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答弁本文情報

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平成二十三年十一月二十五日受領
答弁第五四号

  内閣衆質一七九第五四号
  平成二十三年十一月二十五日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員秋葉賢也君提出放射性物質による健康被害に対する政府の対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員秋葉賢也君提出放射性物質による健康被害に対する政府の対応に関する質問に対する答弁書



一の1について

 枝野内閣官房長官(当時。以下同じ。)は、平成二十三年三月十六日午後の記者会見において、専門家等により人体への放射線影響に係る一般的な説明を受けていたことを踏まえ、文部科学省の行ったモニタリング結果について、直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない旨述べた。また、同内閣官房長官は、同月十九日午後の記者会見において、原子力安全委員会事務局より、当時検出された放射性物質濃度の牛乳及びほうれんそうを仮にそれぞれ日本人の年平均の摂取量を摂取した場合の被ばく線量について、牛乳においてはCTスキャン一回程度、ほうれんそうにおいては同五分の一回程度に相当するとの報告を受け、直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない旨述べた。

一の2について

 放射線による長期的な健康への影響としては、いわゆる確率的影響が考えられるところ、原子力安全委員会においては、平成二十三年五月二十日に「低線量放射線の健康影響について」を公表し、その中において、「「確率的影響」には、被ばくから一定の期間を経た後にある確率で、固形がん、白血病等を発症することが含まれます。がんのリスクの評価は、疫学的手法によるものが基礎となっています。広島や長崎で原子爆弾に起因する放射線を受けた方々の追跡調査の結果からは、百ミリシーベルトを超える被ばく線量では被ばく量とその影響の発生率との間に比例性があると認められております。一方、百ミリシーベルト以下の被ばく線量では、がんリスクが見込まれるものの、統計的な不確かさが大きく疫学的手法によってがん等の確率的影響のリスクを直接明らかに示すことはできない、とされております。このように、百ミリシーベルト以下の被ばく線量による確率的影響の存在は見込まれるものの不確かさがあります。」としている。

一の3について

 政府としては、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故発生後、避難区域の設定、飲食物の摂取制限等、人々が受ける線量を減らすための措置を講じてきたところであり、また、住民の内部被ばくに係る測定状況について、次のとおり把握している。
 原子力災害現地対策本部において、平成二十三年三月二十四日から同月三十日にかけて、いわき市、飯舘村及び川俣町において小児を対象に甲状腺からの線量率を測定したところ、有効な結果が得られた小児千八十人の五十五・四パーセントにおいては、同線量率が毎時〇・〇〇マイクロシーベルト、これを含む九十九・〇パーセントにおいては、同線量率が毎時〇・〇四マイクロシーベルト以下であり、同線量率が最大となった小児においても毎時〇・一マイクロシーベルトであったことから、原子力安全委員会が原子力災害対策本部等に助言したスクリーニングレベルである同線量率が毎時〇・二マイクロシーベルトを超える小児はいなかったという結果が得られている。
 また、原子力災害対策本部及び福島県において、同年六月二十七日以降、浪江町、飯舘村、川俣町等の住民を対象に全身からの線量率等を測定しているところ、同県によれば、同年九月三十日までに測定の対象となった住民四千四百六十三人(以下「対象住民」という。)の九十九・六パーセントにおいては、体内に取り入れられたセシウム一三四及びセシウム一三七による預託実効線量、すなわち、内部被ばくにより生涯にわたって受けるとされる全身の線量が一ミリシーベルト未満であり、同線量が最大となった対象住民においても、三ミリシーベルトであったとのことである。

二について

 宮城県を含む福島県周辺に住む住民の方々の健康調査については、各県の要望を踏まえた上で、検討してまいりたい。なお、宮城県においては、平成二十三年十月二十五日に第一回の宮城県健康影響に関する有識者会議が開催され、同県における健康調査の必要性について検討が行われており、政府としては、その検討状況を踏まえ、対応を検討してまいりたい。



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