答弁本文情報
平成二十二年十月十九日受領答弁第三九号
内閣衆質一七六第三九号
平成二十二年十月十九日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員木村太郎君提出米価下落と戸別所得補償に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員木村太郎君提出米価下落と戸別所得補償に関する質問に対する答弁書
一について
平成二十二年産米の需給に関しては、平成二十二年九月十五日現在の全国の作柄が平年並みであることから、主食用米の生産量は、全国で約八百三十一万トンを見込んでいるほか、同年六月末現在の民間在庫の数量は、平成二十一年六月末と比較して約六万トン増加した約二百十八万トンとなっている。また、平成二十二年産米の価格に関しては、平成二十一年産米よりも低い価格で取引が開始されたことは承知している。こうした米穀の生産状況等を踏まえ、引き続き米穀の需給及び価格の動向を注視していく必要があると考えている。
米穀に関し、需要に応じた生産が行われるためには、農家の主体的な取組が不可欠であり、また、水田の有効活用の観点から、麦、大豆等主食用米以外の品目の生産振興に取り組む必要があると考えている。このような取組を支援するため、米穀の生産数量目標に即した生産を行う者に対して所得を補償する、戸別所得補償制度を推進することとしている。
平成二十二年産米に関しては、米戸別所得補償モデル事業(以下「モデル事業」という。)に参加している農家の所得は、モデル事業の交付金の交付により補償されることとなっている。なお、モデル事業の交付金のうち水稲生産における標準的な生産費用の額と標準的な販売収入の額との差額を補償する定額部分の支払を年内に行う等、モデル事業に参加している農家の資金繰りにも十分配慮して、交付に関する事務を進めてまいりたい。
米穀の価格は、需給動向、経済情勢等による様々な影響を受けて決まるものである。
なお、戸別所得補償制度は、生産数量目標に即した生産を行う者に対してその所得を補償するという強力なメリットがある措置を講ずるものであることから、モデル事業を実施している平成二十二年度における主食用水稲の過剰作付面積は、平成二十一年度と比較して減少している。今後、戸別所得補償制度を推進することにより、更に需給調整への参加が進むことを期待しており、同制度の導入が米価の低下を防ぐことにも資すると考えている。
農林水産省において平成二十三年度予算概算要求を行っている水田活用所得補償交付金のうち産地資金については、地域の実態に即して、麦、大豆等の生産性の向上、地域の特産農産物の振興等の取組を支援するものとしており、その財源を含め、予算編成過程において検討してまいりたい。
平成二十二年度において実施しているモデル事業は、モデル事業に参加している農家の所得を、交付金の交付により補償するものであるが、全国一律の交付単価としたことにより、農地の集積、集落営農の組織化等を行い生産を効率化させた農家は、その努力に応じて所得が増加する仕組みとなっており、担い手の育成にも資するものと認識している。
また、戸別所得補償制度とは別に、農家の資金調達及び農業用機械の導入に対する支援、農地の集積を仲介する組織が行う調整活動に対する支援等を行うことにより、担い手の育成を推進していく所存である。