答弁本文情報
平成二十四年二月二十一日受領答弁第七〇号
内閣衆質一八〇第七〇号
平成二十四年二月二十一日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員浅野貴博君提出自動車運転過失致死罪並びに危険運転致死罪が成立する要件等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員浅野貴博君提出自動車運転過失致死罪並びに危険運転致死罪が成立する要件等に関する質問に対する答弁書
一について
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死亡させた者については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百十一条第二項の自動車運転過失致死罪が成立し得る。
アルコール若しくは薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって人を死亡させた者、その進行を制御することが困難な高速度で、若しくはその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死亡させた者、人若しくは車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人若しくは車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死亡させた者又は赤色信号若しくはこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死亡させた者については、刑法第二百八条の二の危険運転致死罪が成立し得る。
御指摘の事件については、名古屋地方検察庁において、道路交通法違反(無免許運転並びに交通事故の場合の救護義務違反及び報告義務違反)及び自動車運転過失致死罪により起訴し、その後、道路交通法違反(酒気帯び運転)、道路運送車両法違反及び自動車損害賠償保障法違反の各事実を追加する訴因及び罰条の変更が許可され、現在公判係属中であると承知しているが、その余のお尋ねについては、個別具体的な事件における証拠の内容や捜査機関の活動に関わる事柄であり、答弁を差し控えたい。
なお、一般論として申し上げれば、検察当局においては、法と証拠に基づいて適正な捜査・公判活動を行うとともに、被害者の御遺族に対しては、その心情に十分配慮しつつ対応しているものと承知している。