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答弁本文情報

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平成十九年十一月二十二日受領
答弁第二一六号

  内閣衆質一六八第二一六号
  平成十九年十一月二十二日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員川内博史君提出文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会中間整理に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員川内博史君提出文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会中間整理に関する質問に対する答弁書



一の1について

 御指摘の表現は、文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会(以下「小委員会」という。)において、違法録音録画物、違法サイトからの私的録音録画について、著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第三十条第一項の規定による私的使用目的の複製に関する複製権の制限の対象から除外することが適当であるとする意見を述べた委員が多く、最終的にはこれに反対する意見を述べた委員が一名であったことを述べたものである。

一の2について

 文化庁としては、小委員会がとりまとめた中間整理(以下「中間整理」という。)は、私的録音録画問題を解決するための方策について一定の結論を記述したものではなく、これまでの小委員会における議論を整理したうえで、今後も継続して検討が必要な事項について記述したものであることから、文化審議会著作権分科会運営規則(平成十八年三月一日文化審議会著作権分科会決定)第三条第七項の規定による議決は必要ないものと小委員会の主査において判断したものと承知している。

一の3について

 中間整理では、仮に著作権法第三十条第一項の規定の適用除外の範囲を拡大する場合においても、利用者保護の観点から、拡大する適用除外の対象を違法サイトと承知の上での録音録画や明らかな違法録音録画物からの録音録画に限定すること、これらの録音録画に対して罰則を適用しないこと等について法律上の手当が必要であるとするなど、御指摘の反対意見についても検討されているところである。

一の4について

 仮に著作権法第三十条第一項の規定の適用除外の範囲を拡大した場合において、御指摘の振り込め詐欺、ワンクリック詐欺、恐喝行為等の被害が拡大するかどうかについて判断できる客観的な資料はなく、お尋ねにお答えすることは困難であるが、文化庁としては、御指摘のような被害が生じないよう、仮に同項の規定の適用除外の範囲を拡大する場合には、当該制度改正の内容について広く国民への周知を図ることが重要であると考えている。

一の5について

 仮に著作権法第三十条第一項の規定の適用除外の範囲を拡大した場合において、御指摘のような事案が我が国でも発生するかどうかについては、我が国とアメリカ合衆国で損害賠償制度の在り方が異なっていること等から、一概にお答えすることは困難であるが、文化庁としては、仮に同項の規定の適用除外の範囲を拡大する場合でも、著作隣接権者等が不当な利益を得ることがないような仕組みを構築することが重要であると考えている。

一の6及び7について

 中間整理では、仮に著作権法第三十条第一項の規定の適用除外の範囲を拡大した場合においても、利用者保護の観点から、拡大する適用除外の対象を違法サイトと承知の上での録音録画や明らかな違法録音録画物からの録音録画に限定すること等について法律上の手当が必要であるとしており、その上で、「適法サイトに関する情報の提供について運用上の工夫が必要であること」についても記載しているところである。
 文化庁としては、これらの中間整理での指摘を踏まえ、同項の規定の適用除外の範囲拡大について検討するに当たっては、インターネット利用者に過度の負担を負わせることがないよう留意してまいりたいと考えている。

一の8について

 御指摘の事務局の発言は、「ユーチューブ」という特定のサイトにおいて採用されている動画等の視聴のための技術的方式を承知していないことを述べたものであり、御指摘のように「事務局がインターネットの構造に関して不十分な知識を前提に小委員会で議論を進めて来た」ものではない。
 なお、平成十八年一月の文化審議会著作権分科会報告書には、データの伝送過程で行われる「キャッシュ」等については、仮に著作権が及ぶとしても権利を及ぼさない方向で制度改正を検討すべきとの指摘があり、文化庁としては、著作権法第三十条第一項の規定の適用除外の範囲拡大について検討するに当たっては、このような指摘を踏まえる必要があるものと考えている。

二の1及び2について

 御指摘の「平成二十年度知的財産関連予算の概算要求等の概要」(平成十九年十月十二日知的財産戦略推進事務局)においては、現在、文化審議会著作権分科会で、私的録音録画補償金制度の見直しに関する検討のほか、障害者のための複製に係る権利制限規定の範囲の拡大その他著作権法に関する諸課題について審議されていることを踏まえ、「検討中の法案」として「著作権法の一部改正(私的録音録画補償金制度見直し等)」と記載したものであり、現段階で、著作権法の改正の要否や改正内容が定まっているものではない。



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