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答弁本文情報

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平成二十年一月十五日受領
答弁第三八三号

  内閣衆質一六八第三八三号
  平成二十年一月十五日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員山井和則君提出薬害肝炎被害者対策等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山井和則君提出薬害肝炎被害者対策等に関する質問に対する答弁書



一から四までについて

 厚生労働省としては、御指摘の検討会を設置する際には御指摘の調査を行っていないが、その後、当該検討会の構成員に対して過去三年間の講演料等の受領の有無について調査を行い、二名の者から、三菱ウェルファーマ株式会社から講演料等として総額約二十万円を受領したとの回答を得ているところである。当該調査は、前回答弁書(平成二十年一月十一日内閣衆質一六八第三六八号)でお答えしたとおり、薬事・食品衛生審議会薬事分科会申し合わせ(平成十九年四月二十三日)を参考に行ったものであり、この二名の者の行為は、当該申し合わせ上の利益相反行為に当たるものではない。

五について

 政府としては、御指摘のB型肝炎訴訟に係る最高裁判所の確定判決(以下「B型肝炎判決」という。)の内容を重く受け止めるとともに、既に同判決に基づいて損害賠償も行っているところであるが、今後、ウイルス性肝炎についての総合的な対策を推進していく中で、必要に応じて、厚生労働大臣と御指摘のB型肝炎訴訟の原告団との面会についても検討してまいりたい。

六について

 B型肝炎判決においては、原告五人に対し、接種の際に実施されるべき注射器(注射針及び注射筒)の一人ごとの交換又は徹底した消毒が適切になされなかったためB型肝炎に感染した事例について、国の賠償責任が認められたところであり、政府としては当該判決の内容を重く受け止めているところである。

七、八、十一、十二及び十四から十八までについて

 肝炎ウイルスは血液を介して感染するものであり、血漿分画製剤の投与、予防接種、輸血、出産、性交渉や麻薬の注射の回し打ち、入れ墨など多様な感染原因があるものと承知している。また、ウイルス性肝炎の感染者は、肝炎ウイルスに感染した後、これを自覚するまでの期間が長いことが多く、長期間が経過した後の感染原因の同定は困難であることから、お尋ねの個別の感染原因に係る感染者の推定人数や、感染の可能性の程度についてお答えすることは困難である。

九及び十について

 御指摘の「予防接種は、国が認めた医療行為である」の意味が必ずしも明らかではないが、予防接種は医療行為であり、これによってB型又はC型肝炎に感染したケースは医療行為による感染である。
 B型肝炎については、B型肝炎判決において、原告五人に対し、接種の際に実施されるべき注射器(注射針及び注射筒)の一人ごとの交換又は徹底した消毒が適切になされなかったためB型肝炎に感染した事例について、国の賠償責任が認められたところであり、政府としては当該判決の内容を重く受け止めているところである。
 一方、C型肝炎については、予防接種と感染との間の因果関係が明らかである事例については、承知していない。

十三について

 厚生労働省としては、B型肝炎ウイルスの感染者は百十万人から百四十万人、C型肝炎ウイルスの感染者は二百万人から二百四十万人と推計している。

十九について

 インターフェロン治療を受けるかどうかは患者の意思等によるため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、年間十万人が御指摘の医療費助成を受けるものと推定している。

二十について

 厚生労働省としては、本年一月十七日に、新聞の折り込み広告により、同省ホームページに掲載している約七千の医療機関の名称について改めて広報することとする予定である。

二十一、二十二、二十六及び二十七について

 厚生労働省としては、平成十六年にフィブリノゲン製剤の納入先とされている医療機関を対象として、同製剤を投与した診療録等の保管状況等の調査を行い、同年十二月九日時点でフィブリノゲン製剤の投与等に関する診療録等が保管されているとの回答が四百七十七の医療機関からあったところであるが、改めて、昨年十一月七日に、同省ホームページに掲載している約七千の医療機関(あて先不明であるものを除く。)に対し、診療録、手術記録、分娩記録、製剤使用簿等の保管状況等を調査し、その結果について文書で回答するよう依頼したところである。

二十三について

 平成十六年十二月九日にフィブリノゲン製剤の納入先とされている医療機関の名称等の公表を行うに際しては、当該医療機関のうち当時存続していたものに対し、同製剤を投与された可能性のある方々からの問い合わせに対応できるよう、同製剤が投与された当時の診療録が保管されている場合には、当分の間、その保管をお願いする旨の協力を文書で依頼したところである。

二十四及び二十五について

 厚生労働省としては、お尋ねの医療機関における診療録の廃棄実態については把握していない。

二十八及び二十九について

 平成十八年人口動態統計によれば、肝及び肝内胆管の悪性新生物(肝臓がん)を死因とする死亡者数は、三万三千六百六十二人である。
 また、肝硬変(アルコール性のものを除く。)を死因とする死亡者数は、九千六十四人である。

三十について

 現在政府において検討中の肝炎患者に対する医療費助成においては、インターフェロン治療については、これにより肝炎ウイルスそのものを除去することが可能であること、患者の医療費の負担が大きいこと等から、B型及びC型肝炎のインターフェロン治療に対する助成を行うこととしているが、御指摘のB型肝炎に対する抗ウイルス剤については、このような助成の理由が存在しないことから、助成の対象としないこととしている。

三十一について

 お尋ねのうち、B型肝炎の抗ウイルス剤の使用者数及び保険給付の総額については把握していない。
 B型肝炎の抗ウイルス剤の投与に係る医療費の自己負担額は、薬剤費のみで試算すると、ラミブジンなど代表的な抗ウイルス剤を一か月間投与した場合、自己負担割合が三割の者については、約一万円から二万円程度になるものと推計される。

三十二及び三十三について

 御指摘のB型肝炎に対する抗ウイルス剤は、肝炎ウイルスの増殖を抑え、慢性肝炎の進行を抑制する効果があるが、肝硬変、肝がんに対する予防効果については知見の集積が不十分であり、お尋ねについてお答えすることは困難である。

三十四について

 御指摘の追加提訴が行われるかどうかは、その時々の状況によるものであり、お尋ねについてお答えすることは困難である。

三十五及び四十について

 お尋ねについては、第百六十八回国会で成立した特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第\因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法(以下「C型肝炎感染被害者救済法」という。)の前文において、「政府は、感染被害者の方々に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止し得なかったことについての責任を認め」るべきであり、また、「医薬品を供給する企業には、製品の安全性の確保等について最善の努力を尽くす責任があり、本件においては、そのような企業の責任が問われるものである」旨が規定されているところである。政府としては、C型肝炎感染被害者救済法の成立を受け、感染被害者の方々に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止できなかったことについて、率直に国の責任を認めなければならないものと考えている。

三十六について

 御指摘の一万人という数値については、ウェルファイド株式会社及び同社の承継法人である三菱ウェルファーマ株式会社においてフィブリノゲン製剤の納入先とされている医療機関及び医師に対してアンケート調査を実施し、その結果を基にフィブリノゲン製剤の投与による肝炎発生数を推計したものであるが、厚生労働省としては、この推計は、必ずしも短期間で肝炎を発症したケースのみを基に推計したものではないと承知しており、同調査が行われた平成十三年及び十四年当時の推計方法によるものとしては妥当であったと考えている。

三十七について

 御指摘のようなケースにおいてC型肝炎ウイルスに感染した方がC型肝炎感染被害者救済法第二条第三項に規定する特定C型肝炎ウイルス感染者に該当するか否かについては、C型肝炎感染被害者救済法の規定に基づき、裁判所において個々に判断されるものであると考えている。

三十八及び三十九について

 大阪高等裁判所に係属中の訴訟における第一審の原告及び弁護士(以下「原告等」という。)側が、同裁判所が平成十九年十二月十三日に提示した和解骨子案を拒否し、さらに同骨子案に矛盾しない形で政府が同月二十日に提示した追加の提案も拒否する旨を表明したことを受け、福田内閣総理大臣が、自由民主党総裁として、獲得性の傷病を有する者に対し、当該傷病についてフィブリノゲン製剤又は血液凝固第\因子製剤(以下「フィブリノゲン製剤等」という。)が投与され、C型肝炎ウイルスに感染したすべての方々について、原告等側が強く求める全員一律救済を実現するためには、司法上も行政上も限界があると判断し、議員立法による速やかな対応を指示したものと承知している。

四十一について

 フィブリノゲン製剤等を投与され、C型肝炎ウイルスに感染したすべての方々について、甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止できなかったことについて、率直に国の責任を認めなければならないものと考えている。



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