答弁本文情報
平成二十一年三月二十七日受領答弁第二三〇号
内閣衆質一七一第二三〇号
平成二十一年三月二十七日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員逢坂誠二君提出我が国の幹細胞研究に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員逢坂誠二君提出我が国の幹細胞研究に関する質問に対する答弁書
一について
ES細胞(胚性幹細胞)、iPS細胞(人工多能性幹細胞)及び組織幹細胞(体性幹細胞)(以下「ES細胞等」という。)の研究に関するガイドライン等は多岐にわたることから、そのすべてを網羅的にお答えすることは困難であるが、政府においてこれらの研究のために定めた主なガイドライン等としては、ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針(平成十九年五月二十三日文部科学省告示第八十七号。以下「ES指針」という。)及びヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針(平成十八年七月三日厚生労働省告示第四百二十五号。以下「ヒト幹指針」という。)がある。
ES指針が定めるES細胞を使用する研究の開始に必要な手続等の緩和については、昨年十一月に総合科学技術会議生命倫理専門調査会から「ES指針やその運用上の諸手続について、所要の見直しの検討が行われるべきである。」との意見が出されたことを踏まえ、現在、文部科学省科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会において当該手続等の緩和に向けた検討を進めているところである。
また、厚生労働省としては、ヒト幹指針については、ES細胞及びiPS細胞の臨床研究における取扱い、臨床研究に関する倫理指針(平成二十年厚生労働省告示第四百十五号)との整合性等に関する検討を早急に開始したいと考えている。
平成二十一年度予算におけるES細胞等の研究に関する経費は、独立行政法人等に対する運営費交付金、各種の競争的研究資金等の様々な予算に含まれる形で計上しており、当該経費のみを区分して計上していないため、その総額をお答えすることは困難である。
政府としては、我が国が世界に誇る画期的な成果であるiPS細胞を始めとする幹細胞の研究を進めることは、極めて重要なことであり、今後とも必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えている。