答弁本文情報
平成二十年十月二十四日受領答弁第一三〇号
内閣衆質一七〇第一三〇号
平成二十年十月二十四日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員保坂展人君提出事故米および飼料の安全性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員保坂展人君提出事故米および飼料の安全性に関する質問に対する答弁書
一について
平成十五年度以降に政府が売却したミニマム・アクセス米のうち、アフラトキシンB1が検出された事故米穀については、平成十三年度に輸入され、平成十八年度に売却されたものが六トン、平成十四年度に輸入され、平成十六年度に売却されたものが三トンとなっている。
平成十五年度以降に政府が売却したミニマム・アクセス米のうち、いわゆるポジティブリスト制度への移行により、輸入後において、メタミドホスに係る残留農薬の基準値を超過することとなった事故米穀については、平成十五年度に輸入され、平成十八年度及び平成十九年度に売却されたものが三千四百六十九トンとなっている。
アフラトキシンB1が検出された事故米穀の売却先である三笠フーズ株式会社(以下「三笠フーズ」という。)が、当該事故米穀について精米を行ったことがあると承知している。
メタミドホスに係る残留農薬の基準値を超過することとなった事故米穀の売却先である三笠フーズが、当該事故米穀について精米を行ったことがあると承知している。
三について及び四についてで述べた事故米穀の精米に伴い発生するぬかについては、三笠フーズが肥料を製造する会社に譲渡したことを示す書類を確認している。
御指摘の焼酎の製造に伴い発生する残さについては、当該残さの存在を確認できないことから、農林水産省は、アフラトキシンB1の含有の検査を行っていない。
御指摘の焼酎の製造に伴い発生する残さについては、当該焼酎の製造会社からは、家畜の飼料に使っていないと聞いている。
アフラトキシンB1が検出された事故米穀が、三笠フーズから御指摘の酒造会社に販売されたものと判断してその旨発表したが、その後、販売された米穀が当該事故米穀と異なるものであることが確認されたことから、その発表の内容を訂正したものである。
飼料添加物については、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和二十八年法律第三十五号。以下「法」という。)第二条第三項において、「飼料の品質の低下の防止その他の農林水産省令で定める用途に供することを目的として飼料に添加、混和、浸潤その他の方法によつて用いられる物で、農林水産大臣が農業資材審議会の意見を聴いて指定するもの」と定義されている。この飼料添加物の用途は、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律施行規則(昭和五十一年農林省令第三十六号)第一条において、飼料の品質の低下の防止、飼料の栄養成分その他の有効成分の補給及び飼料が含有している栄養成分の有効な利用の促進と規定されており、企業等からの要請を受けて、当該飼料添加物の指定に向けた手続を開始するに当たっては、これらの用途に適合しているか否かを判断基準としている。
飼料添加物の指定に係る農業資材審議会における審議に使用される安全性に関するデータについては、未指定の飼料添加物の製造、輸入等を新たに行おうとする者が収集したものを基に、農林水産省において、定められた手続により精査の上、農業資材審議会に提出している。
また、必要に応じ、独立行政法人農林水産消費安全技術センター(以下「センター」という。)において、データ作成を行う試験機関に対する査察を実施して、データの信頼性を確保している。
愛がん動物用飼料については、これを原因とする事故が発生した場合に迅速に対応するため、愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(平成二十年法律第八十三号)第九条の規定に基づく製造業者等の届出及び同法第十条の規定に基づく帳簿の備付けを義務付けている。当該措置に加えて、同法第五条の規定に基づく愛がん動物用飼料の基準及び規格の設定、同法第六条の規定に基づく当該基準又は規格に合わない愛がん動物用飼料の製造等の禁止、同法第七条の規定に基づく有害な物質を含む愛がん動物用飼料の製造等の禁止並びに同法第八条の規定に基づく廃棄等の命令により、愛がん動物用飼料の製造等に係る安全性の確保が図られることとなっており、同法の改正の必要はないものと考えている。
飼料については、法第三条第一項の規定に基づき基準及び規格が定められており、法第五十七条の規定に基づき、センターが飼料の製造業者等を立入検査し、採取した飼料について、飼料添加物を含め分析を行い、当該基準及び規格への適合を確認している。また、その際に、製造業者等が実施している自主分析結果等も必要に応じて活用しているところである。
飼料用動物性加工たん白については、法第三条第一項の規定に基づき、農林水産大臣が安全性に関する基準及び規格を定めることとされており、当該基準又は規格に適合しない飼料の輸入は、法第四条において禁止されている。
当該基準及び規格に適合する飼料用動物性加工たん白であっても、輸入に際しては、家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号)第三十七条の指定検疫物である場合については、輸出国政府機関の発行する検査証明書の添付が必要となり、指定検疫物以外の物である場合についても、監視伝染病の病原体により汚染し、又は汚染しているおそれのあるときは、同法第四十条第二項の検査を行うことが必要となる。
また、当該飼料の輸入を認めた後も、法第五十七条の規定に基づきセンターが飼料の製造業者等を立入検査し、採取した飼料の分析を行うことにより、当該基準及び規格への適合を確認している。
飼料については、法第三条第一項の規定に基づき基準及び規格が定められており、当該基準及び規格に適合していない飼料の製造、輸入、販売等が禁止されており、原産国表示を行う必要はない。
なお、畜産農家が使用する飼料には、多種類の原材料が使用されていることから、個々の原材料について原産国表示を行うことは、現実的ではないと考えている。
豚肉骨粉については、食品安全委員会によるリスク評価を経て、法第三条第一項の規定に基づき基準及び規格が定められ、反すう動物用以外の飼料への使用が認められており、国内で製造された豚肉骨粉は既に利用されている。
現時点では、豚肉骨粉は輸入されていないが、豚肉骨粉の輸入が認められるためには、まずは輸出国との間で家畜衛生条件が定められる必要がある。また、当該輸出国から実際に豚肉骨粉が輸入される場合には、家畜伝染病予防法第三十七条の規定に基づく輸出国政府機関による検査証明書の添付並びに当該基準及び規格への適合が必要となる。
法第三条第一項の規定に基づく基準及び規格の遵守に係る監視については、法第五十六条及び第五十七条の規定に基づき、農林水産省、センター及び都道府県が連携して、立入検査及び飼料の分析を行っており、的確に対応ができていると考えている。