答弁本文情報
平成二十三年六月三日受領答弁第二〇六号
内閣衆質一七七第二〇六号
平成二十三年六月三日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員照屋寛徳君提出米軍嘉手納基地におけるパラシュート降下訓練に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員照屋寛徳君提出米軍嘉手納基地におけるパラシュート降下訓練に関する質問に対する答弁書
一及び二について
本年五月二十日の嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練については、米側から近日中に行いたいとの連絡は受けていたが、同日に行うとの事前の通報はなかったことから、同日、米側に対し、連絡を密にすべき旨等の申入れを行った。
米側によれば、最近、天候の影響等により伊江島補助飛行場における訓練を中止せざるを得ない状況が続いたことから、重要な救難任務の能力訓練を確保する上で、今回、より安定的に訓練を実施することが可能な嘉手納飛行場を例外的に使用せざるを得なかったとのことである。
御指摘の声明文については承知している。
日米両政府は、平成八年十二月二日に発表された「沖縄に関する特別行動委員会」の最終報告(以下「SACO最終報告」という。)において伊江島補助飛行場に移転することとされたパラシュート降下訓練については、引き続き基本的に同補助飛行場で実施し、嘉手納飛行場はあくまでも例外的な場合に限って使用するとの認識で一致している。かかる認識については、平成十九年一月二十五日に開催された、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第二十五条1の規定に基づき設置された合同委員会で確認されている。なお、御指摘の「嘉手納基地は、日本政府に了承された(パラシュート)降下地帯」である旨の記述については、かかる認識を表したものと考えられる。
いかなる場合がお尋ねの「例外」に該当するかについては、個別の事例ごとにその具体的な事情に則して判断する必要があり、あらかじめ一概に述べることは困難であるが、本年五月二十日の嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練については、三についてで述べたとおりである。なお、御指摘の「伊江島(補助飛行場)における天候が要因ではなかった」旨の記述については、訓練当日の伊江島の天候とは直接関係がないとの趣旨であると考えられる。
米軍は、伊江島補助飛行場や嘉手納飛行場でパラシュート降下訓練を行う場合に、我が国政府に事前に通報することが義務付けられているわけではない。
五から七までについてで述べたとおり、日米両政府は、SACO最終報告において伊江島補助飛行場に移転することとされたパラシュート降下訓練については、引き続き基本的に同飛行場で実施し、嘉手納飛行場はあくまでも例外的な場合に限って使用するとの認識で一致しているところ、我が国政府として、御指摘のような協議を米側と行う考えはない。