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答弁本文情報

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平成二十年十月三日受領
答弁第一二号

  内閣衆質一七〇第一二号
  平成二十年十月三日
内閣総理大臣 麻生太郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員滝実君提出赤字国債発行に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員滝実君提出赤字国債発行に関する質問に対する答弁書



一について

 先般、政府・与党会議で決定した「安心実現のための緊急総合対策」(平成二十年八月二十九日「安心実現のための緊急総合対策」に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議決定。以下「総合対策」という。)においては、財政健全化路線の下、真に必要な対策に財源を集中するなど旧来型の経済対策とは一線を画することとし、できる限り新規国債発行額を抑制し、財政規律を堅持するとの基本的な考え方が示されている。
 平成二十年度補正予算については、こうしたこと等も踏まえ、既存の歳出を見直す中で最大限の財源捻出の努力を行うことなどにより、赤字国債を発行しないとしたところであり、財政規律を維持したものとなっている。

二について

 御指摘の「日本経済の進路と戦略−開かれた国、全員参加の成長、環境との共生−」(平成二十年一月十八日閣議決定)の参考試算の作成に当たって用いた「経済財政モデル(第二次再改定版)」(平成二十年三月内閣府公表)における乗数表を用いて、一定の仮定の下で計算すると、公共投資につき国内総生産の一パーセント相当を継続的に増額するような政策について、公債等残高の対国内総生産比率(以下、「比率」という。)は、当初の一年目及び二年目は低下するが、三年目以降上昇する結果となっている。三年目以降上昇するのは、公共投資の継続的な増額により、比率の分子である公債等残高は拡大し続ける一方、分母である国内総生産の拡大は一定程度に抑えられるためであると考えられる。
 これを踏まえると、当該参考試算において、試算期間中、歳出削減ケースBの比率が歳出削減幅のより大きい歳出削減ケースAの比率を下回るのは、右で述べた性質が現れるほど試算期間が十分に長くないためであると考えられる。
 なお、歳出削減ケースBでは、歳出削減ケースAに比べ、国・地方の基礎的財政収支の対国内総生産比率の赤字については大きくなっている。

三から五までについて

 我が国の財政状況は、これまでの赤字国債の発行等によって、国・地方を合わせた長期債務残高が先進国中最悪の水準にあるなど極めて厳しい状況にある。「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇六」(平成十八年七月七日閣議決定)に示されているとおり、これを放置すれば、将来世代への負担の先送りという世代間格差の問題を深刻化させ、また、財政の持続可能性に対する疑念の高まりが経済成長自体を阻害するおそれもある。
 政府としては、財政再建は当然の課題であるが、経済成長なくして財政再建はないと考えている。我が国経済の持続的で安定した繁栄を目的とし、財政再建に取り組んでまいりたい。
 今回の総合対策を実施するに当たっては、こうしたこと等も踏まえ、その財源については、平成二十年度補正予算では赤字国債を発行しないことを前提に、既定経費の削減等により確保することとしている。



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