答弁本文情報
平成二十三年六月二十一日受領答弁第二四一号
内閣衆質一七七第二四一号
平成二十三年六月二十一日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員高橋千鶴子君提出教職員の労働時間管理に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員高橋千鶴子君提出教職員の労働時間管理に関する質問に対する答弁書
一について
文部科学省においては、平成二十二年二月二十五日以降においても、会議等を通じ、各都道府県教育委員会等に対し、公立学校における教職員の労働時間の適正な管理について必要な指導をしてきたところである。
学校における教職員の労働時間の管理については、各学校の実情等に応じた適切な方法で行われるべきものであり、文部科学省においては、その具体的な方法を網羅的には把握していないが、教職員の労働時間の把握方法としては、例えば、校長や教頭等による現認、タイムカードの使用、教職員の自己申告等の方法がとられているものと承知している。
お尋ねの「学校現場での公務災害、過労死、自殺などの案件とこれらに起因する裁判がどの程度行われているのか」については網羅的には把握していないが、平成二十一年度における公立学校の教職員に係る公務上の災害及び通勤による災害(以下「公務災害」という。)で地方公務員災害補償基金により認定された件数は七千七百九十件であり、公立学校の教職員に係る公務災害に関する訴訟で係属中のものは、平成二十三年三月三十一日現在で二十一件である。文部科学省としては、今後とも、総務省と連携し、公立学校における公務災害の実態の把握に努めてまいりたい。
労働者災害補償保険制度においては、保険給付の請求に当たり、災害の発生状況等の内容について事業主の証明を受けた請求書の提出を求めているところであるが、事業主が証明を行わない等やむを得ない事情がある場合には、事業主の証明がなくても、請求書を受理する取扱いがなされている。
地方公務員災害補償制度においても、公務災害の認定の請求に当たり、災害の発生状況等の内容について当該職員の所属部局の長の証明を受けた請求書の提出を求めているところであるが、所属部局の長が証明を行わない等やむを得ない事情がある場合には、所属部局の長の証明がなくても、請求書を受理する取扱いがなされている。
なお、地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)第四十五条第二項の規定により、地方公務員災害補償基金が公務災害の認定を行うに当たっては、当該職員の任命権者の意見を聴かなければならないこととされているが、この任命権者からの意見聴取は、公務災害の認定請求時に必要とされるものではない。
御指摘のようなケースは豊橋市のケース以外に承知していないが、教職員の労働時間については、部活動の指導時間を含め、各学校において適切な方法により管理されるべきと考えている。文部科学省としては、今後とも、必要に応じ、各都道府県教育委員会等に対し、学校における教職員の労働時間の適正な管理について指導してまいりたい。