人、平成十五年は百六人、平成十六年は九十七人、平成十七年は八十五人、平成十八年は九十七人、巡査については、平成十四年は百四十八人、平成十五年は百四十四人、平成十六年は百二十七人、平成十七年は百十一人、平成十八年は百十人、警察官以外の警察職員については、平成十四年は五十九人、平成十五年は四十人、平成十六年は四十六人、平成十七年は二十三人、平成十八年は二十六人である。

四の(2)について

 警察庁としては、御指摘の「懲戒処分以外の訓戒厳重注意等」を受けた警察職員の数を把握していない。

四の(3)について

 平成十四年から平成十八年までの間に警察が検挙した警察職員による刑法犯(道路上の交通事故に係る業務上過失致死傷及び重過失致死傷並びに危険運転致死傷を除く。)に係る検挙人員は、平成十四年及び平成十五年については把握しておらず、平成十六年は文書偽造等の知能犯二十六人、窃盗犯十七人、傷害等の粗暴犯十四人等八十五人、平成十七年は傷害等の粗暴犯二十二人、文書偽造等の知能犯十七人、窃盗犯十五人等六十七人、平成十八年は文書偽造等の知能犯三十一人、傷害等の粗暴犯十七人、窃盗犯十七人等九十二人である。

四の(4)について

 平成十四年から平成十八年までの間に地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条第一項の規定による降任処分を受けた警察職員の数は、警視及び警部については零人、警部補については、平成十四年及び平成十五年は零人、平成十六年は一人、平成十七年は零人、平成十八年は一人、巡査部長については、平成十四年及び平成十五年は零人、平成十六年は一人、平成十七年は一人、平成十八年は零人、巡査については零人、警察官以外の警察職員については、平成十四年は零人、平成十五年は一人、平成十六年から平成十八年までは零人である。また、同期間中に同項の規定による免職処分を受けた警察職員の数は、警視については零人、警部については、平成十四年及び平成十五年は零人、平成十六年は一人、平成十七年は二人、平成十八年は零人、警部補については、平成十四年は零人、平成十五年は一人、平成十六年は二人、平成十七年及び平成十八年は零人、巡査部長については、平成十四年は零人、平成十五年は一人、平成十六年は二人、平成十七年は一人、平成十八年は三人、巡査については、平成十四年は四人、平成十五年は四人、平成十六年は三人、平成十七年は五人、平成十八年は一人、警察官以外の警察職員については、平成十四年は一人、平成十五年は四人、平成十六年は零人、平成十七年は一人、平成十八年は三人である。
 平成十四年から平成十八年までの間に国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第七十八条の規定による降任処分を受けた警察職員の数は零人である。また、同期間中に同条の規定による免職処分を受けた警察職員の数は、警視以上については零人、警部については、平成十四年から平成十七年までは零人、平成十八年は一人、警部補、巡査部長及び巡査については零人、警察官以外の警察職員については、平成十四年は二人、平成十五年は一人、平成十六年及び平成十七年は零人、平成十八年は一人である。

五の(1)について

 平成十四年から平成十八年までの間における警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第四十三条の二の規定による監察の指示の数は、平成十六年の二件である。

五の(2)について

 警察庁としては、各都道府県警察における警察法第五十六条第三項の規定による報告の件数を把握していない。

五の(3)について

 平成十四年から平成十八年までの間における警察法第七十九条の規定による苦情の受理件数は、平成十四年は四百五十六件、平成十五年は四百六十七件、平成十六年は五百五十三件、平成十七年は六百三十四件、平成十八年は七百四十七件である。

五の(4)の@について

 都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の委員は、定例会議における審議を行うほか、必要に応じ都道府県警察から報告を聴取するなどしており、警視庁及び道府県警察本部(以下「警察本部」という。)の補佐を受け、委員としての職務を果たしているものと承知している。

五の(4)のAについて

 公安委員会の委員には、社会の一線での活躍を通じて得られる幅広い視野と高い識見に基づき、大局的見地から都道府県警察を管理することが期待されているところ、これを常勤とした場合、現に社会の一線で活躍している人材を公安委員会の委員とすることが困難となるおそれがある。

五の(4)のBについて

 警察本部には、公安委員会の庶務を担当する組織が設置され、全国の都道府県警察に平成十八年十二月現在で約二百人の警察職員が配置されているところ、当該組織においては、公安委員会の庶務をつかさどり、各委員の求めに応じ、資料の収集及び整理を行い、また、都道府県警察の関係部門に対して当該委員への説明を促すなど、公安委員会の各種活動が円滑に行われるために必要な事務を的確に処理しているものと承知している。

五の(5)の@について

 警察庁としては、都道府県知事が公安委員会の委員を任命するまでの過程における各都道府県警察の具体的な関与の実態を承知していないが、いずれにしても、公安委員会の委員の任命は、都道府県知事の判断により行われるべきものと考えている。

五の(5)のAについて

 公安委員会の委員の任命は、都道府県知事の判断により行われるべきものと考えている。

五の(6)の@について

 都道府県警察から独立した公安委員会の事務局を設けた場合、公安委員会と都道府県警察の間の迅速かつ円滑な意思疎通が損なわれ、また、当該事務局と都道府県警察との間で事務の重複が生じるおそれがあると考えている。

五の(6)のAについて

 公安委員会の委員には、警察業務に関する専門家ではない者が任命されていることから、公安委員会が十分に管理機能を発揮するためには、警察業務に精通した警察職員が公安委員会を補佐することが適当であると考えている。



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