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答弁本文情報

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平成十九年十月五日受領
答弁第五〇号

  内閣衆質一六八第五〇号
  平成十九年十月五日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員鉢呂吉雄君提出最近のけん銃発砲事件等の警察捜査に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員鉢呂吉雄君提出最近のけん銃発砲事件等の警察捜査に関する質問に対する答弁書



Tの一の(1)について

 北海道警察によると、御指摘の「第二事件」は、本年九月十日午後十時ころ、北海道亀田郡七飯町のホテル前路上において、女性をけん銃で脅して車両を奪う強盗事件が発生し、翌十一日午前零時三十五分ころ、北海道函館市昭和町において緊急配備中の北海道警察函館方面本部地域課の警ら用無線自動車が当該車両を発見し、停止させたところ、当該車両を運転していた男(以下「被疑者」という。)がけん銃二発を発射したので、警察官が被疑者に対してけん銃計五発を発射したところ、このうちの一発が胸部に命中し、搬送先の病院で被疑者の死亡が確認されたというものであるとのことである。
 また、北海道警察によると、御指摘の「第一事件」は本年九月十日の午前八時四十分ころ、函館駅駅員から「函館駅構内に不審者がいる」との通報が北海道警察函館方面本部地域課鉄道警察隊に、同日午前九時三十五分ころ、一般人から「けん銃のようなものを持っている男がいる」との通報が同方面函館西警察署函館駅前交番にそれぞれ寄せられ、捜索活動や聞き込みが行われたが、不審者の発見には至らなかったというものであるとのことである。

Tの一の(2)について

 お尋ねの点については、現在、北海道警察において捜査中である。

Tの一の(3)について

 北海道警察によると、本年九月十日午前八時四十分ころ、北海道警察函館方面本部地域課鉄道警察隊において函館駅職員から「不審者がいる」との通報を受け、同隊隊員一名が当該職員から事情聴取をするとともに、函館駅構内を捜索したとのことである。
 また、同日午前九時三十五分ころ、同方面函館西警察署函館駅前交番において一般人から「けん銃のようなものを持っている男がいる」との通報を受け、同日午前九時三十八分ころ、同署刑事第二課長は、同交番の勤務員二名及び同署員七名を指揮して函館駅構内及び同駅周辺の捜索及び聞き込みを実施させたが、不審者の発見には至らなかったとのことである。
 さらに、同日午前十時七分ころ、同方面本部捜査課機動捜査班員五名も函館駅に臨場し、函館駅構内、周辺駐車場等を捜索したが、不審者の発見には至らなかったとのことである。

Tの一の(4)の@からEまでについて

 北海道警察によると、御指摘の「第一事件」に関する初動捜査の内容は、二名の通報者からの詳細な事情聴取、函館駅構内、同駅周辺等における不審者の捜索及び聞き込み等であるが、さらに具体的な捜査内容等については、これを公にすることにより、同種の犯罪を企図する者が対抗措置をとるなど、今後の犯罪の捜査に支障を来すおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

Tの一の(5)について

 Tの一の(4)についてでお答えしたとおり、北海道警察によると、北海道警察函館方面本部地域課鉄道警察隊及び捜査課並びに同方面函館西警察署において、二名の通報者からの事情聴取、函館駅構内、同駅周辺等における不審者の捜索及び聞き込み等を実施したとのことである。

Tの一の(6)について

 お尋ねについては、参考人から聴取している情報の有無、内容等が明らかとなれば、捜査活動への協力が得にくくなるなど、今後の犯罪の捜査に支障を来すおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

Tの一の(7)について

 警察庁としては、北海道警察による御指摘の「第一事件」の初動捜査は、適正に行われたものと考えている。

Tの二の(1)について

 北海道警察によれば、本年九月十日午前八時四十分ころ、北海道警察函館方面本部地域課鉄道警察隊において函館駅職員から「不審者がいる」との通報を受け、同隊隊員一名が当該職員から事情聴取をするとともに、函館駅構内を捜索したこと、同日午前九時三十五分ころ、同方面函館西警察署函館駅前交番において一般人から「けん銃のようなものを持っている男がいる」との通報を受け、同日午前九時三十八分ころ、同署刑事第二課長が、同交番の勤務員二名及び同署員七名を指揮して函館駅構内及び同駅周辺の捜索及び聞き込みを実施させたが、不審者の発見には至らなかったこと、同日午前十時七分ころ、同方面本部捜査課機動捜査班員五名も函館駅に臨場し、函館駅構内、周辺駐車場等を捜索したが、不審者の発見には至らなかったこと等について報道機関に発表したとのことである。

Tの二の(2)について

 Tの二の(1)についてでお答えしたとおり、北海道警察によれば、今後の犯罪の捜査に支障の生じない範囲で御指摘の「第一事件」に関する初動捜査について報道機関に発表したとのことである。

Uの一の(1)について

 警察によるけん銃押収数については、平成五年は千六百七十二丁、平成六年は千七百四十七丁、平成七年は千八百八十丁、平成八年は千五百四十九丁、平成九年は千二百二十五丁、平成十年は千百四丁、平成十一年は千一丁、平成十二年は九百三丁、平成十三年は九百二十二丁、平成十四年は七百四十七丁、平成十五年は七百八十五丁、平成十六年は六百一丁、平成十七年は四百八十九丁及び平成十八年は四百五十八丁である。

Uの一の(2)について

 警察による暴力団構成員又は準構成員からのけん銃押収数については、平成五年は千百九十六丁、平成六年は千二百四十二丁、平成七年は千三百九十六丁、平成八年は千三十五丁、平成九年は七百六十一丁、平成十年は五百七十六丁、平成十一年は五百八十丁、平成十二年は五百六十四丁、平成十三年は五百九十一丁、平成十四年は三百二十七丁、平成十五年は三百三十四丁、平成十六年は三百九丁、平成十七年は二百四十三丁及び平成十八年は二百四丁である。

Uの一の(3)について

 法務省において把握している銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号。以下「銃刀法」という。)第三十一条の五の規定を適用した件数は、平成十三年は九十二件、平成十四年は五十九件、平成十五年は五十件、平成十六年は五十八件、平成十七年は五十六件及び平成十八年は三十九件である。

Uの一の(4)について

 御指摘の「けん銃の所有者を見逃し、けん銃だけを提出」させた事件について、銃刀法第三十一条の五の規定を適用することはできないことから、Uの一の(3)についてでお答えした件数には、御指摘の「首なしけん銃」の件数は含まれない。

Uの一の(5)について

 警察庁としては、平成五年以後、警察内部において、御指摘のような風潮が蔓延したとは考えていない。

Uの一の(6)について

 近年、けん銃の押収丁数が減少傾向にある背景には、暴力団等の犯罪組織が違法銃器の隠匿、密輸、密売等の方法を巧妙化させていることのほか、一部の暴力団において、当該暴力団の構成員に対し、警察官との接触を禁止するなどの対抗措置がとられたことにより、警察の現場におけるけん銃に係る捜査をめぐる環境が従前にも増して厳しくなっている状況があると考えている。

Uの一の(7)について

 一部の指定暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第三条の規定により指定された暴力団をいう。以下同じ。)において、当該指定暴力団の構成員に対し、警察官と接触し、又は警察官を当該指定暴力団の事務所に入れることを禁止している例がある。

Uの一の(8)について

 現在の警察の捜査力を過去と比較することは困難であるが、近年、けん銃に係る捜査における情報収集等が困難化している背景には、暴力団等の犯罪組織が違法銃器の隠匿、密輸、密売等の方法を巧妙化させていることのほか、一部の暴力団において、当該暴力団の構成員に対し、警察官との接触を禁止するなどの対抗措置がとられたことにより、警察の現場におけるけん銃に係る捜査をめぐる環境が従前にも増して厳しくなっている状況があると考えている。

Uの二の(1)について

 警察庁において把握している限りでは、警察官又は元警察官がけん銃に係る捜査に伴う違法行為により検察官に送致された事件の数は、当該違法行為が行われた年別では、平成七年は愛媛県警察で一件、島根県警察で一件、群馬県警察で一件及び長崎県警察で一件、平成八年は警視庁で一件、平成九年は北海道警察で一件、平成十三年は大阪府警察で一件及び愛知県警察で一件並びに平成十四年は奈良県警察で一件である。

Uの二の(2)について

 Uの二の(1)についてで述べた事件に関して懲戒処分を受けた警察職員の数は、平成七年の事件については、愛媛県警察で七人、島根県警察で三人、群馬県警察で十人及び長崎県警察で八人、平成八年の事件については警視庁で五人、平成九年の事件については北海道警察で二人、平成十三年の事件については愛知県警察で三人並びに平成十四年の事件については奈良県警察で一人である。

Uの二の(3)について

 Uの二の(1)についてで述べた事件に関して起訴された警察官又は元警察官の数は、平成七年の事件については、愛媛県警察で三人、群馬県警察で一人及び長崎県警察で一人並びに平成十四年の事件については奈良県警察で一人である。

Uの二の(4)について

 不適正事案に関する処分は、事実に即して厳正になされたものであり、このことが現場の警察官の士気を低下させたとは考えていない。

Uの三の(1)について

 警察における従前の組織犯罪対策は、暴力団対策については暴力団対策部門が、薬物及び銃器に関する犯罪の取締りについては生活安全部門が、来日外国人による犯罪の取締りについてはその罪種ごとに複数の部門がそれぞれ所掌していたが、暴力団、薬物及び銃器の密輸密売組織、来日外国人犯罪組織等の犯罪組織が相互に複雑かつ密接に連携しつつ、犯罪を敢行している状況がうかがわれたことから、これらの犯罪組織による犯罪の取締りを一元的に所掌し、犯罪組織の実態等を見据えた総合的な取組を推進するため、平成十六年四月に警察庁刑事局に組織犯罪対策部を設置するとともに、都道府県警察においても組織犯罪対策に関する統一的な取組を行うための体制整備を図ることとしたものである。

Uの三の(2)について

 御指摘のとおり、近年、けん銃の押収丁数は減少傾向にあるが、暴力団対策部門と銃器対策部門との間で情報共有等の連携強化が図られたことにより、組織的管理に係るけん銃の連続的な摘発、暴力団が管理する銃器の摘発を端緒とした当該暴力団の壊滅等がなされるなど、組織犯罪対策として、一定の成果が上がりつつあるところである。

Uの三の(3)について

 平成四年に御指摘のような業務の移管を行った事実はない。

Uの三の(4)について

 都道府県警察におけるけん銃に係る捜査を担当する部署としては、警察本部においては、警視庁にあっては組織犯罪対策部に、道府県警察にあっては刑事部に組織犯罪対策課、薬物銃器対策課、暴力団対策課等の課が置かれ、警察署においては、刑事課等の課が置かれているものと承知している。

Uの三の(5)について

 けん銃に係る捜査に専従している警察官の数を特定することはできないことから、お尋ねについてお答えすることは困難である。

Uの三の(6)について

 Uの三の(5)についてでお答えしたとおり、お尋ねについてお答えすることは困難である。

Uの四の(1)について

 警察庁における捜査費の概算要求の金額は、一定の類型の犯罪捜査に必要とされる捜査費の金額を合算するのではなく、過去の捜査費全体の予算額、執行額等を勘案して計上していることから、けん銃摘発に必要とされた捜査費の予算額をお答えすることは困難である。
 また、けん銃摘発は、特定の捜査活動のみにより行われるものではなく、様々な捜査活動が相互に複雑かつ密接な関連を有して行われることから、けん銃摘発に必要とされた捜査費の執行額をお答えすることは困難である。

Uの四の(2)について

 Uの四の(1)についてでお答えしたとおり、警察庁における捜査費の概算要求の金額は、一定の類型の犯罪捜査に必要とされる捜査費の金額を合算するのではなく、過去の捜査費全体の予算額、執行額等を勘案して計上していることから、けん銃摘発に必要な捜査費の概算要求の金額をお答えすることは困難である。

Uの四の(3)の@について

 平成二十年度予算の概算要求において、けん銃摘発に必要な経費の全てとそれ以外の経費を区分してお示しすることはできないことから、お尋ねについてお答えすることは困難である。

Uの四の(3)のAについて

 警察庁では、平成二十年度より、広く国民に銃器犯罪に関する情報提供を促すことを目的として、全国共通番号のフリーダイヤルを設定して銃器に関する通報を受け付け、事件の検挙に至る有力な情報の提供者に対し、情報の内容や捜査への協力の度合いに応じて報奨金を支払う制度(以下「報奨制度」という。)を導入することを検討している。

Uの四の(3)のBについて

 警察庁としては、一部の暴力団において、当該暴力団の構成員に対し、警察官との接触を禁止するなどの対抗措置がとられたことにより、銃器犯罪に関する情報収集が困難になっていることから、広く国民に銃器犯罪に関する情報提供を促す必要があると考えている。

Uの四の(3)のCについて

 警察庁としては、報奨金の支払いには、捜査費を充てることを予定しているが、平成二十年度予算の概算要求において、報奨制度の導入を理由とする捜査費の増額は要求していない。

Uの四の(3)のDについて

 警察庁としては、報奨制度は、被疑者を検挙することにつながる銃器犯罪に関する情報の提供に対する謝礼を支払うものであることから、御指摘のような懸念は生じにくいものと考えている。

Uの四の(3)のEについて

 報奨金は、個別の情報や事案の内容等に応じ、情報提供者が事件の共犯被疑者であるなど不適切と認められる場合には、支払わないこととすることを検討している。

Uの四の(3)のFについて

 報奨制度においては、被疑者が検挙された事件に限り報奨金を支払うこととしていることから、御指摘のようなおそれはないものと考えている。

Uの四の(3)のGについて

 報奨制度は、現場の警察官による銃器犯罪に関する情報収集が困難となっていることを踏まえ、広く国民に銃器犯罪に関する情報提供を促すための施策の一つとして導入することを予定しているものであり、必ずしも現場の警察官の捜査能力の低下を招くことにはならないものと考えている。

Uの四の(3)のHについて

 お尋ねについては、報奨制度の国民への浸透の度合い等にもよることから、現時点でお答えすることは困難である。

Vの一の(1)について

 警察庁が各都道府県警察から報告を受けた御指摘の告訴又は告発事件の受理件数は、北海道警察で二件、山形県警察で一件、福島県警察で二件、茨城県警察で一件、警視庁で六件、新潟県警察で一件、長野県警察で一件、静岡県警察で一件、富山県警察で一件、福井県警察で一件、愛知県警察で一件、大阪府警察で四件、鳥取県警察で一件、岡山県警察で一件、愛媛県警察で一件、高知県警察で一件、福岡県警察で一件、熊本県警察で一件及び沖縄県警察で一件である。
 なお、警察庁としては、このほか、御指摘の着服に係る事件として、北海道警察で七件、宮城県警察で二件、秋田県警察で二件、福島県警察で三件、埼玉県警察で二件、警視庁で一件、新潟県警察で一件、長野県警察で一件、石川県警察で二件、三重県警察で一件、京都府警察で一件、大阪府警察で一件、岡山県警察で一件、広島県警察で一件、徳島県警察で一件、香川県警察で一件、高知県警察で二件、長崎県警察で一件、熊本県警察で二件、大分県警察で一件、宮崎県警察で一件及び鹿児島県警察で一件を検察庁に送付又は送致したとの報告を受けている。

Vの一の(2)について

 Vの一の(1)についてでお答えした事件のうち、その処分結果を把握できるものは、起訴されたものが三十件、不起訴とされたものが十九件である。
 なお、都道府県警察が捜査中の事件は四件であると承知している。

Vの二の(1)について

 札幌西社会保険事務所長は、札幌西社会保険事務所の国民年金保険料収納指導員が平成十四年四月から同年七月にかけて被保険者三十四名から受領した保険料合計約二百七十万円を業務上横領したとして、同年八月に同人を懲戒免職とし、同年九月に札幌方面中央警察署長に告訴した。北海道警察では、所要の捜査を行い、平成十九年九月十二日に札幌地方検察庁へ当該事件を送付したものと承知している。
 なお、当該事件に係る損害については、国において被告訴人から全額の弁済を受けた。

Vの二の(2)について

 北海道警察によると、関係者からの聴取等事案の解明に必要な証拠の収集のため、所要の期間を要したとのことである。

Vの二の(3)について

 北海道警察によると、告訴又は告発があった事件については、当該事件の犯罪事実以外の犯罪がないかどうかなどに注意しつつ、速やかに捜査を行うよう努めることとしているとのことである。

Vの二の(4)について

 北海道警察によると、告訴又は告発については、平成十四年には六百三十一件を受理して五百七十四件を処理し、平成十五年には六百八十一件を受理して六百七十四件を処理し、平成十六年には五百六十七件を受理して五百八十四件を処理し、平成十七年には六百二十四件を受理して六百三十二件を処理し、平成十八年には八百七十件を受理して八百五十二件を処理したとのことである。

Vの二の(5)について

 北海道警察によると、受理した告訴又は告発で送付等に至っていない事件は、平成十九年九月末現在で百四十七件あり、そのうち受理した時点から経過した期間が五年以上であるものは十三件、三年以上五年未満であるものは十七件、一年以上三年未満であるものは三十一件及び一年未満であるものは八十六件とのことである。

Vの二の(6)について

 北海道公安委員会によると、同公安委員会に対して申出のあった告訴又は告発に関する苦情の件数は、平成十四年は六件、平成十五年は三件、平成十六年は四件、平成十七年は一件及び平成十八年は三件であるとのことである。



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