答弁本文情報
平成二十四年四月二十四日受領答弁第一八八号
内閣衆質一八〇第一八八号
平成二十四年四月二十四日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員河野太郎君提出「試し出勤」についての官民格差に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員河野太郎君提出「試し出勤」についての官民格差に関する質問に対する答弁書
一について
民間におけるいわゆる「試し出勤」中に労働者が受けた災害については、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第七条第一項第一号に規定する業務災害又は同項第二号に規定する通勤災害(以下「業務災害等」という。)に該当する場合がある。この点については、御指摘の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」の改訂を含め、具体的な方策を講じ、民間企業に対する周知の徹底を図っていきたい。
具体的にどのような災害が業務災害等に該当するかについては、個別の事案ごとに判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難であるが、「試し出勤」をしている労働者が、例えば、復帰を予定する職場において、使用者の指示に基づき当該職場の業務に関連する作業に従事するなどの状況において、当該作業に起因して災害を受けた場合や、当該作業を行うために通勤する途中で災害を受けた場合には、業務災害等として認められることがあり得るものである。
なお、「試し出勤」について「ルールを定めている企業」の数については、把握していない。
「「円滑な職場復帰及び再発の防止のための受入方針」の改定について(通知)」(平成二十二年七月三十日付け職職−二五四人事院事務総局職員福祉局長通知)に定める「「試し出勤」実施要綱」に従って行われる「試し出勤」(以下「実施要綱による試し出勤」という。)は、その職員(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条に規定する一般職に属する職員をいう。以下同じ。)の職務そのものとして位置付けられるものではないが、精神・行動の障害により療養のため長期間職場を離れている職員で職場復帰が可能と考えられる程度に回復したものが、職場復帰に向け、その復帰を予定する職場の業務に関連する作業に従事するものであり、実施要綱による試し出勤中に職員が受けた災害については、国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)第一条第一項の公務上の災害又は通勤(同法第一条の二に規定する通勤をいう。以下同じ。)による災害(以下「公務災害等」という。)に該当する場合がある。
具体的にどのような災害が公務災害等に該当するかについては、個別の事案ごとに判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難であるが、実施要綱による試し出勤をしている職員が、例えば、復帰を予定する職場において、あらかじめ定められた実施プログラムに基づき、当該職場の業務に関連する作業に従事するなどの状況において、当該作業に起因して災害を受けた場合や、当該作業を行うために通勤する途中で災害を受けた場合には、公務災害等として認められることがあり得るものである。
職員の病気休暇中に支給される給与については、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号。以下「一般職給与法」という。)第十五条において「休暇による場合その他その勤務しないことにつき特に承認のあつた場合を除き、その勤務しない一時間につき、第十九条に規定する勤務一時間当たりの給与額を減額して給与を支給する。」と規定され、この「休暇」には病気休暇も該当することから、一般職給与法に基づき、病気休暇が承認される期間、その職員に対しては、俸給及び諸手当(俸給の特別調整額、本府省業務調整手当、初任給調整手当、専門スタッフ職調整手当、扶養手当、地域手当、広域異動手当、研究員調整手当、住居手当、単身赴任手当、特地勤務手当(一般職給与法第十四条の規定による手当を含む。)、期末手当及び勤勉手当をいう。以下同じ。)の全額を支給することとされている。ただし、一般職給与法附則第六項の規定に基づき、職員が負傷(公務上の負傷及び通勤による負傷を除く。)又は疾病(公務上の疾病及び通勤による疾病を除く。)に係る療養のための病気休暇の開始の日から起算して九十日を超えて引き続き勤務しないときは、その期間経過後の当該病気休暇に係る日につき、俸給並びに地域手当、広域異動手当、研究員調整手当、期末手当及び勤勉手当の算定の基礎となる俸給の月額の半額を減ずることとされている。また、国家公務員の寒冷地手当に関する法律(昭和二十四年法律第二百号。以下「寒冷地手当法」という。)に基づき、病気休暇が承認される期間、その職員に対しては、寒冷地手当の全額(同項の規定の適用を受ける職員にあっては、その額からその半額を減じた額)を支給することとされている。
職員の病気休職中に支給される給与については、職員が公務上負傷し、若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは疾病にかかり、国家公務員法第七十九条第一号に掲げる事由に該当して休職にされたときは、一般職給与法第二十三条第一項の規定に基づき、その休職の期間中、その職員に対しては、俸給及び諸手当の全額を支給することとされており、職員が同項及び結核性疾患以外の心身の故障により同号に掲げる事由に該当して休職にされたときは、同条第三項の規定に基づき、その休職の期間が満一年に達するまでは、その職員に対しては、俸給、扶養手当、地域手当、広域異動手当、研究員調整手当、住居手当及び期末手当のそれぞれ百分の八十を支給することができること等とされている。また、寒冷地手当法に基づき、同条第一項の規定により給与の支給を受ける職員に対しては、寒冷地手当の全額を支給することとされ、同条第三項の規定により給与の支給を受ける職員に対しては、その額にその職員の俸給の支給について用いられた同項の規定による割合を乗じて得た額を支給すること等とされている。
このほか、病気休暇中又は病気休職中の職員に対しては、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第五十一条第一項第八号の傷病手当金その他の法令に基づく給付が行われることがあり、これらの給付は、お尋ねの「給与等」に含まれるものである。