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答弁本文情報

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平成二十年十月三日受領
答弁第二〇号

  内閣衆質一七〇第二〇号
  平成二十年十月三日
内閣総理大臣 麻生太郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員保坂展人君提出国連広報センターにおける不正経理問題等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出国連広報センターにおける不正経理問題等に関する質問に対する答弁書



一の1について

 現下の国際社会が直面するテロの脅威、大量破壊兵器の拡散、気候変動及び感染症等の新たな脅威を含む諸問題は、国際社会の連携した対応が必要であり、国連の重要性は高まっている。他方、現行の国連システムはこうした今日の課題の解決のために効率的ではないとの指摘がなされており、その組織及び機能を二十一世紀の現実に即したものに改革し、強化することが喫緊の課題となっている。
 我が国は、国連改革に関する国連の加盟国間の議論に積極的に参加し、主導的な役割を果たしてきており、今後とも安全保障理事会改革を含む国連改革全般の一層の進展を図るべく、積極的な外交活動を展開していく考えである。

一の2及び4について

 政府としては、国連がより効果的、効率的に機能していくためには、国連行財政改革を進めていくことが重要であると考えている。そのため政府は、国連の行財政問題を所管する国連総会第五委員会における審議に積極的に参加している。

一の3について

 「国連の機関」に対する支出が具体的に何を指すかは定かではないが、国連本体の経費に関し、我が国が支払うべき分担金(通常分担金、PKO分担金など)について言えば、平成十年は約三億七千万ドル、平成十一年は約四億ドル、平成十二年は約六億九千万ドル、平成十三年は約八億三千万ドル、平成十四年は約七億ドル、平成十五年は約七億四千万ドル、平成十六年は約十三億三千万ドル、平成十七年は約十三億二千万ドル、平成十八年は約十億七千万ドル、平成十九年は約十八億三千万ドルとなっている。平成二十年については未確定である。これらはすべて義務的なものである。国連全体の予算総額及び加盟国の分担率は、国連総会で審議し決定されており、我が国の分担率は、現在約十六・六パーセントである。

二の1について

 国際人事委員会のウェブサイトで公表されている一般職国連職員の俸給表において、東京で勤務する運転手の俸給額の上限と下限が表記されていることを承知しているが、ワシントンD.C.で勤務する運転手については、どの俸給表が適用されるかについて、ウェブサイト上必ずしも明らかでないことから、その給与額は特定できないと考えている。

二の2及び8について

 先の答弁書(平成二十年六月二十四日内閣衆質一六九第五八六号)四の1及び2について等で累次にわたってお答えしているとおり、政府としては、国連職員の給与は、国連の職員規程及び職員規則に定められた手続に従って、毎年、国際人事委員会から国連総会への勧告が行われ、国連全加盟国が出席する国連総会の承認を経て決定されると承知している。また政府としては、個々の職員の給与の額について、具体的に承知しておらず、お答えすることは困難である。

二の3について

 御指摘の東京国連広報センター(以下「UNIC東京」という。)の職員(所長を除く。)は、一般職職員と分類されており、その給与については、国際人事委員会が定めた方法により、各地域の同業種の給与水準を同地域に展開する国連機関が調査し、当該調査結果を国際人事委員会に報告して承認を得て決定されると承知しているが、御指摘の俸給表を作成する更に具体的な手続と算定根拠については、承知していない。

二の4について

 UNIC東京の職員を含む日本に勤務する国連職員の給与は、所属する国連機関から支払われていると承知しているが、具体的な支払手続については承知していない。

二の5について

 国連事務局は、国連事務局が職員採用のガイドラインとして各国の拠出金の分担率等を基礎として算定した国別の人数を「望ましい職員数」として発表しているが、最新の発表(二千七年六月三十日現在)においては、日本人の職員数は百八名であり「望ましい日本人職員数(二百四十一名から三百二十六名)」よりも少ない状況である。

二の6について

 従来より、政府は、国際機関での勤務を将来に希望する三十五歳以下の若手邦人を対象として、我が国の費用負担により国際機関へ派遣し、国際機関への就職に必要な経験を積んでもらう、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)等の派遣制度を実施している。
 これに加えて、国際機関への就職に係る各種情報(給与、年金等の勤務条件を含む。)の広報・提供、在外公館を通じた国際機関への働きかけなど、日本人職員の増強を目的とした積極的な支援を行っている。

二の7について

 国連職員の年金については、国連の職員規程、職員規則及び国連合同職員年金基金規程によって受給資格や年金支給額等が定められていると承知している。

三の1について

 国連大学と文部科学省との間の取決によって国連大学本部施設の一部を駐日国連機関事務所に使用させることができることとされており、政府としては、UNIC東京が国連大学本部施設を使用していることは、問題がないと考えている。

三の2について

 「六月十三日付回答」をより分かりやすく説明したものが「六月二十四日付回答」であり、御指摘のように回答が修正されたとは考えていない。

三の3について

 御指摘の施設費は、国連大学全体の維持・管理費におけるUNIC東京に係る部分であり、政府としては御指摘の「二重払い」との認識は有していない。

三の4について

 御指摘のような条件でUNIC東京の継続を求めたという事実はないため、御指摘のようなやり取りは存在しない。

四の1について

 政府は、開発協力信託基金を通じて国連広報局に対して支援を行ってきており、平成十二年度から十九年度までにUNIC東京関連の活動に充てられた額については、先の答弁書(平成二十年五月三十日内閣衆質一六九第四一〇号)一の1についてでお答えした各年度の総額にも含まれているが、それ以外の個別の案件については、該当する可能性のある関連文書の多くが保存期限を経過し保存されていないため、お答えすることは困難である。

四の2について

 国連側からは平成十二年頃から前払が行われていたと報告を受けており、高島肇久氏のUNIC東京所長就任は平成十二年八月であることから、政府として、だれが所長の時に前払が始まったのかについて判断することは困難であると考えている。

四の3について

 「個人が不正に金を着服した等の疑惑はない」との国連事務局の説明に対し、政府としては当該説明が正しくないと判断し得る客観的な事実があるとは承知していない。

四の4から6までについて

 平成十一年度以前の予算の繰越しの有無及び内部監査報告書の公表の可否については、本年三月に内部監査報告書を入手して以降国連日本政府代表部を通じて国連広報局等に照会してきているが、まだ国連からの正式な回答は得られていない。また内部監査報告書の公表につき国連が判断していない状況において、内部監査関連の事項についてお答えすることは差し控えたい。

五の1について

 国連に照会した結果、国連事務局からUNIC東京は五百万円の定期預金を有しているが、どのような経緯で、右定期預金が形成されたのかは不明であるとの回答を得た。

五の2について

 日本政府が国連所蔵の美術品巡回展の開催を国連に働きかけたことはない。

六の1について

 該当する可能性のある関連文書の多くは、その保存期限を経過し保存されていないため、お答えすることは困難である。

六の2について

 お尋ねの事情は不明であり、お答えすることは困難である。

六の3について

 日本政府の支払は、UNIC東京の銀行口座に振り込んだ時点で完了したものと理解している。

六の4について

 平成十四年度より前の支払については、関連文書の多くが保存期限を経過し保存されていないため、詳細についてお答えすることは困難である。

六の5について

 我が国の国連分担金等については、国連から支払要請のあった米貨額を当該年度の予算要求時に一律に定められた為替レートにより換算した邦貨額を予算計上している。このため、実際に支払う際の為替レートと予算上の為替レート間の差から差損が生じる可能性がある。このような中で、より安定的・効率的な予算の執行を確保するため、平成十四年度以降は、米国にある国連本部の銀行口座に送金している。



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