答弁本文情報
平成二十四年四月二十七日受領答弁第一九二号
内閣衆質一八〇第一九二号
平成二十四年四月二十七日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員河野太郎君提出原発再稼働についての細野大臣の発言等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員河野太郎君提出原発再稼動についての細野大臣の発言等に関する質問に対する答弁書
一について
定期検査で停止中の原子力発電所の運転再開については、安全上重要な施設・機器等が設計上の想定を超える事象に対し、どの程度の安全裕度を有するのかという点について、欧州諸国で導入されたストレステストを参考に、新たな手続やルールに基づく安全評価を原子力事業者が行い、その評価結果について経済産業省原子力安全・保安院が確認し、更に内閣府原子力安全委員会がその確認の妥当性を確認した上で、野田内閣総理大臣、藤村内閣官房長官、枝野経済産業大臣及び細野内閣府特命担当大臣が、原子力発電所の運転再開に当たっての安全性に関する判断基準に基づき、地震・津波による全電源喪失という事象の進展を防止するための安全対策が既に講じられていることや、原子力事業者が更なる安全性・信頼性向上のための実施計画を明らかにしていること等について確認した上で、住民の理解や国民の信頼が得られているかという点も踏まえ、その可否を総合的に判断していくとしており、政府としてこれと異なる見解に達したことはない。なお、細野内閣府特命担当大臣においては、定期検査で停止中の原子力発電所の運転再開については、安全性の確認が前提であり、その確認については電力需給によって影響を受けることはない旨の発言をしたものである。
電気関係報告規則(昭和四十年通商産業省令第五十四号)に基づく報告によれば、平成二十三年三月末における出力千キロワット以上の自家用電気工作物を設置する者が有する発電設備(以下「自家発設備」という。)の最大出力は、関西電力株式会社(以下「関西電力」という。)の供給区域で約六百八十五万キロワットであり、関西電力、中国電力株式会社、四国電力株式会社及び九州電力株式会社の供給区域(以下「西日本」という。)全体で約二千百七十万キロワットである。このうち、経済産業省が、同年七月に行った自家発設備に関する調査によれば、一般電気事業者向けに売電していると回答したものは、関西電力の供給区域において約六十四万キロワット、西日本全体で約百十五万キロワットであり、余剰電力があると回答したものは、関西電力の供給区域において約六十六万キロワット、西日本全体で約百四十七万キロワットであり、一般電気事業者向けに売電していると回答したものと余剰電力があると回答したものとの合計は、関西電力の供給区域において約百三十万キロワット、西日本全体で約二百六十一万キロワットである。また、当該調査においては、売電価格の高低にかかわらず、事業者による余剰電力の販売が可能な量を調査しているが、これらの売電価格については調査を行っておらず、把握していない。
関西電力においては、関西電力が自家発設備から調達する供給力について、平成二十三年夏については九十三万キロワットと見込んでいたが、平成二十四年夏については、八十九万キロワットと見込んでいる。これは、同年夏の電力需給が逼迫する可能性が高い状況等を踏まえ、需要家が自家発設備を万一の際のバックアップ電源とみなして売電を控えることにより、自家発設備からの調達が困難となることが見込まれること等が理由であると承知している。
平成二十四年七月及び八月において、関西電力管内において定期点検等で発電を停止する火力発電所及び水力発電所はなく、稼働できるものは全て同年夏の供給力に織り込んでいる。また、同年秋以降の各発電所の定期点検等については、関西電力において、同年夏までの各発電所の稼働状況等を踏まえて計画を作成し、経済産業省において、これを精査していくこととなる。
関西電力からの報告によれば、関西電力が締結する需給調整契約の種類には随時調整契約と計画調整契約があり、平成二十三年三月末において関西電力が大口需要家と締結していた同年夏に適用される需給調整契約の契約件数は二百六十件であり、需給調整契約により抑制することが可能な電力の最大値は四十九万キロワットであり、また、平成二十四年三月末において関西電力が大口需要家と締結した同年夏に適用される需給調整契約の契約件数は二十四件であり、需給調整契約により抑制することが可能な電力の最大値は三十六万キロワットである。
経済産業省は、関西電力等に対し、需給調整契約の内容を拡充するよう指導するとともに、平成二十四年三月以降、所管に係る業界団体等に対し、電力会社からの需給調整契約の締結に係る提案に応じて対応を検討するよう伝えている。
関西電力からの報告によれば、関西電力の供給区域における平成二十二年夏の最大電力は三千九十五万キロワットである。
関西電力によれば、平成二十二年に、五の1についてでお示しした最大電力の値から百万キロワット以内にとどまる値が記録された時間は三十時間であり、二百万キロワット以内にとどまる値が記録された時間は百七時間であり、三百万キロワット以内にとどまる値が記録された時間は百八十八時間である。
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、政府において、関西電力に対し、平成二十二年夏に電力不足に対応するための施策を実施するよう指導をした事実はない。なお、政府においては、従来からヒートポンプ・蓄熱システムや蓄電池等の負荷平準化機器の更なる普及に向けて必要な環境整備等の電力需要の負荷平準化対策を推進している。また、関西電力においては、従来から負荷平準化に資するため、大口需要家に対し、需給調整契約への加入を促進してきたものと承知している。
お尋ねの「ピーク電力費用曲線」の趣旨が必ずしも明らかではないが、ピークカットに資する一般電気事業者の情報公開の在り方については、今後検討してまいりたい。