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平成二十年五月十六日受領
答弁第三六四号

  内閣衆質一六九第三六四号
  平成二十年五月十六日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員山井和則君提出後期高齢者医療制度における世帯のとらえ方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山井和則君提出後期高齢者医療制度における世帯のとらえ方に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘のとおりである。

二について

 国民健康保険の保険料(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定による国民健康保険税を含む。以下同じ。)における所得の少ない被保険者に係る被保険者均等割額及び世帯別平等割額の減額の判定に当たっては、被保険者に加えて、被保険者でない世帯主の所得も含めて判定されることから、御指摘の妻に係る被保険者均等割額及び世帯別平等割額の減額の判定に当たっては、そもそも妻のみを単身世帯として判定することはなく、夫の後期高齢者医療制度移行後においても、七割の軽減措置は適用されず、経過措置により夫が後期高齢者医療制度に移行後五年間は、引き続き二割の軽減措置が適用されるものである。

三及び十二について

 後期高齢者医療の保険料における所得の少ない被保険者に係る被保険者均等割額の減額の判定に当たっては、被保険者、その属する世帯の世帯主及びその属する世帯の他の世帯員である被保険者につき算定した所得額の合計額の当該世帯における合算額を基に行うこととしているが、この取扱いについては、基本的に国民健康保険の保険料における所得の少ない被保険者に係る被保険者均等割額及び世帯別平等割額の減額の判定に当たっての取扱いと同様のものであり、整合性がないという御指摘は当たらないと考えている。

四について

 御指摘のとおりである。

五について

 国民健康保険の保険料における所得の少ない被保険者に係る被保険者均等割額及び世帯別平等割額の減額の判定にあたっては、被保険者に加えて、被保険者でない世帯主の所得も含めて判定されることから、御指摘の妻に係る被保険者均等割額及び世帯別平等割額の減額の判定に当たっては、そもそも妻のみを単身世帯として判定することはなく、夫の後期高齢者医療制度移行後においても、軽減措置が適用されないことに変わりはない。

六について

 後期高齢者医療の被保険者に係る一部負担金の負担割合の判定については、療養の給付を受ける者又はその属する世帯の他の世帯員である被保険者について算定した所得額の合計額及び当該療養の給付を受ける者及びその属する世帯の他の世帯員である被保険者について算定した収入額の合計額の当該世帯における合算額に基づき行われるが、この取扱いについては、基本的に、七十歳以上の被保険者について算定した所得の額及び収入の額に基づき判定を行う国民健康保険と同様のものである。また、後期高齢者医療の保険料における所得の少ない被保険者に係る被保険者均等割額と国民健康保険の保険料における所得の少ない被保険者に係る被保険者均等割額及び世帯別平等割額の減額の判定に係る取扱いについては、三及び十二についてで述べたとおりである。これらの点から、整合性がないという御指摘は当たらないものと考えている。

七について

 後期高齢者医療制度は、七十五歳以上の高齢者等に対し、これまでの医療に加えて、一人一人の生活面を含めて丁寧に診ていく医療を提供するとともに、長年、社会に貢献してこられたこうした方々の医療費を国民全体でしっかり支えていくものであり、急速な人口の少子高齢化を迎えつつある我が国において必要な制度であると考えている。御指摘の一部負担金の負担割合の変化については、このような後期高齢者医療制度を創設した結果生じたものであり、御指摘のような場合において一部負担金の負担割合の変化があったとしても、直ちに制度としての欠陥であるとは考えていない。

八について

 お尋ねの事例数については、把握していない。

九について

 御指摘の答弁については、全数調査を行うことを前提にお答えしたものであるが、全数調査を行うこととすると各都道府県の後期高齢者医療広域連合及び各市町村にとって膨大な負担となることから、全数調査は行わず、被保険者の保険料負担に係る各市町村の傾向を把握することとしたものである。

十について

 お尋ねについては、今回実施する実態調査において、各市町村における後期高齢者医療制度に移行する者と同居する場合の保険料額の変化についても把握することとしている。

十一について

 国民健康保険においては、所得のない被保険者を含めた全ての被保険者を保険料の算定対象としていることを踏まえ、七十五歳以上の高齢者等を対象とした後期高齢者医療においても、国民健康保険における取扱いとの均衡を考慮し、被用者保険の被扶養者であった方にも保険料を負担していただくことが必要であると判断したものである。

十三について

 国民健康保険においては、世帯主は、主として世帯の生計を維持する者であって、国民健康保険の保険料の納付義務者として社会通念上妥当と認められる者と解されており、ご指摘の通知は、例えば夫婦で共働きをしており、被保険者でない夫が世帯主となっている世帯において、妻に所得があり、実質的に妻が保険料を納付しているにもかかわらず、夫を世帯主として保険料の納付請求が行われること等が世帯の実態を反映していないとの指摘を踏まえ、世帯主を変更した後も保険料の納付が見込めること等を条件に、住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)に規定する世帯主の変更を届け出ることなく、実態に即して世帯主を変更する手続を示したものであり、希望があれば一律に世帯主の変更を認めるものではない。御指摘のとおり、後期高齢者医療においては、お尋ねの手続を明文で示したものはないが、後期高齢者医療においても、国民健康保険と同様、実態に即して世帯主を変更することは有り得るものと考えている。

十四について

 七についてで述べたとおり、後期高齢者医療制度は、我が国において必要な制度であると考えている。御指摘の不整合についての考え方はこれまで述べてきたとおりであるが、政府としては、制度の趣旨や内容について、国民にさらに理解を深めていただけるよう、引き続き、周知のための広報にさらに努めてまいりたい。



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