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平成二十四年三月九日受領
答弁第一一二号

  内閣衆質一八〇第一一二号
  平成二十四年三月九日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員塩川鉄也君提出国土交通省の八ッ場ダム治水効果の検証に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員塩川鉄也君提出国土交通省の八ッ場ダム治水効果の検証に関する質問に対する答弁書



一から三までについて

 御指摘の「八ッ場ダム以外の案では、八ッ場ダムの洪水調節量を八ッ場ダムに替わって引き受ける代替施設が必要となる。八ッ場ダム以外の案では、それぞれ代替施設でどれだけの量の洪水調節を行うこととしているか。」及び「洪水調節量を八斗島上流と下流で調節を行うピーク流量(m3/S)で明らかにされたい。」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「八ッ場ダム以外の四案」のうち、平成二十三年十一月に国土交通省関東地方整備局が公表した「八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書」(以下「検討報告書」という。)の四−七十三ページの「河道掘削案」については、八ッ場ダムの洪水調節効果の一部を代替する洪水調節機能を有する治水対策を含んでいないこと、また、同ページの「渡良瀬遊水地案」、「新規遊水地案」及び「流域対策案」については、当該治水対策を八斗島地点より下流の地点で想定していることから、「河道掘削案」、「渡良瀬遊水地案」、「新規遊水地案」及び「流域対策案」における当該治水対策による八斗島地点での洪水調節効果量は零である。また、八ッ場ダム建設事業の検証(以下「八ッ場ダムの検証」という。)における複数の治水対策案の検討に当たって対象とした、昭和二十二年九月十三日から発生した洪水、昭和二十三年九月十四日から発生した洪水、昭和二十四年八月三十日から発生した洪水、昭和三十三年九月十六日から発生した洪水、昭和三十四年八月十二日から発生した洪水、昭和五十七年七月三十一日から発生した洪水、同年九月十日から発生した洪水及び平成十年九月十四日から発生した洪水(以下「八洪水」という。)の降雨波形を用いて、八斗島地点の流量が、洪水調節施設のない場合に毎秒一万七千立方メートルとなるように計算して得られた、「河道掘削案」、「渡良瀬遊水地案」、「新規遊水地案」及び「流域対策案」の渡良瀬川合流地点から江戸川分派地点までの区間における最大流量を用いて、洪水ごとに、@「河道掘削案」の最大流量から「渡良瀬遊水地案」の最大流量を差し引いて得られた流量、A「河道掘削案」の最大流量から「新規遊水地案」の最大流量を差し引いて得られた流量及びB「河道掘削案」の最大流量から「流域対策案」の最大流量を差し引いて得られた流量を示すと、次のとおりである。
 昭和二十二年九月十三日から発生した洪水 @毎秒約七百六十立方メートル A毎秒約百二十立方メートル B毎秒約零立方メートル
 昭和二十三年九月十四日から発生した洪水 @毎秒約八百十立方メートル A毎秒約百三十立方メートル B毎秒約零立方メートル
 昭和二十四年八月三十日から発生した洪水 @毎秒約八百立方メートル A毎秒約二百六十立方メートル B毎秒約零立方メートル
 昭和三十三年九月十六日から発生した洪水 @毎秒約五百六十立方メートル A毎秒約四十立方メートル B毎秒約零立方メートル
 昭和三十四年八月十二日から発生した洪水 @毎秒約八百十立方メートル A毎秒約三百十立方メートル B毎秒約零立方メートル
 昭和五十七年七月三十一日から発生した洪水 @毎秒約マイナス六十立方メートル A毎秒約百九十立方メートル B毎秒約零立方メートル
 昭和五十七年九月十日から発生した洪水 @毎秒約八百三十立方メートル A毎秒約二百立方メートル B毎秒約十立方メートル
 平成十年九月十四日から発生した洪水 @毎秒約六百五十立方メートル A毎秒約百五十立方メートル B毎秒約零立方メートル
 これらの計算結果は、平成二十三年九月に同省が公表した「利根川の基本高水の検証について」において構築した流出計算モデルを基本に、群馬県が管理するダムの洪水調節効果等を見込めるように設定した流出計算モデルを用いた計算により得たものである。

四について

 八洪水について、洪水ごとに、@八斗島地点の流量が、洪水調節施設のない場合に毎秒一万七千立方メートルとなる降雨波形の八斗島地点上流域における流域平均三日雨量及びAその非毎年雨量標本について確率分布関数を指数分布として積率法による母数推定を行い作成した雨量確率図による年超過確率を示すと、次のとおりである。
 昭和二十二年九月十三日から発生した洪水 @二百六十九ミリメートル A二十分の一から五十分の一
 昭和二十三年九月十四日から発生した洪水 @二百九十六ミリメートル A五十分の一から百分の一
 昭和二十四年八月三十日から発生した洪水 @二百六十四ミリメートル A二十分の一から五十分の一
 昭和三十三年九月十六日から発生した洪水 @二百二十三ミリメートル A十分の一から二十分の一
 昭和三十四年八月十二日から発生した洪水 @三百二十九ミリメートル A百分の一から二百分の一
 昭和五十七年七月三十一日から発生した洪水 @三百三十ミリメートル A百分の一から二百分の一
 昭和五十七年九月十日から発生した洪水 @二百八十九ミリメートル A五十分の一から百分の一
 平成十年九月十四日から発生した洪水 @二百三十三ミリメートル A十分の一から二十分の一

五及び六について

 八ッ場ダムの検証においては、八斗島地点における河川整備計画相当の目標流量を年超過確率七十分の一から八十分の一に相当する毎秒一万七千立方メートルとしている。利根川水系は流域面積が大きく、多くの支川を有し、降雨波形や洪水規模によりダムの洪水調節効果が異なるため、昭和二十二年九月十三日から発生した洪水、昭和二十三年九月十四日から発生した洪水、昭和二十四年八月三十日から発生した洪水、昭和三十三年九月十六日から発生した洪水、昭和三十四年八月十二日から発生した洪水、昭和五十六年八月二十一日から発生した洪水、昭和五十七年七月三十一日から発生した洪水、同年九月十日から発生した洪水、平成十年九月十四日から発生した洪水及び平成十九年九月五日から発生した洪水(以下「十洪水」という。)を抽出し、八斗島地点における流量が、洪水調節施設のない場合に毎秒一万七千立方メートルとなる降雨波形による流出計算を行ったところであり、十洪水の洪水ごとの八斗島地点上流域における流域平均三日雨量の年超過確率については、七十分の一から八十分の一を上回るものも下回るものもある。
 なお、十洪水のうち、昭和五十六年八月二十一日から発生した洪水及び平成十九年九月五日から発生した洪水の降雨波形については、八斗島地点における流量を河川整備計画相当の目標流量である毎秒一万七千立方メートルとするためには、八斗島地点上流域における流域平均三日雨量の年超過確率が長期的な河川整備の最終目標である利根川水系河川整備基本方針の計画規模である二百分の一以上の雨量となるため、八洪水により、八ッ場ダムの検証における複数の治水対策案の検討を行うこととしたものである。

七について

 八ッ場ダムの検証において、八斗島地点における河川整備計画相当の目標流量である毎秒一万七千立方メートルに対し、複数の治水対策案のうち八ッ場ダムを含む案において八ッ場ダム以外の八斗島地点上流の洪水調節施設が全て完成したと仮定した場合の、昭和三十四年八月十二日から発生した洪水の降雨波形による流出計算により算出した八斗島地点における流量は、毎秒約一万五千七百六十立方メートルである。
 八洪水における、御指摘の「八斗島上流の洪水調節施設のうち八ッ場ダムがない場合」について、検討報告書の表四−二−三の「洪水名」ごとに、@「洪水調節施設無し(A)」、A「河道分担流量洪水調節施設全施設完成時(B)」、B「八斗島地点上流洪水調節量(C=A−B)」、C「吾妻川」の「既設ダム」、D「烏川・神流川」の「既設ダム」、E「烏川・神流川」の「烏川調節池」、F「奥利根」の「既設ダム」及びG「奥利根」の「ダム再編」に対応する数値を示すと、次のとおりである。
 昭和二十二年九月十三日 @毎秒一万七千立方メートル A毎秒約一万三千五百三十立方メートル B毎秒約三千四百七十立方メートル C毎秒約十立方メートル D毎秒約七百七十立方メートル E毎秒約八百三十立方メートル F毎秒約千七百五十立方メートル G毎秒約百十立方メートル
 昭和二十三年九月十四日 @毎秒一万七千立方メートル A毎秒約一万三千四百八十立方メートル B毎秒約三千五百二十立方メートル C毎秒約十立方メートル D毎秒約八百九十立方メートル E毎秒約二百五十立方メートル F毎秒約二千百立方メートル G毎秒約二百七十立方メートル
 昭和二十四年八月三十日 @毎秒一万七千立方メートル A毎秒約一万五千百七十立方メートル B毎秒約千八百三十立方メートル C毎秒約五十立方メートル D毎秒約四十立方メートル E毎秒約三百立方メートル F毎秒約千二百五十立方メートル G毎秒約百九十立方メートル
 昭和三十三年九月十六日 @毎秒一万七千立方メートル A毎秒約一万二千八百五十立方メートル B毎秒約四千百五十立方メートル C毎秒約三十立方メートル D毎秒約千五百六十立方メートル E毎秒約三百六十立方メートル F毎秒約千九百九十立方メートル G毎秒約二百十立方メートル
 昭和三十四年八月十二日 @毎秒一万七千立方メートル A毎秒約一万五千七百六十立方メートル B毎秒約千二百四十立方メートル C毎秒約二十立方メートル D毎秒約八十立方メートル E毎秒約マイナス百四十立方メートル F毎秒約千百九十立方メートル G毎秒約九十立方メートル
 昭和五十七年七月三十一日 @毎秒一万七千立方メートル A毎秒約一万三千九百八十立方メートル B毎秒約三千二十立方メートル C毎秒約十立方メートル D毎秒約九百九十立方メートル E毎秒約マイナス六十立方メートル F毎秒約千九百六十立方メートル G毎秒約百二十立方メートル
 昭和五十七年九月十日 @毎秒一万七千立方メートル A毎秒約一万四千二百四十立方メートル B毎秒約二千七百六十立方メートル C毎秒約四十立方メートル D毎秒約五百六十立方メートル E毎秒約マイナス百立方メートル F毎秒約二千百十立方メートル G毎秒約百五十立方メートル
 平成十年九月十四日 @毎秒一万七千立方メートル A毎秒約一万三千八百七十立方メートル B毎秒約三千百三十立方メートル C毎秒約四十立方メートル D毎秒約七百九十立方メートル E毎秒約八百十立方メートル F毎秒約千三百六十立方メートル G毎秒約百三十立方メートル

八及び九について

 八ッ場ダムの検証における複数の治水対策案のうち八ッ場ダムを含まない案の検討に当たっては、八洪水のいずれにおいても、御指摘の「「河道分担流量洪水調節施設全施設完成時(B)」に対応する数値から、14000m3/Sを差し引いた数値」を「洪水調節量」とはしていない。

十について

 お尋ねの「大体千立米ぐらい」との数値については、検討報告書の表四−二−三の、八斗島地点における河川整備計画相当の目標流量である毎秒一万七千立方メートルに対する、八洪水の洪水ごとに算出した八斗島地点における八ッ場ダムの洪水調節効果量の平均値である、毎秒約千百七十六立方メートルを指している。

十一について

 御指摘の「1800m3/S」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、「八ッ場ダムの洪水調節量」については、検討報告書の表四−二−三の「洪水調節量内訳」のうち、「吾妻川」の「八ッ場ダム」に、その算出方法及び条件については、検討報告書の四−二十二及び二十三ページに、それぞれ記載されている。



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