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答弁本文情報

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平成十九年十一月十六日受領
答弁第二〇一号

  内閣衆質一六八第二〇一号
  平成十九年十一月十六日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 町村信孝

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員山井和則君提出トランス脂肪酸に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山井和則君提出トランス脂肪酸に関する質問に対する答弁書



一について

 平成十九年六月に食品安全委員会(以下「委員会」という。)は、トランス脂肪酸に関するファクトシート(以下「ファクトシート」という。)を公表したところであるが、それによると、我が国における平均的なトランス脂肪酸の摂取量は、諸外国に比べても少なく、また、食事、栄養及び慢性疾患予防に関する世界保健機関及び国連食糧農業機関の合同専門家会合が平成十五年に公表した報告書(以下「専門家会合報告書」という。)において目標値とされている「最大でも一日当たりの総エネルギー摂取量の一%未満」という値も満たしているとしている。このため、現在のところトランス脂肪酸について、加工食品における含有量表示の義務化及び飲食店における使用規制が必要であるとは考えていない。

二について

 平成十六年十二月に委員会が公表したファクトシートにおいては、「諸外国と比較して日本人のトランス脂肪酸の摂取量が少ない食生活からみて、トランス脂肪酸の摂取による健康への影響は小さい」としていたが、委員会においては、平成十八年度に実施した「食品に含まれるトランス脂肪酸の評価基礎資料調査」における我が国のトランス脂肪酸の平均摂取量の推計結果等を踏まえ、平成十九年六月に当該ファクトシートを更新したところであり、それによると、我が国のトランス脂肪酸の平均摂取量は、専門家会合報告書に記載された目標値を下回る結果となったものの、この推計結果は、国民健康・栄養調査の平均値を使用しているため、個人のばらつきを把握することは困難であり、脂肪の多い菓子類や食品の食べ過ぎなど偏った食事をしている場合では、平均値を大きく上回る摂取量となる可能性があるとしているところである。

三について

 お尋ねのトランス脂肪酸とコレステロールとの関係については、平成十九年六月に委員会が公表したファクトシートにおいて、専門家会合報告書等によると、トランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増加させるだけでなく、善玉コレステロールを減少させ、また、多量に摂取を続けた場合には、動脈硬化などによる虚血性心疾患のリスクを高めるとしているところである。

四について

 平成十九年六月に委員会が公表したファクトシートにおいては、トランス脂肪酸を多量に摂取し続けた場合には、虚血性心疾患のリスクを高めるとしているほか、欧州食品安全機関栄養製品・栄養・アレルギーに関する科学パネルが平成十六年に公表した意見書(以下「意見書」という。)における「トランス脂肪酸摂取と、がん、U型糖尿病又はアレルギーの関係について、疫学的な根拠は、不十分であるか、一貫性がない。」との記載について紹介している。専門家会合報告書や意見書等において、御指摘の社会問題化している疾患等とトランス脂肪酸との関連性があるとは指摘されていないことから、現在のところ御指摘のような調査を行うことは考えていない。

五について

 トランス脂肪酸については、二についてで述べたとおり、偏った食事をしている場合では、平均値を大きく上回る摂取量となる可能性があることから、消費者の健康保護の観点に基づき、国内外の関係機関等による新たな知見を蓄積し、必要な取組を検討してまいりたい。



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