答弁本文情報
平成二十一年五月二十六日受領答弁第四〇七号
内閣衆質一七一第四〇七号
平成二十一年五月二十六日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員赤嶺政賢君提出航空自衛隊新田原基地における「米軍再編」に伴う日米共同訓練と施設整備に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員赤嶺政賢君提出航空自衛隊新田原基地における「米軍再編」に伴う日米共同訓練と施設整備に関する質問に対する答弁書
一の1について
新田原飛行場周辺で航空機騒音自動測定装置を設置している地点のうち、測定された年間騒音発生回数が最多であったのは、宮崎県児湯郡新富町大字三納代であり、そこでの年度別の年間騒音発生回数及び一日当たりの平均騒音発生回数は、次のとおりである。
平成十六年度 三万三千二十八回 九十回
平成十七年度 二万八千五百十七回 七十九回
平成十八年度 二万三千九百十五回 六十六回
平成十九年度 二万五千八百九十三回 七十一回
平成二十年度 一万八千二百四十一回 五十回
政府としては、新田原飛行場周辺における航空機の騒音については、従来から、飛行場周辺の住民の生活に及ぼす影響をできる限り少なくするよう配慮してきたところであり、今後とも、騒音の影響をできる限り軽減できるよう努力してまいりたい。
平成十八年五月一日の日米安全保障協議委員会の際に発表された「再編の実施のための日米ロードマップ」に盛り込まれた訓練移転(以下「米軍再編に係る訓練移転」という。)のうち、新田原飛行場において行われた過去四回の訓練に係る訓練期間、演練項目、使用訓練空域、参加部隊、参加規模、先発隊の到着日時及び後発隊の出発日時については、次のとおりである。
一回目の訓練 平成十九年九月三日から同月四日まで 戦闘機戦闘訓練等 四国沖空域 米空軍第十八航空団、航空自衛隊第五航空団及び西部航空警戒管制団 米側・F−一五戦闘機二機、日本側・F−四戦闘機二機 同月三日十二時二十五分 同月五日十二時四十四分
二回目の訓練 平成二十年二月十二日から同月十五日まで 戦闘機戦闘訓練等 四国沖空域 米海兵第十二飛行大隊、航空自衛隊第五航空団及び西部航空警戒管制団 米側・FA−一八戦闘機二機、日本側・F−四戦闘機四機 同月十二日十四時三十分 同月十五日十時二十三分
三回目の訓練 同年九月二日から同月四日まで 戦闘機戦闘訓練等 九州西方空域及び四国沖空域 米空軍第十八航空団、航空自衛隊第五航空団及び西部航空警戒管制団 米側・F−一五戦闘機二機、日本側・F−四戦闘機四機 同月一日十五時二十五分 同月四日十三時二十五分
四回目の訓練 平成二十一年二月二十三日から同月二十七日まで 戦闘機戦闘訓練等 九州西方空域及び四国沖空域 米空軍第十八航空団、航空自衛隊第五航空団及び西部航空警戒管制団 米側・F−一五戦闘機五機、日本側・F−四戦闘機八機 同月二十日十六時四十分 同月二十八日十五時十分
嘉手納飛行場周辺で航空機騒音自動測定装置を設置している地点のうち、測定された年間騒音発生回数が最多であったのは、同飛行場内の滑走路端の西側であり、そこでの年度別の年間騒音発生回数及び一日当たりの平均騒音発生回数は、次のとおりである。
平成十六年度 四万二百九回 百二十八回
平成十七年度 四万千八百十回 百十六回
平成十八年度 三万九千九百四十八回 百九回
平成十九年度 三万七千七百九十四回 百四回
平成二十年度 三万五千二百八十六回 九十七回
岩国飛行場周辺で航空機騒音自動測定装置を設置している地点のうち、測定された年間騒音発生回数が最多であった地点は、年度ごとに異なり、年度別の当該地点、そこでの年間騒音発生回数及び一日当たりの平均騒音発生回数は、次のとおりである。
平成十六年度 同飛行場内の滑走路端の北側 二万六千八百十三回 七十三回
平成十七年度 同飛行場内の滑走路端の北側 二万四千百四十四回 六十六回
平成十八年度 同飛行場内の滑走路端の南側 二万七千五百三十七回 七十五回
平成十九年度 同飛行場内の滑走路端の南側 二万六千三百二十一回 七十二回
平成二十年度 同飛行場内の滑走路端の北側 二万四千二百三十七回 六十七回
新田原飛行場において行われた米軍再編に係る訓練移転の実施期間中における、嘉手納飛行場周辺及び岩国飛行場周辺でそれぞれ航空機騒音自動測定装置を設置している地点のうち、測定された一日当たりの騒音発生回数が最多であった地点、そこでの当該訓練日別の騒音発生回数は、次のとおりである。
嘉手納飛行場 同飛行場内の滑走路端の西側 平成十九年九月三日 三十五回、同月四日 百七十九回、平成二十年九月二日 百三十五回、同月三日 百四十四回、同月四日 二百十一回、平成二十一年二月二十三日 百八回、同月二十四日 百二十一回、同月二十五日 百六十八回、同月二十六日 百九十五回、同月二十七日 七十二回
岩国飛行場 同飛行場内の滑走路端の南側 平成二十年二月十二日 百六十八回、同月十三日 九十七回、同月十四日 百三十二回、同月十五日 百八回
政府としては、合衆国軍隊は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)の目的達成のため、嘉手納飛行場において、御指摘の外来機を含め各種航空機部隊の運用を行っていると承知しているが、その詳細については把握していない。
米軍再編に係る訓練移転の実施により、嘉手納飛行場周辺の住民に対する騒音の影響がどの程度軽減されたかについては、現時点で確たることを申し上げることは困難であるが、従来、嘉手納飛行場において実施されていた訓練の一部が他の自衛隊施設に移転されたことから、少なくとも当該訓練に伴う住民に対する騒音の影響は軽減されたものと考えている。
いずれにせよ、政府としては、嘉手納飛行場周辺の住民に対する騒音の影響を更に軽減するため、今後とも、米軍再編に係る訓練移転を着実に実施していく考えである。
新田原飛行場における米軍再編に係る訓練移転のための施設整備の内容等及び経費は、次のとおりである。
滑走路等の測量、土質等調査及び設計 約三億円
滑走路の改修工事期間中一時的に航空機が離着陸できる仮設滑走路の整備 約二十三億円
仮設滑走路の整備に伴う排水対策としての調整池の整備 約十一億円
大型輸送機が離着陸できるようにするための滑走路等の嵩上げ工事 約四十五億円
訓練時に最大で二百人の米軍人の滞在を可能にするための食堂を含む隊舎の整備 約六億円
これらの施設整備に係る経費の合計は、約八十八億円である。
また、お尋ねの管制塔の整備に係る経費は約二億円、消音装置の整備に係る経費は約一億円であるが、いずれの整備も自衛隊の老朽化した施設の建て替え等を行うものであり、米軍再編に係る訓練移転のためのものではない。
新田原飛行場においては、同飛行場外への雨水排水量を抑制するため、同飛行場内において調整池の整備をするなどの必要な対策を講じてきたところである。
新田原飛行場における仮設滑走路の整備に伴う雨水排水対策については、同飛行場内に八か所、総容量約十万立方メートルの調整池を整備し、同飛行場外への単位時間当たりの放流量を仮設滑走路整備以前の放流量以下となるようにすることとしている。
新田原飛行場における米軍再編に係る訓練移転のための施設整備完了後の仮設滑走路の取扱いについては、残置を含め、検討しているところである。
お尋ねの仮設滑走路の整備については、現滑走路の改修工事期間中一時的に航空機が離着陸できる仮設滑走路を現着陸帯内に整備するものであることから、環境影響評価法施行令(平成九年政令第三百四十六号)別表第一に規定する滑走路の新設や延長を伴う飛行場及びその施設の変更に該当せず、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)に基づく手続を要しない。
今後、同施設の整備を実施するに当たっては、周辺地域の環境に十分配慮して行うこととしている。
本年二月に行われた新田原飛行場における米軍再編に係る訓練移転の実施に当たっては、米側に対し、当該訓練期間中における服務規律の保持について申し入れるとともに、九州防衛局の職員が同飛行場外にある米軍人の宿泊施設周辺を巡回する等の措置を講じてきたところであり、今後とも、米軍人が同飛行場外に宿泊する場合には、周辺住民の不安を解消するため、適切に対応してまいりたい。
本年二月に行われた新田原飛行場における米軍再編に係る訓練移転に参加したF−一五戦闘機による燃料漏れの原因については、同機の部品の不具合によるものであり、不具合のあった部品を交換し、機体の安全を確認した上で、訓練を再開したものと承知している。