答弁本文情報
平成二十四年六月一日受領答弁第二六一号
内閣衆質一八〇第二六一号
平成二十四年六月一日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員横粂勝仁君提出首都直下巨大地震対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員横粂勝仁君提出首都直下巨大地震対策に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「首都直下巨大地震」の意味するところが必ずしも明らかではないが、首都直下地震を対象とした特別法の制定については、その必要性、既存の法令との関係等について慎重な検討が必要であると考えている。
首都直下地震については、他の地震と同様に、災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)及び地震防災対策特別措置法(平成七年法律第百十一号)により対策を進めているところである。一方、これらの法律による対策に加え、東海地震については、地震の前兆現象の早期発見(以下「地震直前予知」という。)の可能性があると考えられていることから大規模地震対策特別措置法(昭和五十三年法律第七十三号)により、東南海・南海地震及び日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震については、津波からの円滑な避難の確保等の対策が求められることから東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(平成十四年法律第九十二号)及び日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(平成十六年法律第二十七号)により、それぞれ対策を進めているところである。
地震直前予知のための研究については、まず、地震に関する基礎的な知見を蓄積することが必要であることから、「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」(平成二十年七月十七日科学技術・学術審議会決定。以下「観測研究計画」という。)に基づき、各大学において地震に先行して発生する現象に関する研究が行われているところであり、文部科学省としては、国立大学法人東京大学が行う観測研究計画の推進に関する業務について国立大学法人運営費交付金により支援することを通じて、各大学における研究を支援している。
また、地震直前予知のための観測網の整備については、現時点において地震直前予知の可能性があると考えられている地震は東海地震のみであることから、東海地域及びその周辺において進めることとしており、気象庁が静岡県、愛知県等に地震計、ひずみ計等を設置し、これらによる観測データを二十四時間体制で監視しているところであり、そのために必要な予算を同庁において計上している。
地震発生時において、迅速かつ的確な応急対策を実施するため、平時から、各府省庁と地方公共団体が、それぞれ行っている防災に関する取組等について情報及び意見を交換しているほか、地震発生時には、必要に応じて、災害対策基本法第二十四条第一項に規定する非常災害対策本部又は同法第二十八条の二第一項に規定する緊急災害対策本部を設置し、府省庁間の連携を図るとともに、同法第二十五条第六項に規定する非常災害現地対策本部又は同法第二十八条の三第八項に規定する緊急災害現地対策本部を置き、被災した地方公共団体との密接な連携を図ることとしている。このほか、被災した地方公共団体からの要請に応じて、各府省庁がそれぞれ職員を派遣し、被災地の復旧・復興を支援してきたところである。
お尋ねの「地震防災に対する民間部門の対応に対する財政金融支援措置」については、地震防災対策の一環として、建築物の耐震改修等に対する支援等が重要であると考えており、国土交通省において、住宅・建築物安全ストック形成事業による助成、独立行政法人住宅金融支援機構による融資等の支援策等を講じてきているところである。