答弁本文情報
平成二十四年四月三日受領答弁第一五一号
内閣衆質一八〇第一五一号
平成二十四年四月三日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員馳浩君提出大学の秋入学に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員馳浩君提出大学の秋入学に関する質問に対する答弁書
一について
大学における秋季入学の導入等に関する検討は、グローバル人材の育成等の観点から国際化や国際競争力の強化に資し得るものであると考えており、議論の実りある進展が大いに望まれるところである。東京大学が秋季入学への移行を検討することを表明したことは、国際化や国際競争力の強化を図る各大学に大きな影響を与えるものであり、他の大学においても国際化や国際競争力の強化に向けた様々な議論が行われているものと承知している。
一についてで述べたとおり、大学における秋季入学の導入等に関する検討は、大学の国際化や国際競争力の強化に資し得るものと考えているが、これのみによって大学の国際化や国際競争力の強化を図る上での全ての課題が解決するとは考えておらず、大学の国際化や国際競争力の強化を図るためには、大学教育の質の向上等を含めた様々な課題の検討が必要であると考えている。
政府としては、大学の多様性を尊重し、各大学の自主的・自発的な検討を見守りたいと考えており、大学への入学時期を統一することは現時点では考えていない。
お尋ねの点については、把握しておらず、お答えすることは困難である。
お尋ねの企業の採用活動への影響については、実際に秋季入学を導入し、又はこれに移行する大学の数等により変動するものであり、その影響の程度について現時点でお答えすることは困難である。
国家公務員の採用の実施時期については、グローバル人材育成推進会議において、大学における秋季入学の導入等に関する主な検討課題の一つとして取り上げているところでもあり、今後の大学における秋季入学の導入状況等を踏まえつつ、お尋ねの「秋採用」の実施の是非を含め検討してまいりたい。
大学における秋季入学が実施された場合に生ずる高等学校卒業から大学入学までの期間(以下「ギャップ期間」という。)における学生の活動等の在り方については、今後、各大学等において検討が行われるものと承知しており、政府としては、その検討状況を踏まえつつ、ギャップ期間が多くの学生にとって有意義なものとなるよう、必要な経済的支援策等の在り方について検討してまいりたい。
政府としては、お尋ねの小学校、中学校及び高等学校における秋季入学への移行については、秋季入学を導入し、又はこれに移行する大学の数等が不明であり、大学における秋季入学の実施が社会に与える影響が明確ではないことや、ギャップ期間が存在すればその期間中に学生が社会貢献活動等を体験することができるといった意義も考えられること等を踏まえると、慎重に検討すべき課題であると考えている。